認知症の徘徊による事故を未然に防ぐために

2015-05-13

先日、徘徊していた認知症の高齢者が亡くなるという痛ましい事故がありました。これは、施設でも家庭でも対応が難しい問題です。徘徊している本人は、あてもなくフラフラ出ていったわけではありません。その人なりの目的があって外出するのですが、途中で「何のために外出したのか」が分からなくなってしまいます。そして、帰るべき場所すら分からないという大変な事態になっているのです。徘徊への対応は、ベテランの介護従事者でも難しいことでしょう。実際にどのような対応をすべきなのかについて、取り上げてみます。

どこに連絡すれば良いのか

徘徊している人を見つけるためには、必ず連絡しておくべき場所がいくつかあります。まずは、警察に連絡しましょう。そのうえで、次に最寄り駅と鉄道の営業所に連絡を入れてください。徘徊時には無銭乗車していることも多いため、どこかで保護されている可能性があります。

また、タクシーに乗ってしまうことも少なくありません。しかし行先をはっきり伝えられない、あるいはお金を持っていないなどの理由から、警察に連絡が入っていることが考えられます。タクシーの配車事業所に連絡して、運転手に無線を流してもらうのが適切です。

尚、基幹病院に連絡することも忘れずに。疲れて倒れてしまい、搬送されているかもしれません。

徘徊を防ぐために

外出しようとする姿を見かけたら、まず外に行きたい理由を聞いてみましょう。例えば「夕食の支度をするために買い物に行かなければ」と言っている場合、「私も買い物に行きます。一緒に行きましょうか」と言って一緒に近所を回ってください。

しばらくすると、自分が何のために外に出たのか忘れてしまうことが多く、そこで「そろそろ帰りましょう」と言えば、抵抗なく施設に戻ってくることができます。

外へ出て行ってしまったら

ある包括支援センターでは、徘徊している人を見つけることに協力してくれる家庭や店を募集・登録しています。外へ出て行ってしまったことに気づいたら、特徴などを書いてFAXやメールで知らせるのです。すると年に2〜3回、登録者の協力で徘徊者が見つけられることがあると言います。

また最近では、SNSを使うのも一つの方法でしょう。「こういう特徴の人が、○○でいなくなりました」というトピックスに対し、実際に「私はその近辺をよく知っているので、探しにいきます」というコメントが書きこまれた事例もあります。特に、Twitterは情報が早くおすすめです。

便利なグッズを使ってみましょう

ドアにブザーを取り付けておくと、ドアが開いた際に音で気づくので便利です。実際に、このブザーで徘徊を未然に防いでいるケースは少なくありません。

また最近は、GPS機能が付いた携帯電話や端末が利用されるようになりました。高齢者に端末を持っていてもらえば、パソコンで検索してすぐに居場所が分かるでしょう。GPSを使った捜索方法を、詳しくご紹介しておきます。

外出の多い人には、あらかじめGPS機能のついた携帯や端末を持ってもらいます。徘徊して行方不明になった際には、その人がもっている端末からパソコンに送られてくる情報をチェック。例えば新幹線に乗っていることが分かった場合、時間から換算して乗っていそうな車両を特定できます。鉄道会社に連絡して次の駅で保護してもらえば、遠く離れる前に迎えに行くことが可能でしょう。

本人が端末を持つことを嫌がる場合、靴などに装着できる小型のものもあります。無理やりにならないよう、その人に合ったグッズを探してみてください。

遠くまで一人で移動できるほどの体力を持っている方が、要介護3以上の判定になることはめったにありません。すると施設へ入所することができず、家庭で介護することになるでしょう。しかし、徘徊の対応は大きな負担です。その際には、家族に負担が少ない介護方法をアドバイスしていくことも、施設の役割の一つではないでしょうか。

まず介護従事者が適切な対応を学び、実践のうえで、高齢者やその家族を支えていってもらいたいものです。

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