【デイサービスの転職体験】結婚・出産などライフイベントによる短期の離職が続いても、転職活動を有利に進めるには

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【デイサービスの転職体験】結婚・出産などライフイベントによる短期の離職が続いても、転職活動を有利に進めるには

3人の子どもを育てながら、都内のデイサービスで働く現在40歳のAさん。結婚や出産、パートナーの転職などを機に転職を重ね、これまでデイサービスを中心に5つの職場を経験してきました。ライフイベントにキャリアを左右される状況で働き続けるためには、どんなポイントに気をつけたら良いのでしょうか。 Aさんの体験談を伺いました。

結婚を機に退職。東京の特養から地方のデイサービスへ

――まず、Aさんの職歴を最初から教えてください。

2001年に短大を卒業した後、新卒で東京の社会福祉法人に入社し、特別養護老人ホームの生活相談員として働き始めました。

――キャリアのスタートは生活相談員だったのですね。

はい。介護職として採用されたのですが、短大卒業と同時に介護福祉士と社会福祉主事任用資格を取得していたので、「資格があるなら生活相談員をやってほしい」と頼まれたんです。

調べてみると、生活相談員を2年間やれば社会福祉士の受験資格が得られるとわかったので、今後のキャリアに役立ちそうだと思い引き受けることにしました。

――その後、社会福祉士の資格は取得したのですか?

はい。入社3年目で社会福祉士の通信講座に通い始めて、2年後に社会福祉士の資格を取得しました。そのおかげで、今に至るまで転職活動で困ったことはありません。介護福祉士と社会福祉士の資格を両方持っている人は少ないので、職場では常に重宝されてきました。キャリアの初期に複数の資格を取得しておいて本当に良かったです。

――最初の職場では何年間働いたのですか?

約3年です。職場内結婚をきっかけに、なんとなく居づらくなってしまったので私が退職しました。結婚と同時に夫が静岡に転勤になったので、私は静岡のデイサービスで働き始めました。23歳のときです。

――なぜ特養からデイサービスに?

今まで通り夜勤がない職場で働きたかったからです。前職では生活相談員として働けていたので夜勤がありませんでしたが、他の特別養護老人ホームでは希望して生活相談員の仕事をやらせてもらえるとは限らないので。

――転職先の情報収集はどのように行いましたか?

ハローワークや新聞の折り込み広告、フリーペーパーなどです。地元の情報がたくさん載っていて助かりました。

――転職先に求める条件として重視したのは?

一番は給料です。前職の給料は額面で15万円でしたが、転職後は手取り20万円にアップしました。

その職場は、オープニングスタッフの募集だったことも魅力的でした。新しく人が集まる環境の方が馴染みやすいと思ったんです。ただ、入社してみると想定外のこともありました。

――何があったのでしょう?

まだ利用者が一人もいない状況だったので、スタッフが近所のケアマネ事業所を回って営業活動をしなければいけなかったんです。私は人見知りな面があるので、結構辛かったですね。

オープニングスタッフの募集の場合は、確かにスタッフ同士で仲良くなりやすいメリットはあるのですが、介護以外の業務を課される可能性もあるので、事前によく確認しておいた方がいいと思います。

――その職場はどのぐらい勤めたのですか?

約半年です。夫が退職して東京で仕事を探すことになったので、夫婦で東京に戻りました。

――再び東京で働くことになったのですね。

そうなんです。ようやく新しい職場に慣れてきた頃だったのですが……。

そのとき私は管理者だったので、退職の話を進めるのは大変でしたね。結局送り出してはもらえましたが、責任が重いとスムーズに辞められないことを痛感したので、次の職場では正社員ではなくパートとして働くことにしました。

出産に備えて、勤務形態を社員からパートに変更

――3つ目の職場は、どんな職場だったのですか?

