介護職員からのキャリアチェンジや、福祉業界への転職を考えるなかで、「生活相談員の給料や年収は仕事内容に見合っているのか」は多くの方が気になるポイントです。
結論から言うと、生活相談員の平均年収は約425万円で、介護職員よりやや高い水準にあります。この記事では、厚生労働省が2025年(令和7年)3月18日に公表した「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」に基づき、平均月給・年収の内訳や他職種との比較、年収アップの具体的な方法まで詳しく解説します。
生活相談員の平均月給と年収はいくら?
生活相談員の給与は、平均月給・賞与・各種手当を含めて見ることで実態が分かります。まずは公的データをもとに、月給と年収の目安を確認していきましょう。
生活相談員とは?
生活相談員とは、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、通所介護事業所(デイサービス)などで、利用者や家族からの相談に応じ、入退所の調整や関係機関との連携を担う相談援助の専門職です。
介護業務そのものよりも、調整・説明・連携といった役割が中心となるため、社会福祉士などの専門資格や実務経験が求められ、その分給与水準も介護職員よりやや高い傾向があります。
生活相談員の平均月給と年収
公的な統計データをもとに、平均月給と年収の実態を確認していきます。
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p126)」によると、常勤の生活相談員の平均基本月給は約22万円、平均手当額が約8万円で、合わせて約30万円となっています。手当の内訳の例としては、資格手当や役職手当、通勤手当などがあります。
生活相談員の平均月給
| 項目 | 常勤 | 非常勤 |
|---|---|---|
| 基本給 | 220,560円 | 179,960円 |
| 手当 | 80,980円 | 72,820円 |
| 合計 | 301,540円 | 252,780円 |
ただし、施設形態や地域、勤続年数によって変動します。なお、各種保険料等を差し引いた手取り額は、月給の75〜80%程度が目安となります。
賞与含めた年収は?
生活相談員の給与は基本給のほかに、賞与(ボーナス)や各種手当で構成されています。特に賞与は年間で基本給の2~3か月分程度が支給されるケースが多く見られます。「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p126)」の「平均一時金額」の1年分相当を計算すると、約63万円となります。これらから年収を計算すると、約425万円という結果になります。
生活相談員は介護職員と異なり、夜勤が発生しない施設が多いため、夜勤手当による大幅な増額は見込みにくい傾向にあります。そのため、賞与や手当の額は施設ごとの運営方針や規模によって大きく差が出るポイントになります。
生活相談員の給与は他職種と比べて安いのか
生活相談員への転身を考えるとき、「介護職員の給与と比べてどうなのか」「ケアマネジャー(介護支援専門員)と比べたらどうか」という疑問を持つ方は多いでしょう。公的データに基づいて、生活相談員の給与水準を他職種と比較してみます。
介護職員、ケアマネジャーとの給与比較
一般的に、生活相談員は、身体介護を中心に行う介護職員よりも給与水準が高い傾向にあります。これは、生活相談員になるために社会福祉士などの専門資格や実務経験が求められるためです。
生活相談員と他職種との給与・勤務形態比較
| 職種 | 平均月給 | 平均年収 | 主な勤務形態・特徴 |
|---|---|---|---|
| 生活相談員 | 301,540円 | 約425万円 | 日勤中心が多いが、施設によって夜勤ありの場合も。相談援助業務が中心で専門性が求められる |
| 介護職員 | 290,640円 | 約406万円 | 夜勤ありの施設が多いが、日勤のみの勤務もある。身体介護・生活支援が中心 |
| ケアマネジャー | 319,980円 | 約450万円 | 日勤中心。個別支援計画作成や調整業務が主で、専門資格が必要 |
※年収は、平均月給(基本給+手当)12か月分と、調査結果に基づく平均一時金額(賞与)を合算して算出しています。給与は施設や地域により異なります。
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p126)」
生活相談員の平均月給は約30万円、介護職員は約29万円と、生活相談員のほうがやや高い水準です。賞与を含めた年収でも、生活相談員が約425万円、介護職員が約406万円となっており、相談援助業務の専門性が評価されているといえます。
生活相談員とケアマネジャーを比較すると、ケアマネジャーの平均給与が最も高くなっています。ケアマネジャーは資格の難易度が高く、個別支援計画の作成という重要な役割を担うため、平均月給は約32万円、年収では約450万円と、生活相談員より高い傾向にあります。
施設形態で給与水準はどう変わる?
