看護師の時間管理術とは?優先順位の決め方と残業を減らす5つのコツ

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看護師の時間管理術とは?優先順位の決め方と残業を減らす5つのコツ

病棟で複数の患者さんを受け持ち始めた新人看護師の中には、「予定通りに業務を進められない」「どの業務から対応すべきか迷う」と悩む方もいるでしょう。看護師の仕事では、患者さんの状態変化や時間が決まっている処置、ナースコールなどに対応しながら、複数の業務を進める必要があります。

この記事では、主に病棟で働く新人看護師に向けて、時間管理術の基本や優先順位の決め方、残業を減らすための5つのコツを解説します。

看護師の時間管理術の基本と重要性

看護師の時間管理では、予定を立てるだけでなく、患者さんの状態や業務の緊急度、実施期限に応じて優先順位を見直すことが重要です。まずは、時間管理術の意味と看護現場で求められる理由を確認しましょう。

看護師の時間管理術とは

看護師の時間管理術とは、限られた勤務時間の中で、患者さんの状態や業務の期限を踏まえて優先順位を決め、安全に業務を進めるためのスキルです。単に作業を早く終わらせることではなく、必要な業務を整理し、確実に実施することが求められます。

一度立てた予定にこだわらず、業務の進み具合や患者さんの状態に応じて、順番や実施時刻を見直すことも大切です。

看護師にとって時間管理が重要な理由

看護師にとって時間管理が重要なのは、複数の患者さんを受け持ちながら、観察や処置、与薬、記録などを限られた時間の中で進める必要があるためです。その間にも患者さんの状態変化や予定の変更が起こるため、最初に立てた予定を状況に応じて組み替える必要があります。

厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン改訂版」でも、複数の患者さんの看護ケアについて優先順位を考えて行動することや、決められた業務を時間内に実施できるよう調整することが、新人看護職員の到達目標として示されています。

このように、看護師には複数の患者さんの看護ケアについて優先順位を考え、決められた業務を時間内に実施できるよう調整する力が求められます。時間管理は、患者さんの安全を守る大前提のもと、業務の遅れを防ぎ、円滑に組織を運営するための業務管理スキルとしても重要といえます。

※出典:厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン改訂版(p15)

看護業務の優先順位を決める3つの判断軸

看護業務の優先順位は、業務の種類だけで一律に決められるものではありません。同じ業務でも、生命や安全、苦痛への影響、患者さんの状態、周囲の状況によって優先順位が変わります。臨床看護の優先順位に関する研究を参考に、主な判断軸を次の3つに整理しました。

判断軸 確認するポイント 業務例
生命・安全・苦痛への影響 直ちに対応しないと、生命への影響や状態悪化、事故、苦痛の増大につながる可能性があるか 意識レベルの低下、呼吸困難、出血、急激なバイタルサインの変化、転倒や誤嚥のおそれ、強い疼痛など
患者さんの状態 病状や治療内容、身体状態、年齢などを踏まえ、早めの対応が必要か 状態が不安定な患者さんの観察、排泄援助、食事介助、体位変換、褥瘡予防など
状況の変化 患者さんの状態や指示、病棟内の予定に変化がないか、業務の順番を見直す必要があるか 患者さんの急変、新たな指示や依頼、ナースコール、時間が決まっている与薬、検査や手術の準備など

※出典:日本看護科学会誌「臨床看護における優先順位の概念分析

生命・安全・苦痛への影響を確認する

最も優先されるのは、患者さんの生命や安全に直結する状況です。意識レベルの低下や呼吸状態の悪化などを確認した場合は、ほかの予定をいったん見直し、必要な対応や報告を行います。

転倒や誤嚥のおそれがある場合や、強い疼痛などの苦痛がある場合も、患者さんの状態を確認したうえで対応します。自分だけでは対応できないと判断したときは、早めに応援を求めましょう。

患者さんの状態を確認する

同じ業務でも、患者さんの病状や治療内容、身体状態などによって優先度は変わります。たとえば、状態が不安定な患者さんの観察や、排泄を長時間我慢している患者さんへの援助などは、早めの対応が必要になる場合があります。

排泄援助や食事介助、体位変換などは、業務名だけで優先度を決めず、患者さんの状態や苦痛、希望、ほかのケアとの関係を踏まえて実施時刻を判断することが大切です。

状況の変化に応じて優先順位を見直す

患者さんの状態や病棟内の予定は、勤務中にも変化します。患者さんの状態が変わった場合や、新たな指示・依頼、ナースコールなどが入った場合は、当初の予定にこだわらず、業務の優先順位を見直します。

投与時刻が指定された薬剤や検査、手術前の処置などは、あらかじめ1日の予定に組み込みます。ただし、時間が決まっている業務よりも緊急対応が優先される場合があります。予定が遅れるときは、勤務先の手順に従ってリーダーや関係部署に連絡・報告し、実施時刻や対応方法を調整しましょう。

