介護報酬改定を受けて小規模デイ経営者が思うこと vol.2

2015-02-25

連載2回目は、一事業所の経営者の立場から観点を移し、もっと広い視野に立って小規模デイへの改定の影響について考えてみたい。

増えすぎた小規模デイ、利用者さんの取り合いの弊害も・・

確かに小規模デイは増えすぎました。供給過多で利用者さんの取り合いのようになっている地域も多いと聞きます。利用者さんのアセスメントによって導き出されたニーズを満たすために、本当にデイサービスが必要なのか? 訪問系のサービスではなんとかならないのか? と思うこともあります。経営者がこういうことを言うと「経営者失格!」なんて言われそうですが、経営者がお金の話ばかりしているのは正直あまり好きではありません。経営者って経済的なことだけを考えているわけではないので、経営者=お金のことを考える人みたいなイメージで語られるのは嫌ですね。

なんのためにこの事業、この会社があるのか。何のために小規模通所介護があるのか。小規模デイサービスはこれからの先の時代にマッチしていくものなのか。税金や保険料を払う人は減り、そのお金を使う人は増えるという時代です。

メリットは利用者さんと距離が近くてスタッフ間の一体感も得やすい

小規模デイの良さは確かにあります。小さな事業所は職員と利用者さんの距離も近く、物理的な距離が近いと見守りしやすく駆けつけやすいというメリットがあります。また、動線が短い分利用者さんと接する時間も多くなりますから、心理的な距離も縮まりやすいと感じます。大勢いるところに行きたくないという利用者さんもいらっしゃいます。スタッフ数も少ないですから、スタッフ間の派閥なども生まれにくく、一体感を得やすいと感じます。情報伝達もあっという間です。

しかし、このようなメリットにお金をかけている時代ではないということなのかもしれません。大規模な事業所のほうが、利用者さん一人当たりにかけるお金(=介護報酬)は少なくて済みます。いわゆるスケールメリットというやつです。

さらにメディアでは、小規模デイの劣悪な環境や虐待事件などの特集が組まれたりもしていました。一部の質の悪い事業所が全体の評判を下げてしまい、お泊りデイ=劣悪な環境、というイメージがついているような気もします。全部がそうというわけではないんですけどね。

いちばん辛いのは、定員10名超だが稼働率が低く、小規模の報酬算定をしていたデイ

さて、ご存じない方のために、小規模デイとはそもそも何か? という話もしておきます。

「小規模」とは何を持っていうのかということですが、これには定員による分け方と、介護報酬上の分け方があります。小規模デイというと定員10名のデイ、というのが一般的なイメージではないかと思いますが、この10名という区切りは何かというと、毎日看護職員を配置しなくてはならないか、そうではないかの違いです。

定員10名までは、毎日看護職員がいなくてもいいということになっています。定員10名を超えると毎日看護職員がいなくてはなりません。看護職員の確保は難しく給与も高いことから、定員10名であればひとつ悩みが減りますね。

そして介護報酬上の小規模とは何かというと、前年度の利用者延人数が月平均300名以下、というのが介護報酬上の“小規模”です。定員20名であっても稼働率が低く月平均の利用人数が300名以下なら小規模というわけです。これはある意味とても辛いことなんですが…。

今回の改定で風当たりが強かったのは、定員10名の小規模デイです。でも減ったのは介護報酬上の小規模通所介護の単位です。つまり、今回の改定で一番辛いのは、定員10名超のデイサービスでありながら、稼働率が低いために小規模デイの介護報酬を算定していたところ、ということになるでしょうね。デイサービスも過当競争ですからこういう事業所はけっこうあると思います。定員15名なのに小規模単位を算定しているデイサービス、近くにありませんか?

経営者はそうとう頭が痛いはずです。 次回は、最後に今後の小規模デイのありかた、どう生き残るか、についてです。

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