「ショートステイ」や「デイサービス」といった言葉は聞くけれど、具体的な違いがわからず戸惑う方も多いでしょう。
この記事では、在宅介護を支える上で欠かせないショートステイ(短期入所生活介護)とデイサービス(通所介護)の違いについて、サービス内容、費用、メリット・デメリットなどの観点から解説します。
ショートステイとデイサービスの違いを一覧で比較
まず、両サービスの基本的な違いをみていきましょう。
ショートステイとデイサービスの比較表
下記の表で、目的、利用時間、費用の仕組みの3つの観点から比較します。
| 比較項目 | ショートステイ | デイサービス |
|---|---|---|
| 主な目的 | 介護者の身体的・精神的な負担軽減(レスパイトケア)、一時的な宿泊、医療・リハビリの提供 | 利用者の社会的な孤立感解消、心身機能の維持・向上、日常生活の世話 |
| 利用時間 | 宿泊を伴う (数日〜最大30日の連続利用が目安) |
主に日中 (1日7~8時間利用が目安) |
| 費用の仕組み | 滞在日数に応じた費用+日常生活費(食費・滞在費・理美容代など) | 利用時間に応じた費用+日常生活費(食費・おむつ代など) |
費用については、施設のサービス形態などによって異なる場合があります。
※出典:厚生労働省の「公表されている介護サービスについて」
利用目的と利用時間の違い
ショートステイの最大の特徴は「宿泊」を伴うことです。利用目的は、介護者が家を空ける際の一時的な介護や、介護負担軽減のレスパイトケアです。連続利用日数の制限があるものの、数日〜数週間の滞在が可能です。
一方、デイサービスは日中に利用する通所型のサービスです。目的は、利用者の社会との交流を促し、食事や入浴の支援、レクリエーションを通じて心身の機能維持・向上を図ることにあります。介護者は、日中に自分の時間を作れるというメリットがあります。
費用負担と料金体系の違い
ショートステイとデイサービスは、どちらも介護保険が適用されます。ショートステイは滞在日数が増えるほど、食費・滞在費・理美容代などの合計額が大きくなるため、事前にケアマネジャーと相談し、総額を把握しておくことが重要です。介護報酬は介護度や地域、施設の体制によって細かく設定されています。
デイサービスは基本的に、1回あたりの利用時間数に応じた介護サービス費が中心ですが、食費・おむつ代などは自己負担になるのが一般的です。
※出典:厚生労働省の「公表されている介護サービスについて」
ショートステイのメリット・デメリット
ショートステイは、介護者にとって非常に心強いサービスですが、利用期間の制限や予約の難しさなどのデメリットも存在します。
ショートステイのメリット
介護者側にとっての最大のメリットは「レスパイトケア」です。一時的に介護から離れることで、心身をリフレッシュし、介護を継続していくための活力を養うことができます。また、旅行や出張など、自宅を数日空ける際も安心して利用者を預けられます。
利用者側にとっては、短期間ではあるものの、施設での集団生活を体験し、普段の介護者とは異なるスタッフからのケアや、施設のリハビリを受けられることがメリットと言えます。
ショートステイのデメリット
ショートステイのデメリットとして、「連続利用日数の制限」と「予約の取りにくさ」が挙げられます。介護保険の適用には原則として連続利用日数が30日までという制限があり、これを超過した分は介護保険の給付対象外となります。また、特養などに併設されていることが多く、居室に空きが常にあるわけではありません。特に週末や長期休暇中は予約が集中し、希望日に利用できない場合もあるでしょう。
ショートステイの利用者負担相場
ショートステイの費用は、介護度や施設形態などによって異なります。介護サービス費は介護保険が適用され1割~3割負担です。下記の表は、利用者負担が1割だった場合の1日の基本負担額を示しています。
【要支援の認定を受けた方】
| 要介護認定区分 | 利用者負担(1日につき) |
|---|---|
| 要支援1 | 451円 |
| 要支援2 | 561円 |
【要介護の認定を受けた方】
| 要介護認定区分 | 利用者負担(1日につき) |
|---|---|
| 要介護1 | 603円 |
| 要介護2 | 672円 |
| 要介護3 | 745円 |
| 要介護4 | 815円 |
| 要介護5 | 884円 |
※上記は併設型・多床室の場合の金額目安を示しています。