大手企業の運営するデイサービスです。最初は扶養の範囲に収めるつもりだったので出勤日をおさえていましたが、徐々に出勤日が増えて月の半分くらいは出勤し、残業する日も数日ありました。時給1500円だったので、毎月手取り20万円は稼げていて、待遇はかなり良かったです。職場の雰囲気も和気あいあいとしていて、初めて「働くことが好きなのかもしれない」と感じましたね。

――とても良い職場だったのですね。

はい。その職場では、入浴介助などの仕事ができたことも良かったです。介護福祉士の資格を持っているのに、介助の仕事を経験してこなかったのが気になっていたので。

――そのデイサービスはどのように探したのですか?

新聞の折り込みチラシです。面接では資格や経験を評価してもらえて、いつも通り問題なく進みました。

――どのぐらい勤めたのですか?

1年半です。出産を機に25歳で退職しました。

――もともと、妊娠したら退職しようと決めていたのでしょうか?

はい、それは決めていました。今までは退職交渉で苦労することが多かったのですが、今回は社員ではなくパートだったのでスムーズに進みました。過去の経験を生かして辞めやすい環境をつくっておけたので良かったです。

規模が大きい施設の方が、時間の融通が効きやすい

――出産後は、どのように過ごしていたのですか?

3人の子どもを育てながら毎日忙しく過ごしていました。次に働き始めたのは、11年後の36歳のときです。

――なぜ再び働くことに?

私自身はあまり積極的ではなかったのですが、知り合いに「近所のサービス付き高齢者向け住宅を手伝ってほしい」と言われたので。事務員としてパートで入社し、9時~14時で週3~4日出勤していました。でもこの職場は、8か月ほどで退職しているんです。

――退職の理由は何ですか?

事務職として時給1100円で働き始めたのですが、ヘルパーの人手が足りないからと介護職の仕事も手伝うことが増えてきて。さすがに割りが合わないなと感じていました。人間関係もあまり良くなかったです。

知り合いの誘いで入った職場だったので、少し辞めづらさがありましたね。自分で選んで決めた職場のほうが、辞める際に迷わなくて済むと思いました。

――その後は別の職場で働き始めたのですか?

はい。2020年に東京のデイサービスに入って、今はパートで生活相談員の仕事をしています。9時~15時で週4日出勤です。

インターネットやフリーペーパーで施設を探して、面接を受ける前にいくつか施設を見学に行きました。

――決め手はなんだったのですか?

今までは給料で決めることが多かったのですが、今回は子育てをしながらの勤務なので、時間に融通が効くことを最優先にしました。

――時間に融通が効くかどうかは、どう確認を?

「施設の規模」は重要なポイントでした。何となく「小さい施設の方が休みやすい」と思っていたのですが、転職活動中に知り合った施設の方に「規模が小さいと職員の数も少ないから休みにくいよ」と教えてもらったんです。

今の施設は利用者が約50人と多いのですが、急に休まなくてはいけなくなったときも他の職員の手を借りられるので、「規模が大きいと休みやすい」のはその通りだったなと感じています。助かっているので、できるだけ今の職場で長く働き続けたいですね。

職場を転々としていても、理由を説明できればOK

――結婚や出産などを理由に転職する際の注意点はありますか?

短期で転職を繰り返していると、面接官にどのような経緯でそうなったのかを必ず聞かれます。私は面接の度に毎回「結婚して、夫と東京に戻って……」と説明してきました。

そこでちゃんと説明できれば大丈夫ですが、必ず聞かれるので、転職の経緯は淀みなく説明できるように準備しておいた方がいいと思います。

――最後に、転職を検討している方へメッセージをお願いします。

介護の仕事は全国どこにでもあるので、転職しやすいですし、結婚や出産などによるブランクがあっても復帰しやすいと思います。でも、仕事を辞めることは大変なので、転職は慎重に行うに越したことはありません。

いきなり面接に行くのではなく、まずは施設を見学させてもらって条件や雰囲気を確認し、一度持ち帰る。そうやっていろいろな施設を比較して、一番自分に合う場所を選ぶといいと思います。

インタビューを終えて

仕事は続けたいけれども、出産や子育てなどのライフイベントも大切にしたいと思う方は多いはず。いつでもどこでも働ける環境を手にするために、キャリアの早期に資格を取得しておくことが有効であると、Aさんの事例を通じて感じました。

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カイゴジョブ編集部

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