サービス業(接客業)からの転職で介護職を選ぶメリット7選 【43歳・未経験の転職成功体験談あり】

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サービス業(接客業)からの転職で介護職を選ぶメリット7選 【43歳・未経験の転職成功体験談あり】

今、接客業にお勤めの方の中には、「労働時間が長くて疲れる」「休みが満足に取れない」「新型コロナウイルス感染症の影響で仕事がなくなってしまった」などの理由から「転職できる業界を探している」という方もいるのではないでしょうか。そのような方に、今回は接客業からの転職先の一つとして"介護職の仕事"がオススメである理由を、転職成功者のインタビューなども交えてご紹介致します。

他業界・ 異職種から介護業界への転職を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。

接客の仕事を辞めたい・辞めたくなるのは何故?

接客の仕事は離職者が多いと感じる方も多いかと思いますが、まずは実際の数字で確認してみましょう。厚生労働省が調査した「2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要」によれば、接客の仕事が多く発生する宿泊業・飲食サービス業の離職率は33.8%、生活関連サービス業・娯楽業の離職率は20.5%と、調査対象産業の中で、1・2番目の高さとなっています。

引用:厚生労働省 「2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要 2 産業別の入職と離職」より

合わせて、厚生労働省が調査した「新規学卒者の離職状況」における、接客業に関連する宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業の3年目までの離職者率を調べると、およそ2人に1人以上が3年以内に離職しており、全産業平均と比較しても短期間での離職が多くなっています。

新規高卒就職者の産業別離職状況(平成29年3月卒) 入職者数 3年目までの離職者数 離職率
宿泊業、飲食サービス業 10,910 7,004 64.2%
生活関連サービス業・娯楽業 6,055 3,614 59.7%
全産業計 179,529 70,943 39.5%
新規大卒就職者の産業別離職状況(平成29年3月卒) 入職者数 3年目までの離職者数 離職率
宿泊業、飲食サービス業 10,353 5,441 52.6%
生活関連サービス業・娯楽業 7,608 3,512 46.2%
全産業計 458,683 150,543 32.8%

また、接客業として日々働く中で「本来の勤務時間に比べ、働いている時間が長い」「自由な時間が全然取れない」「将来性が感じられず不安」という実感をお持ちの方もいるかと思います。そのように感じるのはどうしてなのか、接客業を辞めたくなる具体的な原因を一つずつ見て行きましょう。

労働時間が長い

接客業の特徴の一つに「労働時間が長い」ことが挙げられます。特に時間外労働の長さは実感しているかと思いますが、厚生労働省が2016年度に行った「過労死に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業」の結果を例に挙げると、外食産業では約3社に1社で月20時間以上の時間外労働が発生しています。

時間外労働時間(月) 割合
10時間以下 33.3%
10時間超~20時間以下 20.5%
20時間超~30時間以下 10.7%
30時間超~45時間以下 9.8%
45時間超~60時間以下 8.9%
60時間超~80時間以下 3.7%
80時間超~100時間以下 0.9%
100時間超 0.9%
無回答 11.3%

接客業において時間外労働が常態化している原因には「慢性的な人手不足」「バイトの急な欠勤等のフォロー」「業務量の多さ、業務内容の煩雑さ」など様々な理由があるかと思いますが、一日の労働時間が長く、自由な時間が取れないことが接客の仕事を辞めたくなる要因の一つとなっているでしょう。

休日がない

接客業の特徴の一つに「休日がない」点も挙げられるかと思います。接客の仕事が多いサービス業では、土日や祝日が出勤日で、休みは平日となることも多いでしょう。その貴重な休日も「慢性的な人手不足」「欠勤者の穴埋め」「本部ミーティング、会議への参加」などで出社せざるを得なくなった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。休日が少なく、友人、家族などと予定を合わせづらいことも、接客の仕事を辞めたくなる要因の一つとなっているでしょう。

売上ノルマがきつい

接客の仕事の中には、個人や店舗単位で売上ノルマが決められ、それを達成することが日々求められる職場もあります。ノルマを達成するため常に神経を遣い、場合によっては自腹を切って売上を満たすこともあるでしょう。また、売上だけを優先すれば当然、接客の質にも悪影響を与えてしまいます。このような「ノルマのための仕事」が日々のモチベーションにも影響し、接客の仕事を辞めたくなる原因の一つとなっているようです。

