60歳過ぎて第2の人生は、デイサービスの運転手 顔晴る(がんばる)地域の新人職員から学ぶこと

2016-05-11

人材不足と言われる介護業界において、60歳過ぎて定年退職を迎えた人の再雇用に注目したい。第2の人生をスタートしきれずに、地域に眠っている優秀な人材がまだいるはずだ。デイサービスの送迎運転手にも、そういった第2の人生にチャレンジし、地域に貢献したいという人が増えているという。地域ぐるみで隠れた人材の発掘に尽力したい。

定年退職後にデイサービスに再就職したAさんの心意気

今回は、通所介護に新人運転手として入社した近所の60歳過ぎの男性Aさんについてお話ししたいと思います。

Aさんは、定年退職後の第2の人生として地域貢献をしたいと考えました。そこで、自分の住んでいる地域を見渡したら、通所介護施設で送迎運転手の募集があったので、応募しました。

そして見事合格。週に3日、朝と夕刻の送迎時間帯のみ勤務することになりました。

働き出してから1ヵ月ほど経ちますが、ご利用者の自宅の場所やルート、また1人ひとりの送迎乗車場所の注意事項等を覚えるのが、思っていたよりも多くて大変で、心身ともにきつく感じています。

そんなときに、「迎えにきてくれてありがとう」とご利用者から声をかけてもらうことがあり、嬉しくて仕事の楽しさに目覚めたといいます。

この仕事をしていると、地域の昔話もいろいろと聞けて、Aさんの心は自然と和みます。

「自分がちゃんと貢献できるようになるまで、しかめっ面で「ガンバル」のではなく、楽しく笑顔で「顔晴(がんば)って」いきたいと思っているんですよ」

嬉しそうに近況を伝えてくれました。

このエピソードから、私自身、改めて幾つか気づかされることがありました。

第2の人生としての職業選択には、近くの職場であることが優位に働く

Aさんは、話している最中も、終始輝いて、聞いている私まで嬉しくなるほどです。

自らの未来に夢を抱き、イキイキとしています。

私自身も送迎運転手をしているので、Aさんの気持ちがよくわかりますし、働き始めたころの自分を思い出して、初心が大事だ、と身が引き締まる想いでした。

Aさんのようなケースは好事例かと思いますが、このように、定年退職後に働く方が、通所介護施設ではどんどん増えていくのではないでしょうか?

地域において、開かれた通所介護施設を効率的に運営し、展開していくためには、率先して、こういったリタイヤした人たちの受け入れをしていったほうがよいと思います。

近年、通所介護施設が増え、地域に点在するようになっています。Aさんのように定年退職後に第2の人生の職場探しをする際に、近隣にある通所介護施設の存在は、「近い」という点でも選ばれやすく、ニーズは結構あると思います。

受け入れる側としても、近隣に住んでいて地域の歴史や実情、地理なども比較的よく知っている人は、送迎を担ってもらうのには心強く、教育しなければならない要素が少しでも省かれるという点で、効率的に感じられると思います。

潜在的に眠っている労働力を地域の力を借りて掘り起こし、介護人材の雇用に結びつけたい

さらに、地域に開かれた施設を展開するという視点においても、地域の実情をよく知っている人がいれば、つながりを展開するに際し、良きアドバイザーになるかもしれません。

ご利用者・ご家族の方にとっても、地域の歴史等の談話で盛り上がることで、よりいっそう和み、安心・信頼につながりやすいのかもしれません。

現在、通所介護施設においてもマンパワー不足がよく言われています。

今後の人事戦略のひとつとして、近所の方の雇用率を上げる取り組みも視野に入れてみてはよいのではないでしょうか。

Aさんの「第2の人生」のような大きな志ではなくても、少なからず、働く力を持つ方々は未だ地域に眠っているのでないでしょうか。

時代が変わってきても、定年退職後の時間の過ごし方を模索している方は少なくはないと思います。その方々を掘り起こすことも地域活性化のひとつにつながるのではないでしょうか。

自治会や町会、あるいは地域商店街のイベントなどで、通所介護施設の人材募集を広報してもらうことなどを、相談してみるところから始めることが大事だと考えます。

家族や自分自身が高齢者になっても、皆で住み慣れた町や地域で過ごすことができるような基盤作り(地域包括ケアシステム)が今、求められています。

そういった視点でも地域に点在する通所介護施設は、よりいっそう、地域住民の雇用促進に力を注ぐこともひとつの貢献になるような気がします。

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