「幼稚園教諭の仕事は好きだけれど、今の給与水準で将来も安心できるのか不安」「転職を考える前に、他の園や職種と比較してみたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。とくに、平均年収や公立・私立による違いなど、客観的な数字で現状を把握しておくことは、今後のキャリアを考えるうえで欠かせません。
この記事では、幼稚園教諭の給与や処遇改善等加算の仕組み、給与の上げ方について解説します。
最新データで見る幼稚園教諭の給与
まず、公的なデータに基づいた幼稚園教諭の平均的な給与水準を把握しましょう。ここでは、平均年収や月給、賞与、そして手取り額の目安を解説します。
幼稚園教諭の平均年収と月給
厚生労働省の令和6年に実施された調査によると、幼稚園教諭の年収は全国平均で約412.7万円です。これは月給×12か月に賞与を加えた金額です。月給で見ると、平均で27万円台前半が相場となります。ただし、この数値は勤続年数、地域、公立か私立かなどの条件によって大きく変動するため、あくまで目安です。
※出典:厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」
賞与の平均支給額と手取り額
幼稚園教諭の賞与は年間で平均約80.8万円が目安です。また、手取り額は、社会保険料や税額によって異なりますが、一般的には総支給額の約75%〜85%が目安とされています。たとえば、月給28万円であれば、手取りは約21万円〜24万円程度になることを想定しておくと良いでしょう。
※出典:厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」
年齢別の平均年収
幼稚園教諭の初任給は、学歴や勤務先の地域によって異なりますが、おおむね月22万円程度です。その後、経験年数を重ねるごとに昇給していくケースがほとんどです。以下は、年齢別の平均年収(賞与含む)の例です。
| 年代 | 平均年収の例 |
|---|---|
| 20代 | 約328万〜385万円 |
| 30代 | 約395万〜413万円 |
| 40代 | 約431万〜454万円 |
| 50代 | 約456万〜485万円 |
| 60代 | 約508万〜511万円 |
※出典:厚生労働省の「職業情報提供サイトjob tag 幼稚園教員」
給与はどこで差が出る?条件別の比較
幼稚園教諭の給与は「どこで働くか」によって変わります。ここでは、公立と私立の働き方による違いや、保育士という類似職種とも比較しながら解説します。
公立と私立の幼稚園教諭の給与の違い
公立幼稚園の教諭は地方公務員となり、給与は自治体の定める給料表に基づいて支給されます。そのため、昇給や賞与が安定しているのが特徴です。一方、私立幼稚園は運営母体によって給与水準に差があり、住宅手当や退職金制度など、園ごとに独自の福利厚生を設けている場合があります。以下は、公立と私立の平均年収(※賞与を含まない給与ベース)の例です。
| 区分 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 公立幼稚園 | 約330万円 |
| 私立幼稚園 | 約273万円 |
※出典:e-stat政府統計の総合窓口の「令和4年度学校教員統計調査」
保育士との給与の比較
幼稚園教諭と保育士は、未就学の子どもと関わる職業という専門性は似ていますが、給与水準には少し差が見られます。幼稚園教諭の平均年収の方が、保育士の平均年収よりもやや高い傾向があります。
| 職種 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 幼稚園教諭 | 約412.7万円 |
| 保育士 | 約407万円 |
※出典:厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」
処遇改善等加算の仕組みについて
幼稚園教諭を含む子育て支援の分野では、国を挙げて給与改善のための制度が設けられています。その代表的なものが処遇改善等加算です。
処遇改善等加算とは?
処遇改善等加算は、国が交付する加算金を職員の賃金改善に充てることを求める制度です。加算の種類は複数ありますが、経験年数やスキルアップに応じて加算される制度もあり、各条件を満たした場合、園の配分方針によっては給与改善につながることがあります。
処遇改善等加算で給与はどれくらい上がる?
2025年度から、これまで規定されていた「処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」は廃止され、「区分1・2・3」という新しい内容に変更されました。これにより、制度の複雑さが解消され、園ごとに柔軟でわかりやすい運用ができるようになりました。それぞれの区分には、目的が定められており、「すべての職員の底上げ」「役職・経験に応じた改善」「専門性の向上支援」の3つの柱で構成されています。以下は、各区分の説明です。
| 加算区分 | 目的 | 内容 |
|---|---|---|
| 区分1 | すべての職員の平均的な給与改善 | 平均勤続年数に応じて、月額2~12%が加算 |
| 区分2 | 職務内容や責任の大きさ、経験年数などに応じた職員の給与改善 | ・平均経験年数に応じて、月額6%または7%相当の加算 ・加えて、月額0.9万円相当の改善が行われる場合がある |
| 区分3 | 園内でリーダー的な役割を担う職員の給与改善 | 役職に応じて月額0.5万円~4万円の加算として支給される |
※出典:こども家庭庁の「令和7年度以降の処遇改善等加算について(p14)」
保育士・幼稚園教諭の求人情報はこちら幼稚園教諭の給与水準を上げるための対策
「仕事の責任の重さに比べて給与が安い」と感じるのは、多くの方が抱える共通の悩みです。ここでは、給与水準を向上させるための具体的な対策を紹介します。
今の働き方のまま収入を伸ばす方法
今の職場で収入を伸ばすには、たとえば、保育士資格や社会福祉主事任用資格など、業務に関連する資格を取得することで、資格手当が支給される場合があります。また、主任や副園長、園長などの管理職に就くことで加算制度による手当の支給対象となり、給与水準を上げることもできます。(いずれも園の制度よるため要確認)
働く環境を変えて収入を伸ばす方法
さらに収入を伸ばしたい場合は、働く環境を見直すことも選択肢になります。比較的給与の高い公立幼稚園や福利厚生が充実した私立幼稚園へ転職することで、年収が上がる可能性があります。
他にも、英会話など、付加価値の高い教育スキルを身につけ、専門講師として働く道もあります。ただし、専門職の場合は雇用形態が契約社員や業務委託となる場合もあり、安定性や昇給の仕組みについては事前に確認しておくことが重要です。
この記事では、幼稚園教諭の平均給与や、公立・私立・保育士との比較、そして給与を上げるための具体的な方法について解説しました。まずはあなたの現状と理想の条件を照らし合わせながら、より良い待遇の求人の情報収集を始めてみましょう。
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執筆者:ウェルミーマガジン編集部
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