キャリアアップしづらく、将来性を感じられない

接客の業務内容は明確な資格やスキル等につながりづらいことから、長く仕事を続けていく上で「キャリアアップがしづらい」という特徴があります。キャリアアップしづらいということは、給料の上がりにくさや、将来的に転職の幅が狭まることにもつながり、接客業の仕事を続けていくことに将来性を感じられないことも、接客の仕事を辞めたくなる原因の一つとなっているようです。

接客業からの転職先にオススメの職種は?

ここでは、接客の仕事から他業界への転職を検討する際、未経験でも転職が成功しやすいオススメの職種を紹介します。

事務職

事務職への転職では、事務処理能力に加えスケジュール通りに仕事を進める段取り力、そして社内外の人と仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力などが重視されます。日々の接客対応で培われたコミュニケーション力や、売上・在庫管理、収支管理などの実績などをアピールすることで、事務職への転職が実現しやすいでしょう。

営業職

営業職への転職では、目標を達成するための企画・提案力や人柄、フットワークなどが重視される傾向にあります。接客対応で培ったマナーや、売上を達成するために行った工夫などの実績などをアピールすることで、営業職への転職が実現しやすいでしょう。

介護職

介護職への転職では、経験や資格よりも、被介護者の気持ちに寄り添って介護サービスを提供するためのホスピタリティや、多職種と連携するためのコミュニケーション能力が重視されます。また、仕事の中でやりがいを感じやすいことや、キャリアアップが明確であるという特徴もあります。接客業から介護職への転職をオススメする理由が複数ありますので、以下をぜひご確認ください。

接客から介護職への転職をオススメする7つの理由

1.好条件で転職しやすい

接客の仕事から介護職への転職をオススメする理由の一つに「好条件で転職しやすい」点が挙げられます。具体的には次のような点になります。

サービス需要が増加し続ける

日本は65歳以上の高齢者が増加し続けており、2040年には高齢者数人口がピークを迎えると予測されています。そのため、介護サービスを提供する介護人材の需要も右肩上がりとなっており、2025年度には約243万人の介護人材が必要と言われています。

引用:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」より

そのため、需要増に伴う人材不足が続く介護業界は求職者に有利な「売り手市場」となっており、好条件の求人を見つけやすくなっています。

無資格・未経験でも就職しやすい

介護の仕事は「資格が必要」「経験者でないと難しい」というイメージがあるかもしれませんが、実際には無資格・未経験でも働ける求人が多く存在しています。介護求人サイト『カイゴジョブ』に掲載されている東京都の2020年12月の求人情報を参照すると、約38%の求人が「未経験歓迎」となっており、すぐにでも介護の仕事に就きやすい状況となっています。

正社員として採用されるチャンスが多い

正社員として採用されるチャンスが多いのも、介護職が好条件で転職しやすい点の一つでしょう。介護求人サイト『カイゴジョブ』に掲載されている東京都の2020年12月の求人情報を参照すると、約72%が正社員もしくは契約社員の求人となっていました。

2.資格取得によるキャリアアップ・給与アップが明確

接客の仕事から介護職への転職をオススメする理由の一つに「資格取得によるキャリアアップが明確」という点が挙げられます。以下の図は一般的な介護職のキャリアアップの流れですが、介護の資格を取得していくことで、キャリアアップにつながることがおわかりいただけるかと思います。

また、多くの介護施設・事業所では所持している介護の資格に応じた資格手当を支給しており、資格取得がキャリアアップだけでなく、給与アップに反映されやすい点もポイントです。

介護職員初任者研修とは

介護職員初任者研修は、「在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を修得する研修」と定められた、介護職として基本的な知識・技術を身に付けていることが証明できる資格になります。資格名に“研修”と入っているように、130時間の座学・演習を受けた後、修了試験に合格することで取得できます。取得までの期間は1カ月~3カ月ほどで、就職前や就職後に働きながら資格を取得しやすいことも特徴です。資格手当は月額3,000円~5,000円くらいの職場が多いようです。

