就職や転職活動で履歴書を書いているとき、「入社」と書くべきか「入職」と書くべきか迷ってしまうことはありませんか。特に医療や福祉、公務員などの分野へ応募する場合、一般企業とは異なる用語のルールがあるのではないかと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、入社と入職の定義の違いから、応募先の法人形態に合わせた適切な使い分け、履歴書での正しい記載方法まで解説します。
入社と入職の違いを比較
入社と入職はどちらも「新しく働き始めること」を指しますが、その対象が会社なのか、あるいは職業そのものなのかという視点に違いがあります。まずはそれぞれの言葉が持つ正確な意味を確認し、使い分けの基準を整理しておくと安心です。
入社と入職の定義と基本的な意味
入社とは、営利を目的とした法人である「会社」に所属することを意味します。主に株式会社や有限会社など、名称に会社と付く企業に入る際に使われる一般的な表現です。一方、入職は特定の「職」に就くことを指し、一般企業に限らず病院や福祉施設、公的機関などで用いられる傾向があります。
※出典:愛知労働局「応募書類の作り方(p8)」
どちらを使うか迷ったときの判断基準
どちらの言葉を使うべきか迷った際は、応募先の「法人格」で判断します。株式会社などの営利企業は「入社」、医療・福祉施設などは「入職」とするのが一般的です。介護現場でよくある運営母体の具体例を交えた違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 入社 | 入職 |
|---|---|---|
| 主な対象(法人・施設) | 株式会社、有限会社などの営利企業 | 社会福祉法人、医療法人、非営利団体(NPO)、官公庁など |
| 介護・福祉現場での具体例 | 民間企業が運営する有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護事業所など | 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院、障害福祉サービス事業所など |
| 言葉の意味合い | 会社の一員になること | 特定の職業・職務に就くこと |
応募先の法人形態で迷いやすいケース
基本ルールは理解できても、医療や介護の業界は運営母体が多様化しているため、「自分の応募先や働き方の場合はどう書くべきか」と迷うケースがあります。ここでは、特によくある迷いやすいパターンの具体的な記載方法を解説します。
株式会社が運営する介護施設などの場合
株式会社運営の介護施設や保育園の場合、法人格に合わせて「入社」としても間違いではありません。しかし、医療・福祉現場の慣習として、特定の職務に就くことを重視し「入職」と表現することもできます。
派遣社員として病院や福祉施設で働く場合
もう1つの迷いやすいケースが、人材派遣会社に登録して、病院や介護施設で働く場合です。この場合、雇用契約を結ぶのは派遣会社であるため、履歴書には「〇〇派遣株式会社 入社」とするのが正解です。
派遣先の病院での勤務については、「〇〇病院 入職」とは書かず、次の行に「〇〇病院にて派遣就業」や「〇〇施設にて介護業務に従事」と記載するのが正しいルールです。雇用元と実際の就業先を混同しないように注意しましょう。
※出典:愛知労働局「応募書類の作り方(p7)」
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履歴書や職務経歴書は、採用担当者への第一印象を左右します。正しい用語を選択することで、丁寧で誠実な印象を与えることができます。ここでは実務的な記載ルールについて説明します。
履歴書の職歴欄に記載する際のルール
履歴書の職歴欄では、左側に「令和〇年〇月」、右側に「〇〇株式会社 入社」のように記載するのが一般的です。医療・福祉業界の経歴を書く場合は、施設の運営母体(法人形態)に合わせて「入職」と記します。過去の経歴が複数ある場合は、以下の表を参考に使い分けて記載しましょう。
| 職歴欄の記載例 | 対象となる主な施設・法人形態 |
|---|---|
| 〇〇株式会社 入社 | 民間企業が運営する有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護事業所など |
| 社会福祉法人〇〇 入職 (または 〇〇社会福祉法人 入職) |
特別養護老人ホーム(特養)、ケアハウスなど |
| 医療法人〇〇 入職 (または 〇〇医療法人 入職) |
病院、介護老人保健施設(老健)、介護医療院など |
アルバイトの職歴は「雇用形態の明記」が必須
アルバイトの経験を職歴に記載する際、「入社」という言葉を使っても間違いではありませんが、正社員と区別するために「〇〇株式会社 入社(アルバイト)」や「アルバイトとして入職」のように必ず雇用形態を明記しましょう。
また、職務内容をアピールしたい場合は、1行目に「〇〇株式会社 アルバイト採用」と書き、次の行に「〇〇店にて〇〇職として従事」と具体的な業務内容を補足する記載方法もあります。医療・福祉業界に応募する際は、ご自身の経験に合わせてこれを「〇〇病院にて介護職として従事」のようにアレンジして記載すると良いでしょう。なお、学業期間中のアルバイトは原則として職歴に記載しませんが、応募先の業務に関連する場合は、アピール材料として明記することもできます。
※出典:愛知労働局「応募書類の作り方(p8)」
履歴書の職歴欄で迷う「辞めるとき」の表現
「入社」や「入職」と同じように、過去の経歴を記載する際に迷いやすいのが、以前の職場を辞めたときの表現です。ここでは、履歴書における適切な言葉選びと、その理由について解説します。
「退社」ではなく「退職」に統一するのが確実
履歴書に前の職場を離れた経歴を書く際は、法人格に関わらず一貫して「退職」と記載するのが基本です。過去の経歴が株式会社などであれば「退社」と書いても間違いではありませんが、「退社」には「一日の業務を終えて帰宅する(退勤)」という意味も含まれるため、紛らわしさがあります。また、医療法人や社会福祉法人などは「会社」ではないため、「退社」という言葉は適しません。
どのような法人形態であっても「退職」という言葉を用いれば、マナー違反にならず正確に経歴を伝えることができます。
入社・入職の表現ミスで失敗しないための最終確認チェックリスト
履歴書を提出する前に、入社・入職をはじめとした表現に間違いがないか確認すべきポイントをまとめました。書類全体の整合性など、提出前に必ず見直しておきましょう。
【用語の使い分け】
- □応募先の法人格(株式会社、医療法人など)を確認した
- □営利企業には「入社」、病院や福祉施設には「入職」を使っている
- □辞めたときの表現は正しく使い分けている(迷った場合は「退職」が確実)
【職歴・アルバイトの記載】
- □アルバイト歴を記載する場合、「入社(アルバイト)」など雇用形態を明記している
【全体の書式・マナー】
- □履歴書全体で年号(西暦・和暦)の表記が統一されている
- □自己PRや志望動機などで、書き言葉(貴社・貴院など)を正しく使えている
この記事では、入社と入職の違いについて、応募先の法人形態に合わせた適切な使い分けや履歴書への記載マナーを解説しました。一般企業なら入社、病院や福祉施設なら入職という基本ルールを押さえておくことで、迷わずスムーズに書類作成を進められます。今回確認したマナーを活かして、就職や転職活動を進めてください。
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執筆者:ウェルミーマガジン編集部
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