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オレンジプランにおける地域理解への取り組み

2015-03-09

現在、国内で認知症とされる人は約462万人、認知症予備軍は400万人に及ぶと言われています。2025年には団塊世代が後期高齢者となりますが、その時点で患者数が700万人超を予想され「2025年ショック」と呼ばれているのです。

オレンジプランの登場

そんな中、厚生労働省は2012年9月に『認知症5ヵ年計画』(通称:オレンジプラン)を発表しました。これは2013年度から2017年度までの5年にわたる計画であり、現時点ですでにスタートされています。

加えて、認知症の方が「地域で暮らす」ために必要な施策を実現するため、2015年1月に「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」も発表されました。これは地域に密着しつつ独自性に対応するため、包括地域センターの周囲500mを目安に認知症高齢者を支えていくものです。

オレンジプラン7つの施策

新オレンジプランの具体的な施策内容について見てみましょう。

「介護問題は大変だけど、何をしたら良いのか、あるいはどこに相談すれば良いのか分からない」という人が大勢いるようです。どのような活動があるのかを広め、地域の人たちが参加しやすい仕組みをつくること。そして認知症の人の姿を理解してもらう仕事を、キャラバンメイトが担っています。

人によって症状が違う認知症。新オレンジプランでは、初めて介護や看護の仕事に就く人に向けて、基礎研修など専門的なケアの研修を行います。

認知症は高齢者だけがなるものではありません。まだ若いのに認知症になってしまい、誰にも相談できない人が増えています。そういった人たちには、仕事ができるようにするための支援が必要です。

認知症患者本人へのケアはもちろん、支えている介護者のケアも大切です。お互いに励まし合う場所作りが必要でしょう。

身体機能が低下していく高齢者にとって、使いやすいものを作り、暮らしやすい地域社会を整えていくこと。新オレンジプランには、多くの高齢者が利用しやすい商品の開発やサービス提供の推進が盛り込まれています。

どうすれば認知症を予防でき、治療する薬ができるのか。そのための開発を進めていきます。

認知症において一番大切なことは、認知症患者やその家族が“本当に必要としている”サポートが行える仕組みづくりです。そのためには、まず「何が必要とされているのか」について実態を調査。その結果に基づき、支援策を強化できるようにしていきます。

このように介護する側だけでなく、認知症の方々のために策定されたものが新オレンジプランです。

キャラバンメイトとは?

このオレンジプランを支えていくのが、認知症を正しく理解し、地域包括支援センターを中心に地域にとって必要なことを提案する「キャラバンメイト」です。キャラバンメイトとなるには、研修を受けなくてはなりません。

その後、自治体やNPO、社会福祉協議会と連携・協働して、認知症の方々が暮らしやすい社会を作っていく活動に取り組みます。

その中の一つが「認知症サポーター」です。認知症に関する正しい知識を身に付け、自分のできる範囲で活動し、認知症の方を支えていきます。例えば、友人や家族に認知症の知識を伝えたり、認知症の方や家族の気持ちを理解するよう努めたり。あるいは、商店・交通機関等での手助けも行います。小さな親切で認知症の方お支え、それを周囲に伝えていくのが認知症サポーターです。

キャラバンメイトは期待できるか?

キャラバンメイトの研修を受けに行くと、男性の参加が多いことに驚くでしょう。実際に研修へ参加された方の話では、男性が「自分も役に立てるかもしれない」という思いから積極的に参加しており、座席が足りずに補助イスが出されるほど盛況。その約半分が男性だったと言います。

そして、男女を問わず年齢の高い方が多かい点も特徴です。キャラバンメイトのシステムは「やってあげる人」「やってもらう人」と区別されていないため、誰にでも参加しやすいのでしょう。「自分だったらこうして欲しい」といった思いを実現できるかもしれない。そんな可能性に、キャラバンメイトが増えている理由がありそうです。

認知症を支える人が増え、周囲にその理解が広まることは素晴らしいことと言えるでしょう。まだ始まって間もない取り組みではありますが、今後の活動に注目したいところです。

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