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ケアマネージャーの更新研修は役に立つのか?

2015-09-04

ケアマネージャーは5年毎に資格を更新し、その際には5日間の研修を受けることになっています。人の人生そのものに関わる重要な仕事ですから、継続的なスキルアップはとても大切なことです。しかし実際、更新研修はケアマネージャーにとって本当に役に立つものなのでしょうか。実際の声を聞いてみると「基礎的な内容だが、これまでの業務を振り返れた」などの評価がある半面、「なぜ同じような講義を聞かなければならないのか」「時間と費用を捻出して研修へ参加しているのに無駄なことをしている」と感じている人も多いようです。今回は現在の更新研修について、ケアマネージャーのスキルアップに役に立つものなのかを考察していきます。

ステップアップしたい更新研修

ケアマネージャーは仕事を始めてから5年間、多くの高齢者のプランを作っています。しかし、それが本当に本人に合っているものなのか、日々の業務で悩むことは多いはず。「高齢者にとって必要なこと」を、どれだけプランに反映できたか。それを客観的に見て改善するのは、大切なことです。そのため、ケアプランを作るための実習は研修のメインといって良いでしょう。しかしこの実習にこそ、初任者研修で行ったものとほとんど変わらないのではという疑問を感じます。

研修は受講生が自分で対象者を探し、そのニーズをとらえてプランを作ってくるというものです。実プランをつくる前には大切なポイントがあり、それが「高齢者や家族からどのように話を聞き、何を問題としてとらえたのか。」ということ。この部分を他の受講生は知らないため、以下のような点について検討することができません。

自分とどのように違うのか、あるいは収集した情報は適切だったのか。また、さらに調べるべきことがないかを確認し、見直すといったやり方もあるように思えます。

基礎資格を活かす

ケアマネージャーという資格は、幅広い基礎資格をもっている人が受験するという特徴があります。そのためプランを作る際には、基礎資格独自の視点が出ることがあるでしょう。しかしこれは、プラスの要素としてとらえることもできます。

異なる基礎資格を持つ者がお互いの知識・技能を共有し合うことができれば、スキルのばらつきがなくなります。また、1人1人がより高い技術を身につけることに繋がるのではないでしょうか。

チームケアを考える

ケアマネージャーの仕事は、高度な知識とスキルを持つ専門家を、高齢者の生活をより良くするためにコーディネートしていくことにあります。これこそ、ケアマネージャーの業務においてもっとも難しいことの一つです。

他職種と協働する難しさは、恐らく多くのケアマネージャーが感じていることでしょう。どこまでが自分の業務なのか、あるいはどの機関に依頼すれば良いのかと迷うことが多いはずです。それならば、例えば各関係機関から「ケアマネージャーの仕事をどう思っているのか」「ケアマネージャーに何をしてほしいのか」ということを聞いて資料化し、それを見ながら更新研修で事例研究を行うというのも良いのではと思います。

ベテランケアマネージャーは指導力を、新任ケアマネージャーは実務能力を伸ばすためにペアを組み、研鑽を積んでいく。そんな「地域同行型研修」案が実際に提案されており、今年度から各自治体の任意という形でスタートしています。

基本技能をもった人が勉強してケアマネージャーになり、さらに5年間働いている人たちが更新研修で集まる。5年目のケアマネージャーが研修を終えて「良いことを学べた」「また次の5年間を頑張ってやっていこう」と思えるよう、高いスキルや技能を身につけられる内容になっていくことを期待します。

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