「夜勤がない保育園看護師に転職したいけれど、給料が大幅に下がるのではないか」と不安ではありませんか。特に多忙な病棟勤務から転職を考える場合、生活リズムの改善と家計のバランス、そして常勤とパートの収入差は、転職や復職において切実な問題です。
この記事では、こども家庭庁などのデータをもとに平均給与を解説します。たしかに病院と比較すると給料は下がる傾向にありますが、求人の選び方次第で収入の減少幅を抑えつつ、生活リズムを劇的に改善することが可能です。病院看護師との、求人の選び方など、給与の不安を解消するためのポイントをわかりやすくお伝えします。
保育園看護師の給与の平均額
保育園看護師の給料は、病院勤務の看護師と比較して「低い」と思われるかもしれませんが、実態はどうなのでしょうか。ここでは、公的データに基づいた常勤と非常勤それぞれの平均給与と、その内訳や手当の違いについて解説します。
常勤看護師の給与と年収(公的データ)
こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、看護師(常勤)の1人当たり給与月額(賞与込み)は以下の通りです。
| 施設区分 | 【常勤】1人当たり給与月額(賞与込み) | 推定年収(12か月換算) |
|---|---|---|
| 私立 | 375,766円 | 4,509,192円(約451万円) |
| 公立 | 454,921円 | 5,459,052円(約546万円) |
※出典:こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 職種別職員一人当たり給与月額の状況 私立・公立保育所 総括表」
上記の金額は各種手当や賞与を含んだ目安です。夜勤手当がない分、年収は下がる傾向があります。ただし公立の場合は病院平均に近い水準です。
非常勤の平均月収
フルタイムの非常勤として働く保育園看護師の1人当たり給与月額は、先ほどご紹介した公的データによると、私立で250,420円、公立で234,907円となっています。
非常勤の場合は、勤務時間や日数によって実際の収入は大きく変動しますが、フルタイム勤務であれば月収23万円〜25万円程度が一つの目安となります。子育て中の看護師の復職先として、家庭とのバランスを取りながら安定した収入を得るための有力な選択肢です。
保育士資格の有無による給与差は?
保育園看護師として働く際、看護師資格のみで業務は可能です。ただ、保育士資格を併せ持つことで、保育補助などの専門性が評価され、給与面で優遇される職場もありますが、施設によって異なります。また、一部の保育施設ではダブルライセンス手当として給与加算を設けている施設もあります。
病院看護師とどう違う?給料・働き方の比較と年収差の理由
保育園看護師への転職を考える際、「病院と比べて給料がどのくらい変わるのか」は気になるポイントです。病院と比べて給与水準に差が出やすい背景には、夜勤手当の有無だけでなく、保育業界特有の給与構造が関係しています。まずは病院看護師の平均年収を確認し、「年収」「手当」「働き方」の3つの軸で構造の違いを比較していきましょう。
病院看護師の平均年収(実態調査データ)
日本看護協会の調査によると、病院勤務の看護師の平均年収(源泉徴収票の「支払金額」)は以下の通りです。
病院看護師の平均年収:5,762,314円
※出典:日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書(p19)」
先ほどご紹介した保育園看護師(常勤)の平均年収(私立:約451万円、公立:約546万円)と比較すると、差があることがわかります。この差はどこから生まれるのでしょうか。
給与水準と年収構造の違いを比較表で解説
病院勤務と保育園勤務の給料の違いは、手当と働き方の違いにあります。夜勤や高度な医療行為に伴うリスク手当がない分、基本給や手当の構成に違いが出ます。
| 比較項目 | 病院 | 保育園 |
|---|---|---|
| 主要手当 | 夜勤手当、危険手当、残業代など | 通勤手当、住宅手当(施設による)、資格手当など |
