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通所介護の送迎サービスに求められる専門性とは? vol.5 送迎運転手・介助者予定表

2015-10-12

前回に引き続き、今回は、送迎に必要な書類のなかの、送迎運転手・介助者予定表についてお伝えします。

送迎業務のシフト表ともいうべき位置づけ

送迎運転手・介助者予定表とは、どのようなものなのか? 簡単に説明すると、日々の送迎業務(運転手・介助者・車輌管理等)のシフト表です。なぜ、そのシフト表が必要なのか? それは、(1)労働量、(2)教育の2つの視点からです。

その前にまず、おさえておきたいことは、通所介護サービスにおける送迎業務は、意図的・意識的に振り分け作業をしないと、「いつも同じ」業務になりがちで、作業分担も「偏る」傾向に陥りやすいという点です。その結果、スタッフ教育が満足にできない状況を生みます。

たとえば、気づかぬうちに「いつも同じ」職員がメンテナンスや掃除等の車輌管理を行い、また「いつも同じ」曜日、送迎コース、業務(役割)を行うことになります。

すると、「いつも同じコースのため、他利用者のご自宅がわからず勉強したい」「私が休んだときの代行を用意しておきたい」といったポジティブなコメントから、ネガティブな不平不満の声まで、職員からさまざまな意見が噴出してくるようになります。

なぜ送迎運転手・介助者予定表が必要なのか?

送迎運転手・介助者は、道路状況に加えて、ご利用者を安全に送迎するための気苦労が絶えません。携わるスタッフが、疲労によって万一事故を起こさないように、1日の仕事ペースを配慮します。事故を未然に防ぐといった視点から、送迎運転手・介助者予定表を活用してバランスよく、各従業員の労働量に心を配りながらシフト調整を行うことが求められてきます。

また、送迎業務を「計画的」に行うことで、職員教育の徹底にも寄与します。

通所介護サービスにおいて、送迎サービスが稼動しないと、ご利用者が通所できないといった事態が生じ、経営困難に陥ります。送迎運転手が急病で休む、といった万一の場合に備えて、代行できるスタッフを数人教育しておくことも重要です。

職員に対する送迎業務の教育が慢性的に滞り、万一の備えが確保できないようでは、通所介護サービスは運営上の危機にさらされるでしょう。それらを解消するためにも、送迎運転手・介助者予定表の活用をお勧めしたいのです。

通所介護サービスは、通常、(1)送迎、(2)食事、(3)入浴、(4)機能訓練、(5)各種心身疾患への対応等、多様な内容で形成されており、施設管理者が、日々のご利用者の変化に伴い、これらすべての課題を解決しサービスの質向上をめざそうと奔走しているのが現状です。

特に送迎については、その他のサービスに比べ、ご利用者ニーズ・職員の気づきも薄いためか、どうしても課題・解決の優先順位が低くなる傾向にあります。それらを予防するためにも、「送迎管理者」の役割を作り、施設管理者と報連相を基本のもと、早めの対策等に着手させることが大切です。

「送迎管理者」を選任にあたっては、送迎業務が得意な人や、中堅スタッフ等で送迎サービスの接遇・運転技術において、他職員の見本になるような人がよいと思います。

作成時の留意点

送迎運転手・介助者予定表の作成時に重要なことを前述の労働量と教育の視点より挙げてみました。

(1)労働量の視点から

(2)教育の視点から

これらを踏まえて送迎運転手・介助車予定表作成をして、通所介護サービスの送迎サービスの確立を目ざしたいものです。

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