実務者研修とは

実務者研修(正式名称:介護福祉士実務者研修)は、「幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の修得」を目的とした、より質の高い介護サービスを提供するために、実践的な知識と技術の習得を目的とした資格になります。450時間の座学・演習(介護職員初任者研修など一定の資格取得者は免除科目あり)を受け、修了試験に合格することで取得できます。取得までの期間は3カ月~半年ほどで、実務者研修の修了は介護福祉士国家試験の受験資格となっていているため、働きながらキャリアアップを目指す人には必須の資格と言えるでしょう。資格手当は月額5,000円~10,000円くらいの職場が多いようです。

介護福祉士とは

介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた介護・福祉分野の国家資格です。介護における高い専門知識・技術を有していると認められる介護福祉士は、介護現場におけるリーダー的役割も期待され、様々な介護施設・事業所で活躍しています。介護福祉士の資格は、実務者研修の修了と3年以上の実務経験を積むなどして、毎年1回行われる介護福祉士国家試験の受験資格を得られ、国家試験に合格することで取得できます。資格手当は月額10,000円~20,000円くらいの職場が多いようです。

3.接客業で身に付けたスキル・能力が活かせる

接客の仕事から介護職への転職をオススメする理由の一つに「接客業で身に付けたスキル・能力が活かしやすい」という点が挙げられます。接客を通じて得られるコミュニケーション力や、顧客に対するホスピタリティ、接遇マナーといった接客技術は、介護職としてご利用者に接する際にも十分に活かせるでしょう。また、店舗運営やスタッフ育成などのマネジメント経験があれば、介護施設・事業所のリーダーや主任といった役職を目指す上でも役立ちます。

4.勤務時間を選びやすい

接客の仕事から介護職への転職をオススメする理由の一つに「勤務時間を選びやすい」という点があります。デイサービスや訪問介護など日中帯を勤務時間とするサービスや、特別養護老人ホームやグループホームなど2交代・3交代のシフト制で24時間のサービスを提供する介護施設・事業所があるため、「9時から17時までの決まった時間帯で働きたい」「夜勤の仕事も対応できるようにスキルアップしたい」など、勤務時間や働き方の希望に応じて仕事を選択できる点も、介護の仕事の魅力の一つです。

また、公益財団法人 介護労働安定センターが2020年8月に発表した「令和元年度 介護労働実態調査結果」によると、一般的な介護職員(正規雇用)の1週間の残業時間数は、調査した事業者全体の49.1%が「残業なし」、27.7%が「週5時間未満」となっており、週の残業時間の平均は1.9時間でした。

5.給与水準も上昇傾向に

接客の仕事から介護職への転職をオススメする理由の一つに「介護職の給与水準が上昇傾向にある」という点があります。介護業界は産業全体の平均に比べて「賃金水準が低い」と言われてきましたが、介護職員が安定して長く働けるよう、国を中心に待遇改善に積極的に取り組んでいます。その一つに「介護職員処遇改善加算」という取組があります。

これは介護職のキャリアアップの制度を整えたり、職場環境の改善を実施した介護施設・事業所に、介護職の給料を上げるための予算が支給されるというものです。2019年10月からは新たに、要件を満たした経験・技能のある介護職員を中心とした給料アップの予算を支給する「介護職員等特定処遇改善加算」も創設されました。

引用:第194回社保審 介護給付費分科会資料「介護人材の確保・介護現場の革新」より

令和2年2月時点で、介護職員等特定処遇改善加算を取得している介護施設・事業所に勤める介護職員の平均月給は325,550円となっており、前年比で平均月給が約1万8千円アップしていることからも、給与水準の上昇傾向がお分かりいただけるかと思います。

6.安定して長く勤めることができる

接客の仕事から介護職への転職をオススメする理由の一つに「安定して長く勤めることができる」という点があります。介護職の仕事は正社員の他、パート、派遣など多様な雇用形態の中から仕事を選ぶことができ、ライフスタイルの変化に合わせて長く働き続けることも可能です。介護サービスの需要が高いことは先にお伝えしましたが、それは一過性のものではなく、今後も長期に渡ると予測される点でも、介護職は安定して長く勤められる職種であると言えるでしょう。