| 勤務時間 | 3交代制・2交代制(夜勤あり) | 日勤のみ(実働8時間程度) |
| 休日 | シフト制(土日祝出勤あり) | 土日祝休み(園による) |
| 医療行為 | 高度な医療処置、急変対応あり | 原則なし(応急処置、健康管理がメイン) |
夜勤手当の有無による年収差
病院看護師の給料が高い理由の一つは「夜勤手当」です。日本看護協会のデータによると、夜勤1回あたりの平均手当額は以下のようになっています。
- 2交代制夜勤の手当額(平日):平均 11,815円
- 3交代制深夜勤の手当額(平日):平均 5,715円
仮に2交代制で月4回の夜勤に入っている場合、月額で約4.7万円、年間で約56万円以上の手当が支給されている計算になります。さらにこれに伴う時間外手当(残業代)なども加わるため、夜勤がなくなることで年収は下がるのが一般的です。
給料の額面だけでなく、夜勤がないことで得られる精神的・身体的なメリットをどう評価するかが、転職成功の鍵となります。
※出典:日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書(p71~72)」
医療行為と責任範囲の違いが給与体系に与える影響
病院と保育園で給与体系が異なるもう一つの理由は、「医療行為と責任範囲の違い」です。病院での高度な医療処置には高い専門性とリスクが伴うため、それに見合った危険手当や特殊業務手当などが支給されます。
一方、保育園での看護業務は「健康管理や保健指導」がメインになるため、病院のような医療処置を行う機会は少なくなります。しかしその分、園児や保護者、保育士と連携するためのコミュニケーション能力や、看護師として一人で対応するための幅広い判断力が求められます。求められる専門性の質が変わることが、手当や給与体系の違いに表れています。
看護師・准看護師の求人情報はこちら給料が高い保育園の特徴と求人の選び方
夜勤なしでも給与水準をなるべく高く維持するためには、施設形態や求人の見極めが重要です。ここでは、給料が高い傾向にある保育園の具体的な特徴と、収入の減少幅を抑えて高待遇の求人を見つけるためのポイントを解説します。
給与水準が高い施設形態(公立・認可など)
給与水準が比較的高いのは、一般的に「公立保育園」と、運営母体が安定している「社会福祉法人立の認可保育園」です。公立保育園は地方公務員の給与規定に準拠するため昇給や賞与が安定しており、大規模な社会福祉法人は独自の充実した給与規定を持つ傾向があります。
一方で、「認可外保育施設」や小規模な「企業主導型保育園」などは、経営状況によって給与水準が低い場合もあるため、求人を比較検討する際は、まず運営形態を確認することも大切です。
給与水準を高く保つための求人の条件
実際に求人を探す際は、以下のポイントを意識して応募先を選ぶことが重要です。
- 公立保育園の「正規職員」の募集である(※公務員試験の合格が必要)
- 賞与の支給実績が充実している法人を選ぶ(例:年間3〜4か月分を目安)
- 役職手当(主任など)が設定されている大規模園を選ぶ
- 保育士資格など、業務に役立つ追加資格手当を設けている施設を選ぶ
公務員試験に合格して公立保育園へ転職する場合、自治体によっては看護師としての病棟経験年数が給与に加算される場合があり、初年度から高い水準を見込める可能性があります。
給与交渉で役立つ経験とスキル
給与交渉を行う際は、単なる経験年数だけでなく、保育園のニーズに直結する具体的なスキルをアピールすることが重要です。以下の経験やスキルは、園の質の向上に直接貢献できるため評価されやすい傾向があります。
- 小児科での勤務経験(採血や急病対応の知識)
- 保健師資格(保健指導や地域連携に強み)
- 保育士資格(保育補助業務への柔軟な対応力)
- アレルギーや感染症対策における専門知識
保育園看護師の働き方とメリット・デメリット
病院と比較して給与水準が下がる傾向にあっても、それ以上の魅力や働きやすさを感じて保育園へ転職する看護師は多くいます。ここでは実際の仕事内容に加え、給与の額面だけでは測れない「メリット」と、転職前に知っておくべき「デメリット」についてフラットな視点で見ていきましょう。
