#1 介護職約100人に聞いた「お金」のリアル―プロが教える!月数千円からできる貯蓄術

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#1 介護職約100人に聞いた「お金」のリアル―プロが教える!月数千円からできる貯蓄術

「介護の仕事は好き。でも、このままの収入だと将来が不安」「毎日頑張っているのに、貯金がなかなか増えない……」そんな風にお金のことが気になって介護の仕事を続けるか迷ったことはありませんか。

今回、ウェルミージョブでは現役介護職約100人を対象に「お金とライフスタイル」に関するアンケート調査(2026年1~2月)を実施しました。その結果、現在の貯蓄額や将来に不安を持つ人が多くいる一方で、しっかり家計を回し貯蓄もできている人もいることがわかりました。

この記事では、アンケート結果から介護職のお金の実情を把握するとともに、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)の中村俊介さんに今日からできるおすすめの貯蓄術を聞いていきます。

※調査概要:ウェルミージョブ調べ/調査期間:2026年1月~2月/対象:現役介護職/回答数:102名/調査方法:インターネットアンケート

いまの貯蓄額だけにとらわれない。"未来"をみすえた家計の土台づくり

アンケートによると、現在の貯蓄額に不満を感じる人は80.2%、貯蓄額(現金・預金)が50万円未満の人は53.6%と過半数を占めることがわかりました。

Q:ご自身の現在の貯蓄状況について、あなたの実感に最も近いものを選んでください。

Q6

Q:ご自身の現在の貯蓄総額(現金・預金)を教えてください。【任意】※株式や投資信託(NISA等)・仮想通貨(暗号資産)は含めず、ご自身の手元にある現金と銀行預金の合計をお選びください。

Q9

一方で、収支バランスに関する設問では「収入と支出がほぼ同額」「収入が支出を上回る」を合わせると約70%という結果が出ています。これは言い換えると、10人中7人が赤字を出さずに生活できている状態です。物価高が続く中でも、毎月の家計を維持する力が身についているとも言えるかもしれません。

Q:毎月の収入から固定費(家賃・光熱費等)と必須生活費を支払った後の「収支バランス」はどうなっていますか。

Q14
中村さんからのアドバイス

家計管理でまず大事なのは、毎月の生活を赤字にしないことです。年収が高くても、支出が膨らんで毎月赤字の家庭は少なくありません。逆に、限られた収入の中で収支を合わせられている人は、家計管理の土台がしっかりできています。

もちろん理想を言えば、そこに預貯金や投資が加わるとより安心です。でも、まず赤字を出さずに回せているなら、それは十分「合格点」の家計だと思っていいですよ。

「手当」頼みでも大丈夫。不安の正体は"見えないこと"

介護職の給与について考えるとき、重要なのが「手当」の存在です。 処遇改善手当や夜勤手当などが家計の中で大きな割合を占めている人も多く、「もし減ったらどうしよう」と感じやすいポイントでもあります。アンケートによれば、手当がなくなると「生活費が不足し、赤字になる」と回答した人は全体の43%にのぼりました。

Q:(手当があると答えた方へ)もし来月、その手当が減額、または支給されなくなった場合、家計への影響はどうなりますか。

Q13

手当の用途は、「生活費」が約37%でもっとも多く、「趣味・娯楽」などが約14%、「貯蓄・投資」が約10%という結果になりました。多くの介護職の方々が手当を生活費の一部として組み込んでいるようです。

Q:ご自身の資格手当や処遇改善加算などの「手当(基本給以外の収入)」は、主にどのように扱っていますか。

Q12
中村さんからのアドバイス

手当を生活費として使っていることを不安に感じる方もいるかもしれませんが、必要以上に気にしなくて大丈夫です。介護職では手当込みで給与設計が成り立っているケースも多く、生活費として見込むのは自然なことです。