7.仕事のやりがいを感じられる機会が多い

介護職の仕事には「やりがいを感じられる」機会が多い点も、接客の仕事から介護職への転職をオススメする理由の一つです。介護の仕事は「在宅や施設で生活する人が、できるだけその人らしく暮らせるように必要な支援を行うこと」で、介護職はご利用者が望む生活を実現するために、介護サービスを提供します。自分が行ったケアでご利用者が喜んだり、快適に過ごせている姿を日常的に見られることは、日々のやりがいにつながるでしょう。

また、介護職の仕事はご利用者や家族、同僚や連携する他職種からお礼の言葉を受ける機会も多く、「人の役に立っている」という実感を得やすい点でも、仕事のやりがいをより感じやすいと言えます。

接客業から介護職へ! 43歳 K・Iさんの転職成功インタビュー

画像:pixta

ここからは、接客の仕事から介護職に転職を成功させた方へのインタビューをご紹介します。どうして介護の世界に飛び込もうと思ったのか、未経験でも仕事は務まるのかなど、皆さまにとって参考となるお話も多いかと思いますので、ぜひ最後までお読みください。

ーー前職のお仕事について教えてください。

前職ではパチンコ店の店長補佐として、店舗運営管理の代理と店舗内業務に携わっていました。店舗運営では人員の配置や機種の導入選定、売上に対する利益の計画を立て、目標に向けた営業などを行っていました。店舗内業務ではフロアでの接客を始め、お客様のトラブル対応、カウンター業務、クレーム対応など、お客様との対応全般を行っていました。2018年の夏に退社して、接客業としては計12年ほどこの業界に勤めていました。

ーー前職ではどんなところが大変でしたか?

お客様の中にはストレスや怒りの矛先をスタッフに向ける方もいらっしゃいます。そういう方はお金も使われていますし、中々怒りが収まりません。一般スタッフだけでは対応しきれないようなお客様に対応する役割もあり、中にはどうしても対応が上手くいかないお客様もいて、そういう点は特に大変でしたね。

ーー前職のお仕事を退職されたのはどうしてでしょうか?

きっかけとしては母親の体調悪化や、当時勤めていた業界で将来のビジョンが見えなくなった、などの理由が重なったことです。特にアミューズメント業界は業界全体で規制が厳しくなっていたこともあり、「この先も勤め続けられるだろうか…」と、将来性の不安を強く感じていました。また、母親の体力の衰えを目の当たりにし、今後もし母に介護が必要になったら「自分が介護の知識が身に付けていることで何らかの役に立てるのではないか」という思いも、介護業界に目を向ける入口になりました。

その後介護の仕事を探し始め、無資格・未経験で働けるところを探してまずはデイサービス(※1)にアルバイトで3カ月ほど勤めました。その後、グループホーム(※2)の求人に応募し採用していただいて、現在はそちらでユニットリーダー(※3)として働いています。

※1 デイサービス…利用者が自宅から日帰りで通い、入浴・食事等の日常生活上の世話や機能訓練、レクリエーションなどのサービスを受ける介護事業所。

※2 グループホーム…認知症の高齢者が入居し、定員9名の小人数の共同生活住居で家庭的な環境の元、日常生活上の世話や機能訓練を受けながら、能力に応じた生活を営む介護事業所。

※3 ユニットリーダー…ユニット単位で働く介護職員の指導やマネジメントを行う職種。ユニットリーダーも現場でご利用者の介護に当たることもある。

ーー既にユニットリーダーとして働かれているんですね。

はい。自分の40代前半という年齢を考えると、介護の知識やスキルはできるだけ早い内に身に付けておきたいと考え、自分から手を挙げて挑戦させてもらっています。今勤めているグループホームの面接を受けた時にも「こちらで管理職を目指し、いずれは独立して自分で介護事業所を立ち上げたいです」と宣言したくらいなので(笑)

ーー介護のお仕事は未経験とのことでしたが、入社当時はどんな感じでしたか?