主な仕事内容と一日の流れ
保育園看護師の主な仕事は、園児の「健康管理」と「保健指導」です。業務内容の一例を以下に示します。
- 園児の健康状態のチェック(登園時・随時)
- けがや体調不良時の応急処置と保護者への連絡
- 感染症予防・アレルギー対応
- 職員への保健指導(衛生管理など)
- 保健だよりの作成や保護者への情報提供
一日の流れは、朝の受け入れから始まり、午前中は健康管理や事務作業、午後は午睡チェックや保育補助、夕方のお迎え時の情報共有で終了し、基本的に残業は少ないのが特徴です。
メリットは「ワークライフバランス」
保育園看護師の最大のメリットは、ワークライフバランスを実現しやすい点です。以下の特徴から、給料以上の「時間のゆとり」や「精神的な安定」を得られます。
- 夜勤がないため、規則正しい生活リズムを維持しやすい
- 土日祝が休みの施設が多く、プライベートの予定が立てやすい
- 高度な医療行為に伴うプレッシャーや、急性期病棟のような命に直結する緊張感は比較的少ない
- 園児の成長を長期的・継続的に見守れる、精神的なやりがいが大きい
夜勤による不規則な生活や、病棟での張り詰めた空気に負担を感じている方にとって、心身ともに健康的に長く働き続けられる環境は非常に大きな魅力です。
知っておきたいデメリットと解消方法
一方で、給与面以外にも転職前に把握しておくべきデメリットがあります。
- 看護師が自分一人という「孤独な環境」になりやすい
- 医療処置が少ないため、臨床スキルの維持・向上が難しい
- 施設によっては、保育補助の業務割合が多くなる場合がある
これらの不安やデメリットを解消するためには、外部の研修や勉強会を活用して、自ら医療知識のアップデートに努めることが大切です。
また、一人きりで判断するプレッシャーを軽減するために「嘱託医や提携クリニックとの連携体制が整っているか」や「系列園の看護師同士で相談できるネットワークがあるか」を事前に確認しておきましょう。保育補助との割合についても、面接や園見学の段階でしっかりすり合わせておくことが転職成功のポイントです。
保育園看護師の給料に関するよくある質問(FAQ)
転職を検討する際に、多くの看護師が疑問に感じる給料に関する質問とその回答をまとめました。
Q. 手取りの目安はどのくらいですか?
A. 一般的に、給与の総支給額から控除(社会保険料、所得税、住民税など)を引いた手取り額は、総支給額の75%〜85%程度が目安となります。たとえば月収30万円の場合、手取りは約23万円〜25.5万円程度です。(扶養家族の有無やお住まいの地域により変動します。)
Q. 経験年数で給料はどれくらい上がりますか?
A. 施設形態によって大きく異なります。私立保育園の場合、昇給率は園の規定や経営状況に左右されるため、年1回・数千円程度の昇給幅にとどまることも珍しくありません。一方、公立保育園では地方公務員の規定に基づき、勤続年数に応じて条例・自治体の給与規定に基づき昇給します。長期的な収入アップを見据えるなら公立が有利と言えます。
Q. 地域による給与の格差は大きいですか?
A. はい、地域による給与格差は存在します。首都圏・大都市圏は人件費のベースが高いため、地方都市と比較して給与水準が高い傾向にあります。地方で給与水準が高い求人を探す場合は、経営が安定している大規模な社会福祉法人が運営する園や、公立保育園にターゲットを絞るのが有効です。
この記事では、保育園看護師のリアルな給料事情や病院との違い、給与水準を高く保つための求人の選び方を解説しました。病院から転職すると給料は下がる傾向にありますが、夜勤がなく安定した生活リズムは、それに代わる大きな魅力です。今回の情報を参考に、あなたの理想の働き方がかなう保育園を見つけましょう。
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執筆者:ウェルミーマガジン編集部
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