若年性認知症と仕事の関係

2015-04-10

前回まで、認知症の人たちが居住地域で受けられる支援について見てきました。今回は、若年性認知症にスポットを当ててみましょう。

さまざまな認知症

新オレンジプランでは、若年性認知症が一つの柱として捉えられています。この若年性認知症は40〜50代で発症するもの。働き盛りということもあり、社会にとっても家族にとっても大きな影響を与え、社会的な損失へと繋がるのです。

認知症の原因となる疾患はいくつかあり、その原因となった疾患によって、支援が異なります。早期発見によって進行が遅くなる、あるいは稀ですが治ることもあるので、「何かおかしい」と思ったら早めにかかりつけ医へ相談してみてください。

まずは、若年性認知症の種類について見てみましょう。認知症と言っても、症状などさまざまです。

一般的に脳卒中に含まれる「脳こうそく」や「脳出血」などを原因として、仕事に対して意欲が持てなくなったり、人格変化や高機能障害が現れたりすると言われます。

障害を受ける部分によって異なりますが、記憶障害は物忘れに近いものであり、時間をかけたりヒントを与えたりすれば思い出せるレベルです。しかし一方で感情のコントロールが上手く行えず、喜怒哀楽が激しくなります。これによって、職場での人間関係が崩れてしまうのです。

一般的に「ごはんで何を食べたのか忘れる」のは物忘れですが、アルツハイマー型認知症では「食べたこと自体」を忘れてしまいます。残存能力は高く、古い記憶や体で覚えたことは比較的長く保たれています。

アルツハイマー型認知症による退職原因で多く見られるのが、自分がやったことを覚えていないことによるトラブルです。ハッキリした原因は発見されてはいませんが、研究によってアルツハイマー型の若年性認知症に効果を表す薬も開発されています。

レピー小体は大脳皮質にも広くみられ、幻想や幻覚、錯覚、妄想などの精神症状が出るものです。初期には記憶障害よりも、注意機能や作業効率の低下などが目立ちます。

脳の前頭葉や側頭葉に萎縮が見られ、40代などの若い年齢で発症します。特徴的な症状としては、人格変化や非常識な行動などが挙げられるでしょう。ただし、記憶や見当識などは比較的保たれています。尚、万引きなど社会的逸脱行為や、身だしなみが乱れる、何度も同じことを繰り返すといった行為も特徴です。

若年性認知症を発症した人の就労実態

家族が本人の変調に気付いたときの患者の平均年齢は53.6歳と言われます。また、発症して就労を続けられなくなるまでの年数は、約5年です。発症後は本人以外の家族が就労するケースが見られますが、経済的には非常に厳しい状況と言えるでしょう。

発症後に仕事が続けられなくなる理由には、業務上の重要なミスが多いようです。若年性認知症により、段取りや進捗状況などが分からなくなってしまいます。ただし、作業をマニュアル化できる仕事は多く存在します。職場に配慮があれば発症後でも対応できる仕事は多く、就労継続の援助が必要です。

利用できる制度

現段階で使える社会的なシステムは、認知症の中でも高齢者を対象としたシステムの位置づけが強くなっています。しかし若年性認知症は、現段階で介護分野のシステムを利用できないケースが多いようです。

具体的な支援としては、主に障害者福祉法に定められているサービスを受けることができます。「傷病手当金」「雇用保険(失業給付)」「自立支援医療(精神通院医療)」などが挙げられますので、まずは社会福祉事務所や精神病院の精神保健福祉士(PSW)に相談してみましょう。

今後は介護保険の適用を可能にしたり、あるいは若年性認知症発症後にも取り組める仕事について検証したりすることが課題と言えるのではないでしょうか。

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