「認可保育園の選考に落ちてしまった」「無認可(認可外)保育園はなんとなく不安」と悩む方もいるでしょう。大切な子どもの預け先を探す中で、無認可という言葉に戸惑いを感じる方は少なくありません。
この記事では、無認可保育園の基本や認可保育園との違い、保育料が無償化される条件、利用するメリットや働く魅力などについて解説します。
無認可保育園とは?
無認可保育園の正式名称は「認可外保育施設」です。児童福祉法に基づく認可基準は満たしていないものの、自治体などの指導監督を受けて運営されている施設を指します。
無認可保育園の基本
無認可保育園とは、児童福祉法に基づく認可を受けていない保育施設の総称です。認可を受けていないからといって、違法な施設というわけではありません。自治体への届出義務があり、立ち入り調査や指導監督の対象となっています。全国には約1万9,000か所(令和6年3月末時点)を超える認可外保育施設があり、多様な保育ニーズを支えています。
※出典:こども家庭庁「令和5年度 認可外保育施設の現況取りまとめ(p1)」
無認可と認可外は同じ意味として使われる
一般的に「無認可」と呼ばれますが、行政上は「認可外保育施設」という呼称が用いられています。認可保育園ほど基準が細かく定められていないため、独自の教育方針を掲げる施設や、夜間・休日保育に対応する施設もあります。
無認可保育園の主な種類
無認可保育園には、企業の従業員枠と地域枠を設けた「企業主導型保育事業」や、1対1で保育を行うベビーシッター、病院内にある院内保育園などが含まれます。それぞれ設置目的や保育内容が異なるため、ライフスタイルに合う施設を選ぶことが大切です。
認可保育園との違いを比較
認可保育園と無認可保育園は、運営主体や設置基準、利用申し込みの流れが異なります。家族や仕事の状況に応じて選びましょう。
入園の選考方法と申し込み先の違い
認可保育園は、保護者の就労状況などを点数化する「指数」によって、自治体が入園の優先度を決定します。一方、無認可保育園は施設との直接契約です。選考方法は保育園によって異なり、自治体の選考結果を待つ必要はないため、認可保育園では不利になり得る家庭の状況(祖父母が同居しているなど)でも、入園しやすい場合がある点はメリットです。
保育料の決まり方と世帯年収の影響
認可保育園の保育料は、子どもの年齢や世帯年収(住民税額)によって段階的に決まりますが、無認可保育園は施設が自由に料金を設定します。地域によっても差はありますが、給食費込みのプランや兄弟割引など、施設独自のサービスを展開しているケースも見られます。
設置基準や保育士の配置基準による環境差
認可保育園は園庭の広さや部屋の面積にルールがありますが、無認可保育園は、地域ごとの利便性(都市部の場合はビルの一角を利用するなど)を優先した立地が多いのが特徴です。保育士の配置基準については、認可保育園は国の配置基準、無認可保育園は指導監督基準に基づいています。無認可保育園の中には、スタッフの個性を活かしたあたたかい保育を特色とする施設もあります。
| 比較項目 | 認可保育園 | 無認可保育園 |
|---|---|---|
| 入園の申し込み | 市区町村へ申請 | 施設へ直接申し込む |
| 保育料 | 子どもの年齢や世帯年収に基づき自治体が決定 | 施設が独自に設定 |
| 保育士の配置基準 | 国の基準に基づく | 指導監督基準に基づく |
| 保育時間 | 原則として決まった時間 | 夜間や宿泊など柔軟に対応 |
無認可保育園でも無償化の対象になる条件
令和元年から始まった「幼児教育・保育の無償化」制度により、無認可保育園であっても一定の条件を満たせば、月額保育料の補助を受けられます。ただし、すべての保育園が対象ではない点に注意が必要です。
施設等利用給付認定を受けるための手続き
無償化の適用を受けるためには、あらかじめ住んでいる市区町村で「施設等利用給付認定」を受ける必要があります。認定を受けずに利用を開始した期間の保育料は無償化の対象にはならないため、早めの申請が必要です。なお、無償化の対象となるのは都道府県などに届出を行い、指導監督基準を満たしている施設に限られます。
※出典:こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」
保育の必要性の認定が必要
無償化の対象となるのは、3歳から5歳までの子ども、および0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもです。ただし「保育の必要性の認定」(就労や介護などの理由)を受けることが条件となっています。月額の上限額は、3歳から5歳児で3.7万円、0歳から2歳児で4.2万円と定められています。
※出典:こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」
自治体独自の補助金制度を確認する
国による無償化とは別に、自治体独自で保育料の差額を補助する制度を設けている地域もあります。認可保育園に入園できなかった待機児童向けの補助が充実しているケースもあるため、自治体のホームページや窓口で無認可保育園の保育料補助があるか確認してみましょう。
無認可保育園の利用メリットと安全性
無認可保育園は、認可保育園にはない独自のサービスを提供している施設も多く、「無認可=質が低い」わけではありません。安全性や保育の質は施設ごとに異なるため、見極めが重要です。
独自の教育カリキュラムや柔軟な延長保育
英語教育、音楽、体操、モンテッソーリ教育など、独自の教育方針を掲げる無認可保育園もあります。また、夜遅くまでの延長保育や、土日祝日の対応など、保護者の就労状況に寄り添った柔軟なサービスが提供されているのも魅力の一つでしょう。
認可外保育施設指導監督基準による安全管理
無認可保育園は、国が定める「認可外保育施設指導監督基準」を遵守するよう努めなければなりません。自治体は、定期的または抜き打ちの立ち入り調査を実施し、保育環境や安全管理を確認しています。基準を満たしている施設には「証明書」が交付されるため、選定の一つの目安になります。
※出典:こども家庭庁「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」
良い保育園を見極めるためのチェック項目
利用を決める前に見学を行い、保育園の雰囲気や、スタッフの子どもたちへの関わり方などを細かく確認するとよいでしょう。
- スタッフの表情が明るく、子どもたちと丁寧に関わっているか
- 掃除が行き届いており、危険な場所に柵などが設置されているか
- 避難訓練の実施状況や、災害時の連絡体制が明確か
- 給食の内容やアレルギー対応の体制が整っているか
保育士が無認可保育園で働く魅力
働く側にとっても、無認可保育園は魅力的な選択肢です。認可保育園に比べると、制度に縛られない部分もあるため、理想の保育を追求できる可能性があります。
少人数保育で一人ひとりと丁寧に関われる
小規模な無認可保育園では、子どもとの距離が近く、密度の高い関わりが可能です。行事の準備や開催に追われる時間が少なく、毎日の生活を大切にする保育ができるでしょう。子ども主体の保育を目指す保育士にとって満足度の高い職場環境での勤務ができる可能性もあります。
特色ある保育内容で自分の特技を活かす
英語やアート、スポーツなど、自分の特技を保育に活かせる場面が多いのも無認可保育園の特徴です。特定の教育方法を導入している保育園では、専門的なスキルアップにつながる可能性があります。また、行事の企画や運営の自由度が高いため、自分のアイデアを活かしやすいのが魅力です。
この記事では、無認可保育園の基本から認可保育園との違い、無償化の条件、利用するメリットや働く魅力について解説しました。無認可保育園は、多様な教育を求める家庭や、キャリア形成を目指す保育士にとって魅力的な選択肢です。ぜひ参考にしてみてください。
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執筆者:ウェルミーマガジン編集部
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