無資格・未経験で介護の仕事に飛び込んだこともあり、入社当時はわからないことだらけでした。先輩方はベテランの介護職の方ばかりですし、その中でも男性の介護職は少ないものですから、ご利用者だけでなく女性の同僚・先輩たちとのコミュニケーションも含め、頑張らないといけないと感じました。なので、早く一人前と認めてもらえるように、介護の資格もなるべく早く取得しようと頑張りました。

ーー今はどんな介護の資格をお持ちなのでしょう。

介護職員初任者研修と、実務者研修を取得しました。次は介護福祉士の資格を取得しようと思い、今は受験資格に必要な実務経験を積んでいます。

ーー今の職場で働くにあたって、希望条件などはありましたか?

まずは介護の経験を積むのが一番大事だと思いまして、無資格・未経験でも大丈夫な介護施設・事業所を探していました。特別養護老人ホームなども就職先の候補として考えていました。その他の希望は通勤時間です。自宅から30分ほどで通えるところがよいなと思っていました。通勤時間が短ければ、その分勉強に使う時間などに充てられますし、結構重視したポイントかなと思います。今の職場は通勤時間などの希望も満たしていましたし、面接の当日に内定のお返事をいただけるなど、採用までのスピード感があったこともよかったです。

ーーグループホームでのお仕事はどんな内容でしょうか。

ユニットのご利用者の介護度にもよりますが、比較的自立されている方は日常生活を送る際のコミュニケーションが中心ですね。介護が必要な方には入浴や排泄、移動や食事の介助など身体介護を行います。

私が勤めているグループホームでは調理済みの料理を提供するため、下膳や食器洗いをご利用者の方と一緒に行うこともあります。その他、洗濯物を干す、お掃除を一緒にするなど、ご利用者の方ができる能力に応じて、できる限り普通の生活を送っていただくためのお手伝いをしています。グループホームは1ユニットが最大9名で、ご利用者一人ひとりの状態を把握しやすく、一日を通して入居者と関わる時間が多いのが特徴だと思います。

ーー仕事にはどんな感じで慣れていったのでしょうか。

最初は先輩について、基本的な介助のやり方などを教えてもらいながらで1~2カ月くらい先輩と一緒に日勤帯で仕事をしました。2カ月目からは入浴介助がある早番、3カ月目からは夜勤にも入るようになりました。

ーー実際に働かれてみて、介護のお仕事はどうですか。

ご利用者に対する介助やコミュニケーションは、初任者研修などで学んだことが活かせているので、資格を取ってよかったと思います。また、グループホームの入居者の方は状態の差こそあれ皆さん認知症の症状をお持ちなので、できるだけ伝わりやすく、シンプルな言葉を選ぶように心がけています。

ーー前職の接客のお仕事で培われたスキルなどは、介護のお仕事にも活かせていると感じますか?

ご利用者への挨拶・声掛けや言葉遣いは、前職での知識や経験を活かせると感じます。他人行儀になり過ぎず、適度な距離感を保ちつつも親しみを感じていただけるようなコミュニケーションが自然とできているかなと。その他、ユニットリーダーとして同僚に接する際も、距離感が近すぎると、その人だけえこひいきしてしまうことにもつながりかねないなど、そういった点を考慮できることも、前職で管理職をしていた経験があるからこそだと思っています。

ーー転職前後で、労働環境に変化はありましたか?

前職は休みの日も店舗に顔を出したり、シフトの穴を埋めるための休日出勤も頻繁で、休みがほとんどありませんでした。今は休日の日数も増えましたし、「休みの日はしっかり休む」ことが当たり前になったので、しっかりオンとオフの切り替えができています。休みの日を利用して実務者研修の資格も取得できました。また、前職は売上目標を達成するために朝から夜中まで働くような状況でしたが、現在はシフト制で残業などもほとんどありません。身体の負担も以前と比べると楽になりましたね。

ーー介護の仕事をされていて、どんなことをやりがいに感じますか?