大切なのは、「もし変化があったらどうなるか」を把握しておくこと。

たとえば、手当がなくなったら毎月いくら不足するのかを一度計算してみてください。『なんとなく不安』だったものが『月3万円不足する』のように具体的になると、固定費の見直しや貯蓄の取り崩しなど、対策を考えやすくなります。

手当が不安な方ほど、まずは
・手当が月いくらあるのか
・減ると家計がどう変わるのか
・どこまで支出を調整できるのか
を整理してみることが、安心への第一歩です。

書類を見て計算をするスーツ姿の男性

「余るお金がない」のではなく、「全部いま使っている」のかもしれない

将来のために貯蓄や投資をしたほうがいいとは思っていても、「でも、そんな余裕なんてない」と感じる方は多いはずです。ここでアンケート結果を見てみると、興味深い傾向がありました。

ストレス発散や自分へのご褒美に、月1万円以上使う人が4割超

Q:上記のような「ストレス発散」や「疲労回復」を目的とした、ご自身の支出は月平均でどの程度ですか。(※家計/世帯全体ではなく、ご自身のために使っている金額をお選びください)

Q11

家計の使い道についての設問では、約44%が月1万円以上をストレス発散や自分へのご褒美に使っていると回答しています。

中村さんからのアドバイス

介護職のように心身の負荷が大きい仕事では特に、 自分を整える支出は大切です。ストレス発散や自分へのご褒美のための支出をゼロにする必要はまったくありません。

ただ、大事なのは、0か100かで考えないことです。

たとえば月1万円のストレス発散費があるなら、そのうち2割だけ未来に回してみる。残りの8割は、自由に使って大丈夫です。未来への投資も大切ですが、今の自分を大切にする視点も同じくらい重要ですから。

会話する若い男女

資金不足を理由に投資を諦めなくてOK!味方にすべき「複利」の仕組みとは?

投資状況に関する設問では、約24%が「実施している」と回答。一方で、投資をしていない人たちの9割以上は「関心はある」と回答しており、「資金不足」(約23%)、「面倒くさい」(約19%)、「知識不足」(約17%)などが足かせになっていることがわかりました。

Q:ご自身のNISAやiDeCoなどの「資産形成(投資)」の実施状況について、最も当てはまるものを選んでください。

Q8
中村さんからのアドバイス

資金不足が理由で投資を始められない方には、生活レベルを変えずに始められる「スライド投資」がおすすめです。新たに節約をするのではなく、今の支出の一部を投資にスライドさせるという考え方です。

たとえば、先ほどのストレス発散のための支出1万円のうち2,000円だけはNISA・iDeCoなどの積立に回す。金額としては小さく見えても、大きな意味を持っています。

実は、投資で一番重要なことは「時間(複利)」を味方につけることです。あの物理学者アインシュタインが「人類最大の発明」「宇宙で最も強力な力」と呼んだことでも知られています。

長期投資イメージ

複利とは「運用で得た利息を元本にプラスして、さらに利息をつけていく仕組み」のことです。よく「雪だるま作り」にも例えられます。

最初は小さな雪の玉(元本)ですが、転がしていくうちに周りの雪(利息)がつき、次の一回転ではさらに大きな表面積で雪を巻き込んでいきますよね。このように、「ついた利息が新しい元本に加わって、さらに大きな利息を呼ぶ」ため、時間が経てば経つほどお金が膨らむスピードが加速していくのが複利の最大の特徴です。

たとえば、先ほど、月1万円のうち、2割を投資に回すという提案をしました。

「月々2,000円なんて、運用しても意味がないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、複利の力を借りて「20年、30年」という時間を味方につけると、驚きの結果が見えてきます。仮に年利5%(※)で運用できたとして、その増え方を見てみましょう(※世界経済の成長に投資する運用商品などで、過去の実績から目標とされることの多い数値です)。

