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医療・介護の連携で自宅で暮らせるのか?認知症初期集中支援チームとは

2015-03-16

前回、認知症患者を支援する「オレンジプラン」についてご紹介しました。その施策内容や、中核を担う認知症サポーターの役割についてご理解いただけたことと思います。今回は「医療と介護」を合わせた視点から、オレンジプランでの取り組みについてご紹介しましょう。

地域での生活を支援するオレンジプランの取り組み

歳を重ねても、ずっとなじんだ街、自分の家で過ごしたい。そんな願いを叶えるためには、手厚い介護と医療が必要です。平成25年度29年度までの認知症対策計画「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」では、次のような目標が掲げられています。

そのために取り組まれているのが、「認知症サポート医」の養成と「認知症初期集中支援チーム」の推進です。

認知症サポート医と認知症初期集中支援チームとは

認知症サポート医は、厚生労働省がその役割を次のように定義しています。

研修を受講することで、地域における「連携」の推進役を期待されているのです。その上で、普段かかっている地元の病院を「かかりつけ医」と位置付け、認知症の早期発見や早期治療を行い、場合によっては基幹病院を紹介する「認知症初期集中支援チーム」制度が進められています。

認知症初期集中支援チームでは、【医療系+介護系職員】が患者に関する情報をお互いに提供し合い、支援を行います。尚、具体的には保健師や看護師、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士等が挙げられます。厚生労働省の定義するチームにおける主な業務は、次の通りです。

かかりつけ医の紹介で、基幹病院への入院・外来による治療を行います。そして症状が安定したら地域のかかりつけ医へ戻し、そのまま地域で暮らしていけるように支援していくのが、チームとしての取り組みです。

実際の現場では

一旦入院した後は地域のグループホームへ戻るに当たり、慢性的な医療措置を介護職員がどこまで関われるのか、その基準を早急に整備する必要があります。例えば痰の吸入は、介護士も行うことができるようになりました。しかし、糖尿病患者へのインスリン注射や胃ろうなどを介護職員は行えません。

知的障害を持つ患者の症状と、認知症による精神症状は全く異なります。しかし医師における認知症への理解は、まだまだ進んでいません。患者の現状に沿った支援を行うには、まず知的障害との違いから理解してもらう必要があるでしょう。その意味で、医者が介護の中に位置づけられたことはとても画期的と言えます。認知症サポート医の養成と、認知症初期集中支援チームの確立。認知症患者のQOLを高めてくれることを、今後期待したいと思います。

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