療養通所介護の管理者になるには?

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療養通所介護の管理者になるには?

2006年度から実施されている「療養通所介護」。通常の通所介護とは違い、重度の要介護者または末期のがん患者で看護師による観察が常時必要な方が利用する介護サービスです。

今回は療養通所介護の管理者になるための要件や仕事内容などをご紹介します。

療養通所介護とは?

療養通所介護は通常の通所介護とは違います。医療面での援助が必要な在宅で生活する重度の要介護者とガンの末期患者の方が対象になります。ご利用者が医療面での援助を必要としているため、通所介護と比較するとご利用者1人に対して職員を多く配置する必要があります。そのため、少ない利用定員で運営していることが多いようです。

また、人員的な面からも運営している事業所数も少なく、厚生労働省介護給付費分科会の資料によると、平成28年度時点ではわずか85事業所となっていました。

療養通所介護の管理者になるためには?

療養通所介護の管理者になるには次の3つの要件を満たす必要があります。

看護師であること

療養通所介護を利用する方は、重度の要介護者やガンの末期状患者ですから、急変時に的確な指示ができることが必要となります。

常勤、専従であること

常勤・専従であることが必要になります。ただし、業務に支障がなければ、他の職務または同一敷地内の他の事業所を兼務できます。

療養通所介護を行う上で、必要な知識と技能を有すること

必要な実務経験として訪問看護での従事経験が求められ、さらに関連機関が実施する研修等を受講し、資質を確保することが望ましいとされています。

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療養通所介護の管理者の仕事内容

管理者とは、その事業所を適正に運営するための管理業務を行う職種です。運営基準に管理者の責務は、「従業者の管理及びサービスの利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うものとする」と定められています。

職員の管理

人員配置管理

療養通所介護の人員基準を満たしているか、介護職員・看護職員等の配置を管理します。利用者の数が1.5名に対して、サービス提供時間を通じて専従する従業者を1名配置するとともに、常勤専従の看護師を1名以上配置しているかをチェックします。これらは介護報酬算定の根拠となるため、重要な管理業務です。

シフトなどの管理

人員配置管理を満たした上で、効率的かつ適切にサービスが提供できる職員配置を行うため、また職員の希望する勤務時間や休暇等に合わせたシフトの作成を管理します。具体的には、新人職員のみで勤務する日がないか、送迎に対応できる職員が配置できているか、ご利用者の人数や状態に応じて必要な職員が配置できているかなどを調整します。また、特定の職員に残業等の負荷がかかっている場合には業務分担の見直しとともにシフトの調整を行うことがあります。

職員の人事管理(採用・退職)

職員の採用、退職に関わる業務も行うことがあります。職員が退職する場合は、採用の活動を行うことが必要となります。また、中長期的な視点で採用計画を立案することも必要になるでしょう。

職員の教育

事業所全体の研修計画だけでなく、職員毎の研修計画の立案、実施について管理します。行政や外部団体が実施する研修を活用するなど、業務上必要となる研修、スキルアップに繋がる研修を受講できるように適切な管理が必要となります。

職員の指導・相談

職員は年齢、性格、キャリア、知識、技術、家庭の状況まで様々な方がいます。それぞれの状況に応じた指導を行うとともに、個別に面談を行う機会を確保するなど工夫して、働きやすい環境を整えることが管理者として必要になります。

その他の管理

設備備品の管理

設備に関する基準が定められているため、設備・備品等が基準を満たしているとともに、適切に使用できる状態に保つことも管理業務の一つとなります。建物、設備、車両、医療器具等の備品の修繕、導入、入替など、様々なものの状況に合わせた管理が必要とされます。

利用者の管理

事業所の運営にはご利用者の確保が必要となります。医療機関、訪問看護事業所、居宅介護支援事業所等と連絡をとり、ご利用者の情報を収集し、事業所の体制を勘案し、サービスの提供に結びつける、いわゆる営業を行うこともあるでしょう。

安全・サービス提供管理委員会の開催

介護事業所の運営には各種会議を、定期的に開催していくことが求められています。会議の名称は様々ですが、安全に配慮する観点より「事故予防・再発防止委員会」「身体拘束廃止委員会」「苦情対応委員会」などの会議を設置し、安全にサービス提供ができる体制を構築するための管理業務があります。

療養通所介護計画の作成

療養通所介護事業所では、ご利用者のアセスメントに基づいたケアプランの目標を達成するために、具体的なサービス内容等を記載した療養通所介護計画書の作成が義務付けられています。療養通所介護計画書の作成は職員と協働して行うものですが、適切に療養通所介護計画が作成されてご利用者、ご家族への説明、同意、交付されているか管理する必要があります。

療養通所介護の管理者の給与・年収

療養通所介護は事業所数が少ないため、参考になる求人情報がありませんでした。看護師資格と訪問看護での経験が必要となるので、訪問看護の管理者の年収となるでしょう。

他の分野の状況も把握する

療養通所介護事業所において重症心身障害児を対象とした児童発達支援事業を実施している事業所が多いことを受け、地域共生社会の実現に向けた取組を推進する観点から療養通所介護の利用定員が9名以下から18名以下へ変更になっています。地域共生社会の実現に向けて、障害福祉サービスと介護保険サービスの事業所は経営資源等を有効活用し、サービスを拡充することが推奨されていますので、この方向性は今後さらに推進されていくでしょう。ですから療養通所介護の管理者として、障害福祉制度や基準も把握することが必要になるでしょう。

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まとめ

まだまだ事業所数の少ない療養通所介護ですが、近年、在宅医療・在宅介護が進められていますので、今後、事業所数が増えるかもしれません。事業所が増えることで管理者のポジションが増えるので、キャリアの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?

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