老健の言語聴覚士(ST)は在宅復帰の要!仕事内容や役割を解説

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老健の言語聴覚士(ST)は在宅復帰の要!仕事内容や役割を解説

「介護老人保健施設(以下、老健)での言語聴覚士(ST)の仕事って、病院とどう違うの?」「利用者さんの生活に深く関わりたいけど、具体的な役割や待遇が分からない」と感じる方もいるのではないでしょうか。老健は利用者さんの「食べる」「話す」を支え、生活の質(QOL)向上を担う重要な職場です。

この記事では、老健が持つ「在宅復帰の要」としての役割、言語聴覚士の具体的な仕事内容、病院との役割の違い、年収や2024年介護報酬改定による注目点についても解説します。

老健とは

老健は、病状が安定し、在宅復帰に向けた支援を必要とする高齢者に対し、リハビリテーション(以下、リハビリ)や医療・介護サービスを提供する施設です。ここでは、老健の具体的な役割と特徴について整理します。

老健の役割

老健の最大の役割は、利用者さんの心身の能力を回復し、可能な限り自立した日常生活を営めるように支援し、家庭への復帰を目指すことです。そのため、提供されるサービスは「リハビリ」に重点が置かれており、入所期間も3か月〜6か月程度が目安となっています。

※出典:公益財団法人長寿科学振興財団の「介護老人保健施設(老健)とは

老健の特徴と言語聴覚士の配置基準

老健は、利用者さんの在宅復帰や在宅療養の支援をより充実させるため、機能や役割に応じて大きく以下の5つに分類されています。それぞれでリハビリ職の役割や配置基準が異なり、とくに「在宅強化型」は、積極的な在宅復帰支援を行う施設であり、リハビリ専門職の配置も手厚くなる傾向があります。

  • 超強化型
  • 在宅強化型
  • 加算型
  • 基本型
  • その他型

老健では、利用者さん100人に対して言語聴覚士、作業療法士、理学療法士のいずれかの職種を合わせて常勤1名以上の配置が義務付けられています。これは、リハビリを行う職種の最低配置基準であり、リハビリ提供体制を整えるための基盤となっています。

※出典:厚生労働省の「介護老人保健施設(p5)(p8)」

老健で働く言語聴覚士の仕事内容

老健における言語聴覚士の仕事では、利用者さんの「食べる」「話す」機能の支援に注力します。ここでは、主な業務内容と一日の流れを説明します。(下記の情報は、一般社団法人 日本言語聴覚士協会の「言語聴覚士とは」を参照しています。)

嚥下(えんげ)障害に対するリハビリと多職種連携

老健での言語聴覚士の業務でとくに重要なのは、嚥下障害に対するリハビリです。食べやすい姿勢の指導、口腔ケア、間接訓練(嚥下体操など)、そして実際に食事を行う際の直接訓練を通じて、誤嚥性肺炎の予防を支援します。管理栄養士と連携して食事形態の調整を行ったり、介護職員に適切な介助方法を指導したりするなど、多職種連携の中核を担います。

失語症や構音障害に対するコミュニケーション支援

脳卒中などにより失語症や構音障害を抱える利用者さんに対して、コミュニケーション機能の訓練を行います。老健では退院後を見据え、家族や介護者との日常会話を円滑にするための実践的な訓練が中心です。また、認知症によるコミュニケーション障害への対応も言語聴覚士の重要な役割です。

老健で働く言語聴覚士の一日の流れ(例)

老健の言語聴覚士の業務は、集団で行うリハビリと個別で行うリハビリを組み合わせて実施する施設が一般的です。以下は、老健での一日の流れの例です。

時間帯 業務内容
08:30〜09:00 朝礼・情報共有(多職種カンファレンス)
09:00〜12:00 個別リハビリ(嚥下訓練、言語訓練など)
12:00〜13:00 昼食時の摂食嚥下観察・食事介助の指導
13:00〜14:00 休憩
14:00〜16:00 聴覚検査、集団リハビリ、リハビリ計画書作成
16:00〜17:30 在宅復帰に向けた家族指導、介護職員への申し送り

