求人票と違うから辞めたい…即日退職は可能?相談先と損をしないポイントを解説

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求人票と違うから辞めたい…即日退職は可能?相談先と損をしないポイントを解説

入職後、実際の労働条件が求人票と異なり、戸惑うケースがあります。たとえば「身体介助なしのはずが入浴介助がある」「夜勤なしと言われたのに強要されている」といった状況を一人で抱え込む必要はありません。労働者の権利は、雇用形態にかかわらず法律で守られています。

この記事では、求人内容と実態が異なる場合の即日退職の可否や、損をしないための具体的な対処法を解説します。

求人票と内容が違うなら即日退職は可能?法的な根拠を解説

結論からお伝えすると、求人票と実態が違うという理由だけでは、即日退職が認められない場合があります。求人票はあくまで募集の案内であり、法的な強制力が弱いためです。しかし、入職時に提示された「労働条件通知書」などの正式な労働条件が事実と異なる場合は、正当な理由として即日退職が可能です。通常、退職には2週間前までの申し出が必要ですが、ここでは即日退職が認められる具体的な法的根拠を解説します。

労働基準法第15条に基づく契約解除の権利

労働基準法第15条では、雇用主が労働者に対して労働条件を明示することを義務付けています。明示された条件が事実と異なる場合、「労働者は即時に労働契約を解除することができる」と定められています。つまり、契約時の条件と実態が明らかに違うのであれば、即時に契約を解除できます。

※出典:e-Gov法令検索「労働基準法(第15条)

即日退職における損害賠償請求のリスク

「急に辞めたら法人から損害賠償を請求されるのではないか」と不安になるかもしれませんが、労働基準法第16条により、雇用主が労働者に対して違約金や損害賠償額をあらかじめ定めることは禁止されています。ただし、貸与品を返却しないままでいると、その分の損害賠償を請求される恐れがあります。退職に伴う貸与品の返却などは確実に行いましょう。

※出典:e-Gov法令検索「労働基準法(第16条)

退職の正当性を証明するために労働条件通知書・雇用契約書を確認しよう

法的な根拠を確認する際、入職時に受け取る「労働条件通知書」または「雇用契約書」が重要になります。法律(職業安定法第5条の3)により、雇用主は労働契約の締結までに労働条件を明示した書面を必ず交付しなければならないと定められています。そのため、求人票よりもこれらの正式な書類に記載された内容と実態の相違こそが、確実な証拠になります。手元に書類があるか、記載内容が実際の業務とどう違うかを確認しましょう。

条件が違うと悩んだときの相談先

勤務先へ直接交渉するのが難しい場合は、外部の専門機関や公的な窓口を活用しましょう。状況に応じて適切な相談先を選ぶことで、スムーズな解決や退職手続きにつながります。

労働基準法違反が疑われる場合は労働基準監督署

契約条件と異なる労働の強要など、労働基準法違反の疑いがある場合は、労働基準監督署に相談しましょう。相談時には、労働条件通知書や実際の勤務時間が記録されたメモや給与明細を証拠として持参することが重要です。

ハローワーク経由での入職ならハローワークの窓口

ハローワークを通じて入職した場合は、窓口や「ハローワーク求人ホットライン」へ相談しましょう。明示された労働条件と実態が著しく異なる場合、ハローワークから企業に対して事実確認や指導が行われます。

※出典:ハローワーク インターネットサービス「ハローワークの求人票と実際が異なる旨の申し出等について
※出典:厚生労働省 確かめよう労働条件「求人票や求人広告に書いてあった給料や勤務時間などの条件が、採用面接で説明された条件と違っていた場合は、どうすればよいのでしょうか?

