介護福祉士の資格取得を検討している方、あるいは現役の介護福祉士として働いていて「今の給与水準は適正なのか」「将来的に収入は上がるのか」と不安を感じている方は多いでしょう。介護の仕事はやりがいがある一方で、給与面の不安は、キャリア形成に直結する重要なポイントです。
この記事では、厚生労働省のデータに基づいた介護福祉士の平均給与・年収の状況を解説し、給与を決定づける要因を比較します。
介護福祉士の平均給与・年収はいくら?(最新データ)
介護福祉士の給与実態を知ることは、キャリアプランを立てる上での第一歩です。公的なデータを基に見ていきましょう。
月給・年収の平均額
厚生労働省の統計によると、介護福祉士の平均給与額は増加傾向にあります。これは、国による処遇改善への取り組みなどが背景にあります。最新のデータでは、介護福祉士の平均月給は約35万円であり、年収に換算すると手当等を含めて約420万円です。ただし、この数値はあくまで全国平均であり、働く場所や経験によって変動します。
| 資格 | 平均月給 (基本給+手当+一時金含む) |
想定年収(理論値) |
|---|---|---|
| 介護福祉士 | 350,050円 | 4,200,600円 |
※出典:厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p161)」
給与に含まれる手当と内訳の基本的な仕組み
介護福祉士の給与は、基本給の他に複数の手当で構成されています。主な手当としては、資格手当、夜勤手当、残業手当、通勤手当、住宅手当、扶養手当などがあります。特に夜勤手当や資格手当は金額が大きく、収入を大きく左右します。また、後述する処遇改善加算による加算額も毎月の給与に反映されます。ただし、手当の付与の有無は、法人によって大きく異なります。
給与水準を左右する4つの変動要因
介護福祉士の給与は、勤務する環境や個人のキャリアによって差が生じます。ここでは、給与に影響を与える「施設形態」「経験年数」「資格の有無」「地域」の4つの要因を解説します。
要因1: 働く施設形態による違い
働く施設の種類によって、給与水準は大きく異なります。一般的に、入居系の施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設など)は給与水準が高くなる傾向があります。一方で、デイサービスや訪問介護は、日中の勤務が主になるため、入居系と比べると低い傾向にあります。
| 施設形態 | 平均月給 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 372,960円 |
| 介護老人保健施設 | 363,550円 |
| 訪問介護事業所 | 355,790円 |
| デイサービス | 304,850円 |
※上記は、介護福祉士所有者の平均月給を示しています。
※出典:厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p161)」
要因2: 経験年数・勤続年数による違い
勤続年数が長くなるにつれて、給与は増加する傾向にあります。これは、経験に基づくスキルアップや役職への昇進が反映されるためです。介護福祉士を取得し、経験を積むことで、主任やリーダーといった役職に就く機会も増え、それに伴う役職手当が加算される場合もあります。
※出典:厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p146)」
要因3: 資格の有無による給与差
介護職の給与において、大きな影響を与えるのが保有資格です。介護福祉士は国家資格であり、無資格者や初任者研修・実務者研修の保有者と比較して、資格手当や基本給が高く設定されていることが一般的です。特に、介護福祉士とそれ以外の資格では、平均月給に差が見られ、資格取得は収入アップへ直結するでしょう。
※出典:厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p161)」
要因4: 地域による給与差
地域による給与差も無視できません。一般的に、都市部は地方に比べて物価や最低賃金が高く、結果として介護福祉士の給与も高くなる傾向があります。
※出典:政府統計の総合窓口e-Statの「令和6年賃金構造基本統計調査」
処遇改善加算の仕組み
「処遇改善加算」は、介護福祉士を含む介護職員の賃金改善を目的として国が設けた重要な制度です。この加算の仕組みを正しく理解し、加算を適切に実施している施設を選ぶことが、給与アップに直結するでしょう。
介護職員等処遇改善加算とは
介護職員等処遇改善加算は、介護職員の安定的な賃金改善を図るための制度です。事業所が一定の要件(職場環境・キャリアパスの整備など)を満たすことで、介護報酬に加算され、その財源が職員の給与に充てられます。加算には段階があり、取得している加算の区分が高いほど、職員に還元される額も高くなります。