年数 積立元本 運用益 合計資産
10年 24万円 約7万円 約31万円
20年 48万円 約34万円 約82万円
30年 72万円 約94万円 約166万円

※月2,000円を年利5%で積み立てた場合のシミュレーション例です。実際の運用成果を保証するものではありません。


最初の10年は、雪だるまの「芯」を作っている時期です。増え方は緩やかですが、それでも銀行に預けておくより、数万円分も雪がくっついて大きくなっています。

ここから複利の本領発揮です。元本の48万円に対し、増えた分(利益)だけで34万円に達します。「自分が出したお金」と同じくらいの金額を「利息」が稼ぎ出してくれるイメージです。

30年経つと、驚くべき逆転現象が起きます。「自分がコツコツ貯めたお金(72万円)」よりも、「運用で増えたお金(94万円)」の方が多くなるのです。

こういった自分以外のもう1つの稼ぎ柱を作るイメージで、「お金に働いてもらう仕組み」を作ることが重要です。

月2,000円という金額は、飲み会を一回我慢したり、サブスクリプションを整理したりすれば作れる金額かもしれません。その小さな一歩が、30年後には166万円という「まとまった資産」に化ける。これが、お金が自ら働いて仲間を連れてくる(利息が利息を生む)複利の凄さです。

もし30年で166万円作りたいと思ったとき、複利を使わず貯金だけでやろうとすると、毎月約4,600円を貯める必要があります。しかし、早く始めて複利を味方につければ、月2,000円(半額以下!)の負担で同じゴールに辿り着けるのです。

早く始めれば始めるほど複利の効果が得られるため、いち早く始めることをオススメしています。

投資の「面倒くささ」「知識不足」に打ち勝つためのおすすめの方法

投資を始めたいと思っても、「投資に回すお金がない」の次に来るハードルが「なんだか面倒そう」「難しくてよくわからない」という心理的な壁ではないでしょうか。

中村さんからのアドバイス

今は多くの金融機関でNISAの開始をサポートしています。「自分一人では不安」「相談しながら進めたい」という方は、窓口のある金融機関でサポートを受けながら始めるのも一つの方法です。

ただし注意したいのは、知識がないまま任せきりにしてしまい、「金融機関側にとって都合の良い商品」を選んでしまうリスクがあることです。

納得感を持って資産運用をしたい方には、個人的にはネット証券での口座開設をおすすめしています。スマートフォンだけで手続きができ、最近はYouTubeなどでも口座開設の手順をわかりやすく解説した動画が多く公開されています。

株取引をする若い女性

資産運用で一番もったいないのは、「いい話を聞いた」で終わってしまうことです。ジムに例えるなら、「一人では続かない」人はパーソナルトレーニング(対面相談)、「自分のペースで始めたい」人は24時間ジム(ネット証券)という選び方もあります。

大切なのは、自分に合った方法でまず一歩踏み出すこと。無料の解説動画を見る、窓口で話を聞くなど、小さな行動が将来の差につながります。

まとめ

ここまで、介護職の家計のリアルとお金との向き合い方について見てきました。最後に、今回の記事のポイントを整理しておきましょう。

この記事の3つのポイント


  • 収支が赤字でなければ合格点
  • 無理なく始めるなら「スライド投資」
  • 少額でも投資を始めて時間を味方につけよう(複利)

今回の調査から見えてきたのは、介護職の多くが将来への不安を抱えながらも、日々の家計をきちんと守る力を持っているということでした。

まずは「収支が赤字になっていないか」を確認すること。そして、無理のない範囲で未来へのお金の流れを作っていくこと。

その小さな一歩が、将来の安心につながっていくのかもしれません。

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中村俊介

監修者:中村俊介

大手教育系会社にてマーケティングに従事した後、個人の人生を「より深く長期的にサポートしたい」という想いからソニー生命保険株式会社へ。FPとして保険商品だけでなく家計改善・資産形成などマネープラン全般に応えるスタイルで多くの顧客から支持され、「年間新人賞」等も受賞した。13年間にわたり約500世帯をサポートし、現在は独立して多方面で活躍中。

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