訪問介護の「残業なし」の求人情報を見て、本当に残業がないのかな?と不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
今回は、訪問介護の残業について調べましたので、訪問介護に就職しようと考えている人は、ぜひご覧ください。
訪問介護の残業は多い?少ない?
訪問介護の残業は雇用形態によって異なる
訪問介護の雇用形態には、正規職員である「正社員」、非正規職員である「パート」「登録ヘルパー」などがあります。訪問介護の残業について調べると、この雇用形態によって大きく違いがありました。
訪問介護の平均残業時間
公益財団法人介護労働安定センター「平成30年度介護労働実態調査」によると訪問介護の残業時間は以下のようになっています。
訪問介護の残業時間等(時間) | 平均(正規・非正規合計) | 正規職員 | 非正規職員 |
訪問介護員 1週間の平均 | 0.9 | 1.7 | 0.3 |
サービス提供責任者 1週間の平均 | 2.9 | 3.1 | 1.8 |
参考:公益財団法人介護労働安定センター「平成30年度介護労働実態調査」
訪問介護員の中でも、非正規労働者の残業時間は介護業界の中でも少ない時間数です。一方で、同じく訪問介護で働くサービス提供責任者の残業時間を見ると、介護業界全体の平均値(1.9時間)よりも多いという結果になっています。
訪問介護のサービス残業の現状
職員が残業をした場合には、事業主は労働基準法により割増賃金(残業手当)の支払いを行わなくてはいけません。しかし、介護の口コミ等を見ていると、実際はサービス残業を強制していることや、職員が申請しづらい雰囲気を感じて申請しないことなどがあるようです。このような事業所の特徴として、勤怠管理システムが確立していないこと、口コミに投稿されていること、離職率が高いことなどが挙げられます。
近年、労働時間の適切な管理のために、勤怠管理システムが導入されている職場が多いでしょう。訪問介護では直行直帰することもありますが、スマホを利用した勤怠管理システムなどもあるので、求人に応募する際は確認すると良いかもしれません。
訪問介護の残業の原因とは?
人手不足
こちらも同じく「平成30年度介護労働実態調査」によると、82.1%の訪問介護事業所が訪問介護員の不足を感じています。
※不足感(大いに不足+不足+やや不足)
大いに不足 | 不足 | やや不足 | 適当 | 過剰 | |
訪問介護員 | 27.0 | 29.6 | 25.5 | 17.5 | 0.4 |
介護業界全体 | 10.5 | 23.1 | 33.6 | 32.4 | 0.5 |
移動時間が長い
訪問介護はサービスの性質上、ご利用者宅から次のご利用者宅、事業所からご利用者宅など移動が多く、移動時間が長くなります。担当する件数が多い場合、移動が多くなり、通常の就業時間内に業務が終わらないことがあります。
記録業務
訪問介護は、ご利用者に提供したサービスの内容を詳細に記録する必要があります。このサービス提供記録は介護報酬の請求の根拠として必要となるだけでなく、ご利用者から申し出があった際、記録文書として提供します。担当するご利用者が多い場合、記録を作成する時間まで確保できずに、残業になってしまうことがあります。
ミーティング
ミーティング・職員会議は、正規雇用、非正規雇用の職員が全員参加するものもあります。そのため、事業所のサービス提供時間外に行われることがあり、勤務時間外に参加しなくてはいけないこともあるようです。
サービス提供責任者の兼務
先ほどサービス提供責任者は残業時間が多いという結果をお伝えしました。サービス提供責任者は、訪問介護員と兼務していることが多く、通常の就業時間は訪問介護員として介護サービスを提供して、その後に事業所へ戻ってから訪問介護計画書の作成などの業務を行うことがあるので、業務量の多さから残業になることがあるでしょう。
まとめ
訪問介護員の残業時間は介護業界の中では、それほど長くないという結果がありましたが、就職先の訪問介護事業所による部分が大きいでしょう。求人情報の残業時間の記載と面接などで確認して、皆さんの残業に対しての希望を満たす訪問介護事業所を選びましょう。
監修者 カイゴジョブ編集部
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