生活相談員の給与は、所属する施設のタイプによっても大きく変動します。
【参考】施設別(特養/老健/デイなど)の平均給与比較(介護福祉士・社会福祉士)
生活相談員が勤務する代表的な施設形態には特養、老健、デイサービスなどがあります。一般に、入所施設の特養や老健は通所施設のデイサービスより給与水準が高い傾向があります。なお、老健では「相談員」と表記されることが多く、求人票の募集職種名(生活相談員・相談員・支援相談員)も併せて確認することが重要です。
以下の表は、生活相談員そのものの給与ではなく、生活相談員として配置されることが多い「社会福祉士」「介護福祉士」の施設別平均月給を抜粋したものです。生活相談員の給与とは異なりますが、給与水準の目安として参考にしてください。
施設形態別の介護福祉士・社会福祉士の平均月給
| 施設形態 | 介護福祉士 | 社会福祉士 |
|---|---|---|
| 特養 | 372,960円 | 400,490円 |
| 老健 | 363,550円 | 386,950円 |
| 有料老人ホーム | 373,230円 | 389,280円 |
| デイサービス | 304,850円 | 388,880円 |
※本表は生活相談員ではなく、配置されることが多い社会福祉士・介護福祉士の平均月給です。給与は施設や役割で異なります。
出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果(p161,162)」
処遇改善加算は生活相談員の給与に適用されるか
介護職員の処遇改善を目的とした「介護職員等処遇改善加算」は、原則として介護職員に対して支払われるものです。生活相談員は、主に相談援助業務を担う職種のため、支給対象外のケースになる可能性もあります。しかし、一部の施設では、生活相談員が介護職員としての業務を兼務している場合や、施設の判断で間接的な処遇改善として加算を原資とした手当を支給しているケースもあります。求人票を確認する際や面接の際には、処遇改善加算が給与にどう反映されるかを確認しましょう。
生活相談員が給与を上げる具体的な方法
生活相談員として給与アップを目指す方に向けて、収入向上につながる具体的なキャリアアップ戦略を解説します。
管理職へのキャリアアップで給与アップを目指す
給与を上げる最も確実な方法の一つは、管理職(主任、フロアリーダー、施設長など)に昇進することです。管理職に就くと、役職手当がつき、収入アップにつながります。
生活相談員は多職種連携の中心を担うため、管理職へのキャリアパスも比較的描きやすい職種です。現場での実務経験を積み、マネジメント能力を磨くことが昇進への近道となります。
より専門性の高い資格(ケアマネジャーなど)の取得を目指す
給与アップには、より専門性の高い資格の取得が有効です。特にケアマネジャーは、生活相談員からのキャリアアップ先として一般的です。前述のとおり、ケアマネジャーの年収は約450万円で生活相談員より高水準です。
待遇の良い職場への転職で給与アップを目指す
現在の職場で昇給や昇進が見込めない場合は、「待遇の良い職場への転職」が最も短期間で給与を上げる現実的な方法となります。給与水準の高い施設形態(例:特養や老健)を検討してみることもよいでしょう。
転職を成功させるためには、事前に希望年収を明確にし、給与交渉の余地があるかを見極めることが重要です。また、夜勤手当や残業代の有無、賞与の支給実績など、給与以外の待遇面も詳しく確認しましょう。
生活相談員などの求人情報はこちら生活相談員の仕事内容と求められる役割
生活相談員の給与水準を考えるうえでは、単なる相談対応にとどまらない「実務の重さ」と「責任の範囲」を理解しておくことが重要です。
施設運営に直結する実務と責任の重さ
生活相談員は、入退所の可否判断や契約・重要事項説明、苦情やトラブル対応、医療機関・行政・ケアマネジャーとの調整など、施設の対外的な窓口として重要な役割を担います。
特に入所施設では、利用者や家族との調整に加えて、施設側の方針や運営上の判断を説明・調整する立場に立つことも多く、精神的な配慮や判断力が求められ、専門職としての対応力が必要です。
配置基準と一人あたりの業務負担
生活相談員の配置基準は施設種別によって異なります。例えば特別養護老人ホームでは、原則として入所者100人につき1名以上の配置が求められており、一人の相談員が担当する利用者数が多くなりやすい傾向があります。こうした業務負担や専門性が、生活相談員の給与水準に反映されているといえるでしょう。
出典:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護(改定の方向性)(p28)」
生活相談員になるための資格要件
生活相談員になるためには、各都道府県が定める資格要件を満たす必要があります。代表的な資格は、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格などです。また、自治体によっては介護福祉士やケアマネジャーの資格と一定の実務経験で認められるケースもあります。資格要件は地域によって異なるため、自治体の情報を確認してみましょう。
長く働くための職場選びのポイント
給与だけでなく、長く働き続けるためには、職場の労働環境や人間関係も重要です。求人情報を見る際には、給与や手当だけでなく、年間休日日数、残業時間の実態、職員の定着率などもチェックしましょう。
また、生活相談員は相談援助の専門職であるため、資格取得支援制度や研修制度が充実している施設を選ぶことで、自身のスキルアップとキャリアの安定につながります。面接時には、給与交渉と合わせて、キャリアアップの機会についても質問してみましょう。
生活相談員の給与と展望について
生活相談員の給与について、2025年12月の執筆時点での情報を基にQ&A形式でまとめました。
Q.生活相談員に将来性はありますか?
A.日本の高齢化で、介護・福祉サービスの需要は今後も増加が見込まれます。生活相談員は、多岐にわたる相談内容に対応できる専門性があり、代替されにくい重要な職種です。給与水準も、社会全体の処遇改善に伴い、今後緩やかに上昇する可能性があります。
Q.給与は勤続年数でどれくらい上がりますか?
A.給与の上昇幅は、運営母体が公的か民間かや昇給制度によって大きく異なります。一般的に、公的な施設や大規模な法人では、勤続年数に応じた定期昇給制度が確立されているため、安定的な昇給が見込めます。
一方で、小規模な民間施設では、定期昇給よりも、管理職への昇進や資格取得による手当の増加が、給与アップの主な要因となることが多いです。転職の際は、勤続年数ごとの給与モデルを問い合わせて確認することをおすすめします。
Q.待遇の良い職場の見つけ方はありますか?
A.待遇の良い職場を見つけるには、給与水準が高い施設形態(特養・老健など)を選び、求人情報で「役職手当」「資格手当」の有無を確認することが重要です。あわせて、経営基盤が安定している法人や、処遇改善加算の算定状況、職員の定着率なども判断材料になります。
加えて、介護・福祉業界に特化した転職エージェントを活用することで、一般の求人サイトには掲載されていない好条件の求人情報を紹介してもらえたり、給与交渉を代行してもらえたりするメリットがあります。
この記事では、厚生労働省から2025年3月に公表されたデータをもとに、生活相談員の平均年収が約425万円と、介護職員より高い水準にあることを解説しました。今後の働き方やキャリアを考える際の参考にしていただければ幸いです。
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執筆者:ウェルミーマガジン編集部
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