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看護師が残業を減らすための時間管理のコツ5つ

優先順位を理解していても、予定を立てずに目の前の業務から始めると、抜けや遅れが生じやすくなります。ここでは、日々の業務に取り入れやすい5つのコツを紹介します。ただし、残業は個人の時間管理だけでなく、患者さんの状態や人員配置、業務量、勤務体制などによっても生じます。個人の工夫だけで解決しようとせず、必要に応じて周囲へ相談することも大切です。

1.勤務開始後に1日の全体像を把握する

勤務を始めたら、申し送りや電子カルテなどから、患者さんの状態や医師の指示、検査、手術、入退院の予定を確認します。特に、状態変化に注意が必要な患者さんや、実施時刻が決まっている業務を先に把握しましょう

情報収集では、患者さんの安全に必要な情報を漏れなく確認することを前提に、確認する項目や順番を整理します。「今日、特に注意が必要なことは何か」という視点で要点をまとめると、限られた時間の中でも必要な情報を把握しやすくなります。

2.やることリストとスケジュールを組み合わせる

収集した情報をもとに、その日に行う業務を勤務先のルールに沿ったワークシートなどへ書き出し、実施時刻や優先順位を整理します。時間が決まっている業務や患者さんの安全に影響する業務を一覧で確認できるようにすると、次の行動を判断しやすくなります。

看護現場では予定の変更が起こり得るため、スケジュールを詰め込みすぎず、必要に応じて組み替えられるようにします。なお、患者さんの情報を記載する際は、勤務先の個人情報管理のルールに従いましょう。

3.処置の前に手順と必要物品を確認する

処置やケアを始める前に、手順や必要な物品を確認しておくと、途中で物品を取りに戻る回数を減らせます。慣れていない処置は、事前に院内マニュアルを確認し、不明点を先輩看護師に相談しておきましょう。

事前準備を進める際も、氏名や生年月日などによる患者さんの確認や薬剤確認をはじめ、医療安全に必要な手順は省略せず、勤務先のルールに従って実施します。

4.多重課題を抱え込まず、周囲に応援を求める

多重課題とは、複数の業務や対応が同時に重なる状況を指します。処置中に別の依頼やナースコールが重なった場合は、それぞれの緊急度を確認します。中断によるリスクがある処置中は、可能な限り中断を避け、ほかの看護師に対応を依頼しましょう。

応援を求めるときは、「〇〇さんの処置中で手が離せないため、△△さんのコール対応をお願いします」のように、現在の状況と依頼内容を具体的に伝えます。処置を中断するときは、安全に中断できる段階かを確認し、再開時にはどこまで実施したかをあらためて確認することが大切です。

5.記録をため込まず、業務の遅れは早めに報告する

看護記録を終業間際にまとめて記載すると、経過の確認に時間がかかることがあります。緊急性の高い業務や即時の記録・報告が必要な事項を優先したうえで、処置や観察の区切りで記録を進めると、内容の抜けを防ぎやすくなります。記録する時期や方法は、勤務先のルールに従いましょう。

予定していた業務を終業時刻までに完了できないと判断した段階で、進捗や遅れている理由をリーダーへ報告します。必要に応じて業務を分担したり、勤務先のルールに沿って次のシフトの看護師へ引き継いだりしましょう。

時間管理がうまくいかないときの振り返り方

時間管理を工夫しても業務が終わらない場合は、個人の努力だけでは解決できない要因が含まれている可能性があります。残業になった理由を振り返り、改善できる部分と、チームで調整すべき部分を分けて考えましょう

業務が遅れた原因を具体的に整理する

業務を時間内に終えられなかった日は、どの時間帯で予定が変わったのかを振り返ります。たとえば「必要な情報を十分に確認できていなかった」「物品の準備に時間がかかった」「予定外の状態変化があった」など、具体的に整理します。

原因を整理できれば、事前に確認する項目を決める、処置の準備方法を見直すなど、次の勤務で取り組む対策を立てやすくなります。

個人で解決できない業務量はリーダーや管理者に共有する

振り返った結果、受け持ち患者さんの状態や入退院の集中など、個人の工夫だけでは解決できない要因が見つかることもあります。予定していた業務を時間内に終えることが難しい場合は、自分の進め方だけに原因を求めず、業務量や役割分担に無理がなかったかも確認しましょう。

病棟全体で残業が続いている場合は、個人の時間管理だけではなく、業務分担や記録方法、勤務体制などに課題がないかをリーダーや管理者に共有することが大切です。個人で対応できない状況を早めに共有することも、看護師に必要な時間管理術の1つです。

この記事では、看護師に必要な時間管理術の基本や、看護業務の優先順位を決める判断軸、残業を減らすための5つのコツを解説しました。時間管理では、予定通りにすべての業務を進めることよりも、患者さんの状態に応じて優先順位を見直すことが大切です。業務が重なったときは1人で抱え込まず、周囲に相談しながら調整しましょう。

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ウェルミーマガジン編集部

執筆者:ウェルミーマガジン編集部

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