介護プロフェッショナルキャリア段位制度を活性化させるためには

2015-08-21

介護人材の能力をレベル評価する「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」。その実施機関であるシルバーサービス振興会は、新たに認定者が78人誕生したことを発表しました。これで、現時点での認定者総数は525人となっています。この制度は、介護サービス分野における新しい職業能力を評価するもの。国内において「介護の何を知っていて、何ができるのか」を証明できる制度です。この制度立案の背景には、介護職に求められる能力が変化していることがあげられます。

「できる」「わかる」の基準は?

「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」では、具体的に「できる」スキルの認定基準が以下5つのレベルに分けられます。

「評価する」難しさ

LEVEL4の人は、講習を受けることによって「アセッサー」(評価者)になることができます。このレベルは制度のキーパーソンとも言えるでしょう。アセッサーは他の介護職員のレベルを評価し、教育・指導を行います。つまり、他の職員のレベルを上げるための方法を考えなくてはなりません。

アセッサーによる評価が適正に行われているかどうかについては、原則年1回の外部評価を受けることで確認される仕組みになっています。しかし、それでも一人のアセッサーが「本当にその人の能力をきちんと見られるのか」「能力に偏りができてしまうのではないか」を判断し、パワーハラスメントが起きる可能性も考慮しながら従事者が不利にならないよう工夫することが必要です。

介護技術については、例えば以下のように具体的なチェック項目が決められています。

「教える」技術を身につける

この制度で大切なことは、「自分がわかる、できる」能力と「人に教える」能力が違うという点です。アセッサーの研修は座学だけでなく、グループワークや模擬評価などが行われることになっています。介護者がエントリーレベルからLEVEL2に上がるためには、その人に合った小さい課題を設定し、その課題をクリアするために助言あるいは見守ることが大切です。

「人を評価して教え、その人のレベルアップをはかる」職業として、教師があります。そのため、アセッサーも例えば「教育心理学」など、教師になる課程で学ぶことに触れてみるのも参考になるかもしれません。

評価するだけでは終わらない

介護分野は研修が多く、それだけプロとしての高い能力が求められています。この制度で必須要件とも言える大事なポイントは、「段位があがると賃金があがる」ということです。

段位が上がるにつれて昇給がなければ、なかなか「レベルアップしよう」というモチベーションには繋がりません。

アセッサーは難しい業務を担いますが、それに対する手当は今のところ国レベルでは定められていません。全国で通用する資格とされているにも関わらず、具体的なレベル毎の賃金体系については各自治体に任されているのです。段位取得に対する報酬は自治体によって違いますが、例えば東京都では、段位に応じて2万円を賃金アップさせることとしています。

報酬が低いとされる介護職ですが、「頑張れば昇給できる」となれば職員のモチベーションは上がることでしょう。今後は各自治体で、介護職の報酬、そしてプロとしての社会的評価が向上するための方法を考えてほしいものです。

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