※出典:学校法人 玉手山学園 関西福祉科学大学の「言語聴覚士の1日のスケジュールはどうなってる?」

老健と病院(急性期・回復期)での言語聴覚士の役割の違い

就職先を検討する際、病院と老健で迷う方に向けて、病院と老健における言語聴覚士の役割の違いを説明します。

病院で働く言語聴覚士の主な役割

病院で働く言語聴覚士は、言葉や飲み込みの機能を回復させ、退院(転院)につなげることを目的にリハビリを行います。嚥下や言語、発音、高次脳機能などについて評価を行い、患者さんの状態に合わせたリハビリを実施します。

主に急性期や回復期で関わることが多く、医師の指示のもと、短期間で集中的にリハビリを行うのが特徴です。検査結果や評価をもとに支援を進めるため、患者さんと関わる期間は比較的短くなります。

※出典:学校法人 玉手山学園 関西福祉科学大学の「言語聴覚士と看護師は医療現場でどう連携するの?現場での関わりについて

病院と老健の役割の違いを比較

以下は、病院と老健の役割の違いを比較した表です。

項目 病院 老健
主な目的 機能回復・退院(転院) 在宅復帰支援(生活機能の維持・向上)
関わりの期間 短期・集中的 中期・継続的
関わる職種 医療職が中心 介護職員・栄養士・利用者さん家族と幅広い

老健で働く言語聴覚士の年収と待遇

言語聴覚士の年収や待遇は、転職を検討する上で重要なポイントです。ここでは、具体的な年収や待遇について説明します。

言語聴覚士の平均年収はどれくらいか

言語聴覚士の平均年収は、施設の種類や地域、経験年数、規模によって変動します。厚生労働省の統計によると、言語聴覚士を含むリハビリ系職種の平均年収は約444万円と報告されています。(※賞与・手当を含みます)

老健を含む介護施設では、言語聴覚士が夜勤業務を担わない勤務体制を採用している場合もあり、働き方の規則性を重視する人に選ばれる傾向があります。ただし、残業時間や勤務負担については施設によって変わるため、慎重に調べることが大切です。

※出典:厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査一般労働者(職種)

2024年の介護報酬改定による言語聴覚士の待遇の変化

2024年の介護報酬改定では、老健の「在宅復帰・在宅療養支援機能」の強化が発表されました。とくに、リハビリ関連では、「リハビリテーションマネジメント加算」が見直され、言語聴覚士のアセスメントやリハビリ計画の質と、多職種連携の重要性が一段と高まっています。

※出典:厚生労働省の「令和6年度介護報酬改定における改定事項について(p59)」

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老健の言語聴覚士に関するよくある質問(FAQ)

老健の言語聴覚士について、転職希望者や学生からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 未経験で老健に転職するのは可能か?

A.言語聴覚士の資格を所持していれば、未経験(新卒や他施設からの転職)でも老健で働くことは可能です。老健は人材確保のため、施設によっては研修制度や教育体制が手厚く整っており、意欲があれば未経験でも採用される場合があります。

Q. 老健での嚥下訓練の頻度や進め方は?

A.老健での嚥下訓練は、利用者さんの心身の状況や在宅復帰目標に合わせて個別に計画されることが一般的です。急性期病院のような集中的な訓練ではなく、週に数回、または日常の食事時間を利用した訓練が中心となるケースが多いです。訓練の進め方は施設によりますが、まず評価に基づき目標を設定し、嚥下訓練後の食事観察を通じて、訓練内容を柔軟に修正していきます。

この記事では、老健で働く言語聴覚士の仕事内容、施設の種類、病院との違い、年収や待遇について解説しました。老健の言語聴覚士は、利用者さんの「食べる」「話す」を支え、住み慣れた自宅へ戻るための生活リハビリを担う重要な専門職です。より利用者さんの生活に深く寄り添った支援がしたいと考えている方は、ぜひ老健でのキャリアを具体的に検討してみましょう。

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ウェルミーマガジン編集部

執筆者:ウェルミーマガジン編集部

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