失語症の方とコミュニケーションをとる方法は?【介護職のお悩みQ&A】

#介護職員・ヘルパー #介護・福祉の仕事のお悩み
失語症の方とコミュニケーションをとる方法は?【介護職のお悩みQ&A】

介護職の働く悩みや疑問に、介護現場で働く人達がリアルに答えるQ&A。「こんなとき、他のみんなはどうしているの?」といった疑問に、介護職歴10年以上の経験者が答えます。

Q 失語症の方とコミュニケーションをとる方法は?

失語症のある利用者さまとのコミュニケーションで、聞き取りや意思の疎通が難しいのですが、何かコツなどありますか?

A 非言語コミュニケーションは保たれている場合が多いので、表情やジェスチャーを活用しましょう。

失語症になっても、非言語的なコミュニケーション能力は、病前と変わらず保たれている場合が多くあります。コミュニケーションを取る際に、表情やジェスチャーを活用して交流するようにしてみましょう。

失語症の方は、言葉の意味を即座に理解することが難しく、意味を考えているうちに、次々に話が続いてしまうと、話の内容がわからなくなってしまう傾向があります。あまり多くの情報をいれず、少し落ち着いたトーンでゆっくり話してみてください。「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしてみるのも良いと思います。

例えばスポーツの話題で、「野球は好きですか?」と聞くのであれば、聞く際にピッチャーやバッターの身体の動きなど「野球」を表すジェスチャーを交えると、理解してもらいやすくなります。

周りがザワザワしていると、それも聞き取り辛い原因になりますので、できるだけ静かな場面でコミュニケーションとれると良いですね。デイサービスの現場など、なかなか静かな環境作りが難しいことも多いですが…。

決まった質問があるなら、メモを使って選択式で書いて見せるようにすると、スムーズにコミュニケーションが取れると思います。(介護職歴13年/介護福祉士)

失語症とは?コミュニケーションの前に基本を理解

「失語症」と聞くと、「話すこと」のみができない症状かと思いがちですが、実際には違います。失語症は、脳梗塞や頭の怪我などで、脳の「言語領域」が傷つくことによって発症します。

脳の「言語領域」が傷つくと、言葉がうまく使えなくなるため、話すだけでなく、聞いたこと、読んだことを理解したり、書いたりすることも難しくなります。

認知症や難聴と間違われることがありますが、失語症の場合は言葉がうまく話せなかったり、言葉の理解が難しい状態であり、記憶がなくなったり、耳が聞こえにくいというものではありません。

失語症の具体的な症状

話すこと

・何か言おうとした時、言いたい言葉がでてこない(喚語困難)
・言葉を言い間違える。「トマト」と言いたいのに「きゅうり」と言ってしまうなど(語性錯誤)
・発音を間違える。「トマト」といいたいのに「とめめ」と言ってしまうなど(字性錯誤)
・文章で話すことが難しい
・口まわりの麻痺がないのにたどたどしい話し方になる

聞くこと

・聞いた言葉の意味が理解できない
・複数人での会話を聞き取ることが難しい

読むこと

・文章や文字の意味が理解できない
・漢字よりも、ひらがなやカタカナの理解が難しくなる場合が多い

書くこと

・文字が思い出せない
・文章で書くことが難しい

脳の「言語領域」のうち、どのあたりに障害が起きたかで症状は異なり、聞いて理解はできるけど話せない場合や、なめらかに話せるけど言い間違いが多く、言葉を聞いて理解することが難しい場合など、タイプが分かれます。タイプに合わせたコミュニケーションを模索することが有効です。

介護職のお悩みQ&Aまとめへ

介護の求人を探す

働きたいエリアに「賞与あり」の
求人はどれくらいある?
介護職員・ヘルパー
賞与・ボーナスあり
の求人をチェック!
カイゴジョブ編集部

監修者 カイゴジョブ編集部

介護業界でがんばる皆様、転職を検討している皆様を全力応援!お悩みQ&Aや転職ノウハウなど、お役立ち情報を発信します。

関連記事