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トラブルを最小限に抑えて退職するポイント

労働条件の相違を理由に退職する場合、その後の転職活動や失業保険の受給で不利にならないよう、適切な手続きを進めることが重要です。トラブルを最小限に抑えるための具体的なポイントを解説します。

1. 退職理由には労働条件の相違を明記する

退職願や退職届の理由は「一身上の都合」とせず「労働条件通知書の記載と実際の勤務内容が著しく相違するため」と明記しましょう。これにより、ハローワークで失業保険の手続きを行う際、「特定受給資格者」と認定され、失業給付を早期に受け取れる可能性が高まります。手続きには証拠が必要となるため、労働条件通知書や実態を記したメモ、給与明細などを大切に保管しておきましょう。

※出典:ハローワーク インターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」、「雇用保険の具体的な手続き

2. 貸与品の返却や書類手続きを漏れなく行う

即日退職であっても、損害賠償などのトラブルを防ぐため、貸与品の返却は必要です。郵送する場合は、紛失を防ぐため追跡可能な方法を選ぶのが適切です。また、離職票や源泉徴収票など、転職時に必要な書類を確実に送付してもらうよう、書面やメールで依頼を残しておくことが重要です。

3. 早期離職が次の転職に響かない伝え方のコツ

短期間での離職であっても、「事前の労働条件と実態が異なっていた」という事実は、客観的に納得できる退職理由になります。面接では前職への不満を並べるのではなく、「自分は〇〇という条件で貢献したいと考えていたが、実際は△△であったため、長く働ける環境を選び直しました」という前向きな姿勢に変換して伝えましょう

次の転職で条件の相違を防ぐための対策

入職後に労働条件が異なるといったトラブルを防ぐには、事前の確認を徹底することが重要です。2024年の法改正以降、雇用主により詳細な労働条件の明示が義務付けられています。ルールを理解し、入職前の確認に役立てましょう。

労働条件明示ルールに基づく変更範囲の確認

厚生労働省の改正により、2024年4月以降の労働契約締結時には、「就業場所・業務の変更の範囲」の明示が義務化されています。将来的に転勤や部署異動があるのか、業務内容が変わる可能性があるのかを事前に把握できるため、通知書を受け取った際は、これらの項目が明記されているか必ず確認しましょう。

面接時に具体的な業務の変更範囲を質問する

面接では「将来的に、当初の業務以外の仕事を任される可能性はありますか?」と具体的に質問しましょう。「臨機応変に対応してほしい」と曖昧な回答をする職場は、業務の線引きが曖昧な可能性があります。介護現場では、身体的負担の大きい業務がどの程度発生するかを確認しましょう。

現場の口コミや離職率を事前に調査する重要性

提示された労働条件だけでは見えない職場のリアルを知るために、企業の口コミサイトなどを活用するのも1つの方法です。また、常に求人を出している事業所は離職率が高い可能性があるため、転職エージェントを通じて平均勤続年数などを確認してもらうのも有効です。

入職前のトラブルを防ぐ「労働条件」確認チェックリスト

入職後のミスマッチを防ぐためには、手元に届いた「労働条件通知書」や「雇用契約書」を細かくチェックしましょう。署名・捺印をする前に、以下の項目が事前の条件と違っていないか必ず確認しましょう。

労働条件通知書・雇用契約書の必須チェックリスト

【業務内容・勤務場所の確認】

  • □業務内容に「身体介助の有無」など、面接で合意した内容が明記されているか
  • □就業場所や業務の「将来的な変更の範囲(異動など)」が記載されているか

【勤務時間・休日の確認】

  • □「夜勤」の有無や、所定外労働(残業)の有無が明記されているか
  • □休日・休暇の日数や取得ルールが事前に聞いていた条件と一致しているか

【給与・手当・試用期間の確認】

  • □基本給と各種手当(夜勤手当、資格手当など)の内訳が明確か
  • □試用期間の有無と、期間中の待遇(給与の減額など)に変更がないか

この記事では、求人票と実際の労働条件が違う場合の対処法や、即日退職の権利、次回の転職でミスマッチを防ぐポイントを解説しました。労働基準法第15条に基づき、労働条件通知書などの条件と実態が著しく異なる場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。まずは手元の書類を確認し、必要に応じて労働基準監督署やハローワークなどの適切な窓口へ相談しましょう。

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ウェルミーマガジン編集部

執筆者:ウェルミーマガジン編集部

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