※出典:厚生労働省の「どんなサービスがあるの? - 短期入所生活介護(ショートステイ)」
上記とは別に、前述したような日常生活費(食費・滞在費・理美容代など)を負担する必要があります。
介護職員・ヘルパーの求人情報はこちらデイサービスのメリット・デメリット
デイサービスは、日中の時間を活用して利用者が活動的に過ごせるようにサポートします。デイサービスの利用を通じて得られるメリットと、知っておくべきデメリットを解説します。
デイサービスのメリット
デイサービスを利用するメリットは、利用者の社会的なつながりを維持・構築できることです。施設に通うことで、レクリエーションや他利用者との交流を通じて、生活に張りが生まれます。
また、自宅では難しい入浴介助や、リハビリ専門職による機能訓練を定期的に受けられるため、心身機能の維持・向上につながります。介護者にとっても、日中は安心して自分の時間を持てるため、介護負担の軽減を図れます。
デイサービスのデメリット
デイサービスは宿泊を伴わないため、夜間や早朝のケアが必要な場合は、他のサービスと組み合わせる必要があります。また、集団生活が苦手な方や、施設の雰囲気に馴染めない方もいるでしょう。
もし利用者が施設に馴染めない場合は、担当のケアマネジャーに相談し、少人数制の地域密着型デイサービスなど、利用者の個性や状況に合った別の施設を検討してみるのも一つの方法です。
デイサービスの利用者負担相場
デイサービスの費用は、利用時間、要介護度、事業所の規模、地域区分によって異なります。基本料金は介護保険適用で1割〜3割負担です。下記の表は、利用者負担が1割だった場合の1回あたりの基本負担額を示しています。
| 要介護認定区分 | 利用者負担(1回につき) |
|---|---|
| 要介護1 | 658円 |
| 要介護2 | 777円 |
| 要介護3 | 900円 |
| 要介護4 | 1,023円 |
| 要介護5 | 1,148円 |
※上記は、通常規模(1か月の平均利用延べ人数750人以内)の事業所で7時間以上8時間未満利用した場合の金額を示しています。
※出典:厚生労働省の「どんなサービスがあるの? - 通所介護(デイサービス)」
上記とは別に、前述したような日常生活費(食費・おむつ代など)を負担する必要があります。
あなたに合うのはどっち?後悔しない選び方
ショートステイとデイサービスの違いを理解した上で、「どちらが自分の状況に適しているか」を見極めることが大切です。
ショートステイがおすすめの人
ショートステイは、主に「介護者が家を空ける必要があり、一時的に宿泊を伴う介護が必要な場合」や「数日間の集中的な休息を取りたい場合」におすすめです。
【状況例】
- 介護者が病気や入院、旅行、冠婚葬祭などで自宅を離れるとき
- 在宅での介護負担が大きく、心身をリフレッシュしたいとき
- 退院直後などで、在宅復帰に向けて集中的なリハビリや医療ケアを受けたいとき
デイサービスがおすすめの人
デイサービスは、「日中の見守りや介護のサポートが必要な場合」や「利用者が社会との交流を持ちたい、リハビリや機能訓練を継続したい場合」におすすめです。
【状況例】
- 日中の時間帯のみ、介護者が仕事や私用で家を空けるとき
- 利用者本人が積極的に他の人との交流やレクリエーションを楽しみたいとき
- 自立した日常生活を送るために、継続的な機能訓練やリハビリを受けたいとき
ショートステイとデイサービスの併用について
併用されるケースの多くは、デイサービスを定期利用しつつ、介護者が用事や連休で家を空ける際にショートステイを利用するというパターンです。
ただし、どちらのサービスでも機能訓練やリハビリを行えることから、同日利用を機械的に組み込むことは適正ではないとされています。特別な事情や緊急時に限り、算定可能とされるケースがあります。
実際に併用を検討する際は、まず担当のケアマネジャーに相談しましょう。
この記事では、ショートステイとデイサービスの違いを比較しました。大切なのは、家族の状況を加味したうえで、利用者の性格や希望に合ったサービスを選ぶことです。まずは状況を整理し、最適なサービスを選びましょう。
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執筆者:ウェルミーマガジン編集部
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