経験・技能のある職員の配置要件
介護職員等処遇改善加算においては、経験・技能のある職員(介護福祉士取得者など)の配置が重要です。一定割合以上の配置を実現することで、より上位の加算を取得できるような仕組みになっています。そのため、自分の給与を上げるためにも、介護福祉士の取得は重要だと言えるでしょう。
※出典:厚生労働省の「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」
介護職員・ヘルパーの求人情報はこちら介護福祉士が給与・年収を増やす方法
給与の現状や仕組みを理解した上で、次に考えるべきは「どうすれば自分の年収を増やせるか」という具体的な行動です。ここでは、介護福祉士が収入を増やすための方法を紹介します。
管理職(リーダー・施設長など)を目指す
管理職への就任を目指すのも一般的な方法です。介護福祉士として現場での経験を積み、介護主任、生活相談員、そして施設長や管理者といった役職を目指すことで、役職手当が加算され、給与水準が向上する可能性が高いです。管理職は現場スキルに加え、マネジメント能力や経営に関する視点が求められますが、収入だけでなく仕事のやりがいも大きくなるでしょう。
上位資格の取得による昇給
介護福祉士に加えて、「介護支援専門員(ケアマネジャー)」などを取得することで、さらなる給与アップが期待できます。ケアマネジャーは、ケアプランの作成など専門性の高い業務を担うため、給与が増える可能性が高いです。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p161)」においても、介護福祉士の平均月給が350,050円に対し、ケアマネジャーの平均月給は388,080円となっています。また、ダブルライセンスを持つことで、市場価値を高めることもできるでしょう。
各種手当を増やす働き方
すぐに収入を増やしたい場合は、夜勤回数を増やしたり、年末年始などの手当がつく時期に積極的に働く方法があります(法人によって異なります)。夜勤回数を増やすことで月収を数万円単位で増やすことができる場合もあります。また、特定の専門性の高い業務(医療的ケアなど)に関する研修を受け、その手当が付く施設で働くことも有効な手段です。
高待遇の職場への転職
現在の職場で昇給や昇進が難しい場合は、給与水準の高い施設へ転職することも有効な手段です。求人を探す際は、基本給だけでなく、処遇改善加算の配分状況、資格手当、賞与の実績などを比較し、自身のスキルと経験が適正に評価される職場を見極めることが重要です。
加算の取得状況で求人を選ぶ際の注意点
求人を探す際には、その施設がこれらの処遇改善加算をどの程度取得しているかを確認することが重要です。加算を最大限に取得している事業所は、職員の給与改善に積極的に取り組んでいる証拠と言えます。ただし、加算額の配分方法は事業所によって異なるため、求人情報や面接で「加算がどのように給与に反映されているか」を確認するとよいでしょう。
今後の給与は上がる?介護福祉士の将来性
介護福祉士の給与は、国の政策や社会情勢にも影響を受けます。将来的な収入への不安を解消するためにも、国の取り組みや業界の動向を把握し、安定したキャリアを築けるかを確認しましょう。
介護報酬改定と国の給与改善策
国は、介護職員の確保・定着を図るため、介護報酬改定のたびに処遇改善に向けた施策を打ち出しています。2024年度(令和6年度)の改定でも、給与のベースアップや加算制度の統合・拡充などが議論されており、今後も国が主導する形で介護福祉士の給与水準がさらに引き上げられる可能性もあります。これらの政策の動向を常に確認するようにしましょう。
高齢化社会における介護福祉士の需要
日本の高齢化は今後も進行するため、介護福祉士の需要は非常に高いと言えます。人手不足が深刻化する中で、国家資格を持つ介護福祉士は、現場の指導者としても求められ、その専門性に対する評価も高まりつつあります。
介護福祉士として働くメリット
給与だけでなく、介護福祉士の仕事には多くのメリットがあります。生活援助や身体介護を通じて利用者の人生を支えるという社会貢献度の高さや、利用者からの感謝の言葉は大きなやりがいになります。また、福祉や医療の知識が身につくこと、介護業界においては汎用性の高い資格であることなどから、介護福祉士を取得するメリットは大きいと言えるでしょう。
この記事では、介護福祉士の平均給与や給与を決定づける施設・地域・経験などの要因、そして具体的な給与アップの方法までを解説しました。自身のスキルと目標を照らし合わせ、適切な行動を起こすことが、満足のいく給与と充実したキャリアを実現する鍵となります。
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執筆者:ウェルミーマガジン編集部
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