やはりご利用者と意思疎通やコミュニケーションが取れた瞬間はすごく嬉しいですね。認知症がある程度進んだ方で、最初は私が誰かわからずにお話を聞いてもらうことも難しかった方でも、長く接している内にこちらの言うことを理解してくださるようになり、介助も上手くいくようになったんです。介護職としての私という人間を認識してくださるようになったんだなと、感慨深いものがありました。介助やコミュニケーションを取っている中で、ご利用者の笑顔が見えると、自分自身も癒されるし、それまで感じていた疲れもどこかにいってしまうような気がします(笑)

ーー今後、介護職としてどんな目標や夢をお持ちですか?

まずは介護福祉士の資格を取りたいですね。その後はケアマネジャー(※)の資格を取り、ゆくゆくは独立して自分の介護事業所を立ち上げたいと思います。

※ケアマネジャー…正式名称は介護支援専門員。ご利用者の心身の状況に応じて適切な介護サービスが受けられるよう、介護サービス計画(ケアプラン)の作成・更新・変更を行うと共に、介護サービスを提供する事業所などと調整を行う専門職。

ーー最後に、現在接客のお仕事に就いていて、これから介護職を目指そうと考えている方へメッセージをお願いします。

自分の場合は無資格・未経験で介護の世界に飛び込みましたが、入ってみてわかったのは、自分のイメージだけだと、現場の実態とかけ離れていることも多いです。これから介護の仕事を初めてみようという方は、初任者研修の資格を取っていると知識もつくし、心の準備ができるので、介護の仕事を始める際、より安心感があるのかと思います。

また、介護の仕事はやりがいが実感しやすいですね。ご利用者様と意思疎通ができる、距離が縮まる、笑顔になるなど、その瞬間瞬間で、自分がやったことに対する評価が実感できるます。「ありがとう」という言葉をもらえることも充実、達成感につながるので、そういった点に少しでも魅力を感じられるのであれば、その方は介護の仕事に向いていると思います。きっと新しい道が開けると思いますので、興味があればぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

介護の仕事に向いているのはどんな人?

いざ介護の仕事に興味を持った際、「果たして自分に向いている仕事なのかな?」と疑問に思う方もいるでしょう。介護の仕事への適性があれば、働くのもより楽しくなるかと思います。ここでは介護の仕事に向いている人の特徴をご紹介しますので、自分に当てはまる点があるかチェックしてみてください。

人と接することが好きな人

介護の仕事はご利用者に直接触れながら行う介助も沢山あります。人と接することが好きであれば心理的な負担もなくご利用者と良いコミュニケーションが取れ、介護を提供する側も受ける側も、気持ちよく過ごすことができるでしょう。

他人の役に立ちたい人

介護の仕事は、何らかの理由で介護が必要な人に「できるだけその人らしい生活が送れるよう」支援を行いますが、誰かの役に立ちたいという気持ちがあれば、ご利用者と接する際にも相手の立場に立って物事を考えることができます。「他人の役に立ちたい」と思える人は、介護の仕事に向いているでしょう。

思いやりがある人

介護の仕事では、ご利用者がその人らしい生活を送る上での課題や、時にはその家族が抱える問題にいち早く気付く必要があります。また、介護職員同士や介護職員と他の職種でのチームワークが大切になるため、思いやりのある人はご利用者や家族、同僚への気遣いも自然とできるようになるでしょう。

オンとオフの切り替えが上手な人

介護の仕事は対人援助サービスのため、時にはご利用者への対応が上手くいかなかったり、ご利用者との関係をしっかり築けないなどの理由で落ち込むことがあるかもしれません。そんな時こそオフの時間で仕事から離れて気持ちをリセットすることで、また気持ちよく働き続けられます。

まとめ

接客の仕事を辞めて転職したいとお考えの方に、介護職に就くメリットや転職の成功体験談などをご紹介してきました。介護の仕事は未経験からでも働きやすく、また接客業で培われるコミュニケーション能力なども活かしやすい環境であること、キャリアアップも明確であることなどがおわかりいただけたかと思います。無資格・未経験でも働ける好条件の介護求人をお探しでしたら、介護専門の求人サイトである『カイゴジョブ』に登録してみてはいかがでしょうか。

本記事を参考に、接客業にお勤めの皆様の転職活動が成功することをお祈りしております。最後までお読みいただきありがとうございました。

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監修者 カイゴジョブ編集部

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