こんにちは。NPO法人「未来をつくるkaigoカフェ」代表の高瀬比左子です。
2000年に介護職のキャリアをスタートし、介護福祉士・社会福祉士・ケアマネジャーの資格を取得しながら経験を積んできました。利用者さんやご家族と関わる中で、現場の「対話力」の重要性を痛感し、2012年に「未来をつくるkaigoカフェ」を立ち上げました。
(kaigoカフェの様子。私も参加者として、毎回みなさんと真剣に語り合っています)
kaigoカフェでは、肩書や役職に関係なく、介護やケアに関わる人々が自由に思いを語り合える場を提供しています。これまでに5万人以上が参加し、地域や学校、企業との連携も行っています。また、カフェファシリテーター講座を通じて、地域での対話の場づくりを支援しています。
(和やかな交流の時間)
私が見つけた、介護職が持つ魅力
一般的に介護職は「お世話をする人」という認識を持つ人が多いかもしれませんが、実は、単なる「お世話」や「作業」にとどまらず、人の人生に深く関わり共に喜びや成長を分かち合うことができる職業です。また、他職種からのキャリアチェンジや多様なキャリアパスが用意されており、中長期的にキャリアを築くことができる職業でもあります。
ではここからは、介護職の魅力を5つに絞り、具体的にご紹介していきます。
コミュニケーションで学びが深まる
介護職は、単に利用者さんの日常生活を手助けするだけではありません。利用者さん一人ひとりと深く関わり、その人生に寄り添っていく仕事です。
たとえば、介助のあとに「あなたのおかげで今日も元気が出たよ」「あなたにお願いできてよかった」と笑顔で感謝の言葉をいただくことがあります。こうした瞬間は介護職としての大きなやりがいを感じる大切なひとときです。
また、日々の会話を通じて、戦後の日本を生き抜いてこられた経験や、人生の知恵を教えていただくこともあります。そのようなお話からは、自分自身が学びを得たり視野を広げたりするきっかけにもなります。
スキルが身につき、キャリアアップできる
食事や入浴のサポート、リハビリの手助けなど、日常生活を支えるための専門的な技術を段階的に身につけていくことができるのも介護職の魅力の一つです。未経験からのスタートでも基礎的な研修を受けることで、安心して現場に入ることが可能です。
充実した研修制度や資格取得支援制度を整えている職場も増えており、介護職として働きながら介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得を目指す道も開かれています。介護職は、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士、ケアマネジャー、と資格取得を重ねながらキャリアを発展させることもできる、将来性のある仕事です。
地域とつながりながら働ける
介護の仕事は、高齢者の生活を支えるだけでなく、ご家族や地域全体の安心にもつながる、社会にとって大切な役割を担っています。日々のケアを通じて地域のつながりを深め、誰もが安心して暮らせる社会づくりに貢献することができます。
例えば、介護施設では地域のボランティアと協力し、利用者さんとの交流イベントを開催したり、地域の清掃活動に参加したりすることを通じて、地域住民とのつながりづくりも進めています。介護事業所が地域のハブとなって、多様な世代をつなぐ役割も期待されています。
自分らしい働き方ができる
家庭や趣味、学業など、個々のライフスタイルに合わせて柔軟に働けるのも介護職のメリットです。子育て中の方は、日中の短時間勤務やパート勤務を選ぶことで、育児と仕事を両立できます。学生やダブルワーク希望の方は、夕方、夜間や週末のみの勤務など、学業や他の仕事と調整しながら働くことが可能です。定年後の再就職を考える方は、経験や資格を活かしながら勤務時間や日数を調整して、体力や生活リズムに合わせた働き方が選べます。
他業種の経験が活かせる
介護職は他業種で培ったスキルや経験を活かせる場が多い仕事です。ここでは、実際に他業種から介護職にキャリアチェンジした方々の実例をご紹介します。
飲食業界から介護職に転職したAさん
「飲食店で接客の仕事をしていたんですが、夜勤や不規則なシフトが続いて、体力的にだんだんきつくなってきたんです。でも転職を考えたとき、人と関わる仕事はやっぱり続けたいなと思って。そんなときに出会ったのが介護の仕事でした。
最初は未経験だったので不安もありましたが、接客業で身につけた気配りやコミュニケーション能力は介護現場でも大いに役立っています。利用者さんやご家族から『ありがとう』って言ってもらえることも増えて、とてもやりがいを感じています。」
営業職から介護職に転職したBさん
「以前は法人営業の仕事をしていたんですが、毎日数字や成果に追われる生活に疑問を感じ、もっと直接人の役に立つ仕事がしたいと考えるようになりました。介護職に転職した今は、利用者さん一人ひとりに寄り添ったケアができることにすごくやりがいを感じています。
営業時代に鍛えられた提案力や調整力はケアマネジャーとしてケアプランを立てたり多職種と連携したりするときにとても役立っています。
教育業界から介護職に転職したCさん
「教員をしていましたが、定年を迎えて“もう一度なにかに挑戦したい”と思ったんです。それで選んだのが、介護の仕事でした。
介護現場ではこれまでの経験を活かして認知症予防のレクリエーションを考えたり、利用者さんの学びを支援するプログラムを企画、実施したりしています。
人の成長を支えるという点では教育も介護も共通している部分が多く、やりがいを感じています。今は第二のキャリアとして、本当に充実した日々を送っています。」
これらの事例からもわかるように、介護職は他業種で培ったスキルや経験を活かすことができる職種です。人と深く関わり、直接感謝の言葉をいただけることは、大きなやりがいとなります。また、資格取得やキャリアアップの道も開かれており、中長期的な視点でのキャリア形成が可能です。
おわりに
私自身、介護保険制度が始まって間もない頃、訪問介護事業所の立ち上げに関わる機会を得ました。たった一人の常勤者として現場に立ち、利用者の方と1対1で向き合う中で「何を望んでいるのか」「どうすれば笑顔になってもらえるのか」と考え続けた日々は今の私の原点でもあります。
介護職には多くの魅力がありますが、さらに良くしていく余地も残されています。だからこそ「どうすればもっとよくできるのか」「この人にとっての幸せとは何か」と問いを立て、対話を重ねることが大切だと感じています。
これからもkaigoカフェは、現場に寄り添いながら、問い続け、共につくる未来を目指していきます。