2005年に地域密着型サービスが創設され、2016年度からすべての通所介護事業所（デイサービス）は「通所介護」「地域密着型通所介護」に分類されています。それぞれに人員に関する基準が定められていますが、ここでは地域密着型通所介護の人員基準についてご説明します。
小規模なデイサービスで、どのような職種の人が働いているのか気になっている人は、ぜひご一読ください。
地域密着型通所介護とは？
地域密着型通所介護とは、通所介護のうち、利用者定員が18人以下の小規模な通所介護事業所です。地域密着型サービスに分類されるため、原則は事業所の所在地の自治体に居住している方が利用することとなっています。通所介護では、ご利用者の心身機能の維持向上と、ご家族の負担緩和を目的として、要介護の方を通所介護事業所に送迎し、食事、入浴などの日常生活、機能訓練やレクレーションなどを提供しています。
地域密着型通所介護を創設した背景
市町村が主体となって推進する地域包括ケアシステムの構築のため、地域との連携を図るという観点から、小規模な通所介護事業所は地域密着型サービスに移行しました。また、地域の実情に合わせた介護事業所の整備を行う観点から、指定権限が以前までの都道府県から市町村等に移譲されました。
地域との連携
地域密着型サービスでは、ご利用者とその家族、地域の住民などに対し、提供しているサービスの内容等を明らかにし、事業所運営の透明性の確保、サービスの質の確保、地域との連携の推進という目的のため、運営推進会議の設置が義務付けられています。
地域密着型通所介護の人員基準とは？
地域密着型通所介護の人員基準は定員が18名以下であり、１か月あたりの利用者数が450名以下と定められています。以下に詳細について深堀ります。生活相談員
資格
国が定めた要件として社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格、都道府県が定めた要件として、介護福祉士、介護支援専門員などの資格要件があります。
配置
１名以上が必要です。また、サービス提供日ごとに生活相談員の勤務延時間が、サービス提供時間数以上の配置が必要です。勤務延時間とは、サービスを提供している時間帯に勤務している時間の合計です。
看護職員
資格
看護師、准看護師
配置
１名以上が必要です。提供時間帯すべてに配置する必要はありませんが、提供時間帯を通じて、密接かつ適切な連携を取ることができる環境が必要となります。なお、病院、診療所、訪問看護ステーションとの連携により、看護職員がご利用者の健康確認を行い、通所介護の提供時間帯を通じて、密接かつ適切な連携を取っている場合は、看護職員が確保できていることとされています。
介護職員
資格
特に資格要件はありません。無資格者、介護職員初任者研修修了者、実務者研修修了者、介護福祉士などが働いています。
配置
基本的には１名以上が必要です。利用定員が15人以下の場合は、サービス提供日ごとに介護職員の勤務延時間をサービス提供時間数で割った数が1以上となる配置が必要です。ご利用者が16人以上の場合は、介護職員の勤務延時間をサービス提供時間数で割った数が15人を超えた利用者数を5で割った数に1を加えた数以上となる配置が必要です。
機能訓練指導員
資格
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師/准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師
※はり師、きゅう師の資格者を機能訓練指導員として配置する場合、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した介護事業所等で６か月以上機能訓練指導に従事した経験が必要です。
配置
1名以上が必要です。
管理者
資格
特に資格要件はありません。
配置
1名以上が必要です。
それぞれの職種の兼務
その業務に支障がない範囲内でその事業所の他の職務と兼務することができるので、兼務で働いている方も多いでしょう。
まとめ
地域密着型通所介護の人員に関する基準を説明しました。地域密着型通所介護は、小規模な事業所なのでスタッフも少人数で運営されていることが多いでしょう。その中で、介護職員はご利用者の在宅生活を支援するために活躍しています。
監修者 カイゴジョブ編集部
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