在宅医療・介護の促進における特定看護師導入の利点とは

2015-11-27

2015年10月から、特定行為看護師の制度がはじまりました。これは、研修を受けた特定行為看護師が手順書に従い、自身の判断でいくつかの医療行為を行えるという制度です。特に、医療看護・介護を受けている高齢者へ対応できるよう考えられました。ではいったい、そのような点で在宅医療・介護に利点をもたらすのでしょうか。

特定行為看護師とは

自宅で最期を迎えたいという人が増えてきました。それに応えるためには、医療や介護のきめ細かいケアが必要になります。

これまで看護師の日常的ケアにおける医療行為は、医者の指示を受けたうえで行われていました。しかし今回の制度は、それら医療行為のうち21種類の特定行為を診療の補助として指定。これを、研修を受けた「特定行為看護師」が、自身の判断で行います。尚、この中から医師が患者の病状から起こりうるケアを想定し、特定行為看護師が行う処置を指定するものを「手順書」と呼びます。

在宅高齢者が望むこと

この制度における問題は、「医療事故が起きたとき誰が責任をとるのか」という点に尽きるでしょう。21種類の特定行為にも、医師がやるべきだと言われているものがあります。

特定行為看護師は、医師が忙しいから看護師が代わりに医療行為を行うというミニ医者になってしまうのか。それとも、在宅高齢者の不快な容態に、すぐ対応できる制度になるのか。これによって、制度のメリットとデメリットが分かれると思います。

在宅高齢者が望むことは、「今困っていること、苦しいことから解放してくれること」です。それを適切に行ってくれるのであれば、肩書は関係ないといってよいと思われます。この制度を論じるうえでは、これが一番大切なことだと頭に入れておくべきでしょう。

本人と家族へのケアが必要

医者に対する患者の不満には、「すぐ診てくれない」「家族や関係者の生活を無視して、いきなりカンファレンスのために呼びつける」などがあげられます。もちろん、カンファレンスは忙しい中を縫って行うため、仕方ないこともあるでしょう。しかし、いきなりカンファレンスが生活に飛び込んでくる印象も受けます。

そしてこれは、病気の予後や退院後の生活をどうするかなど、本人にとって大切な部分を急に言われることが多いようです。例えば、いきなり「治療は終わったので、退院してください」と言われても、患者や家族は困惑するだけでしょう。高度な医療的ケアが不要になっても、いきなり元気になるわけではありません。そのため、退院後の生活をどうするのか、カンファレンスで対応を考える必要があります。

病棟にいる専門職の人数は、医者より看護師の方が多いのが通常です。そのため、特定行為看護師にカンファレンスができるならば、在宅療養のために関係者が集まる時間をつくりやすくなります。

尚、高齢者の在宅医療では、MSWや看護師、介護福祉士、ケアマネージャー、場合によってはPTやOTなどが一緒に「これからの生活を考える」ことが必要です。特定行為看護師は、入院中の患者の一日の様子をよく知っています。その助言に合わせて、ケアマネージャーと共に必要なサービスを具体的に検討できれば、退院したその日から安心して在宅生活を送ることができるのではないでしょうか。

これからどのように機能するのが望ましい?

では、この制度がどのように機能すれば、より在宅医療・介護が促進されるのか。例えば特定行為看護師は、高齢者の普段の様子や特定行為前後の様子など、「在宅で起きていること」を医師に共有。医師がそれを参考に手順書を改善していくというラインができれば良いと思います。

「特定行為看護師にはこのくらいのスキルが必要だ」など、医師側が感じていることを研修に反映していくのも良いでしょう。「生活者を支える視点」を持ちながら医学を学んだ看護師が、より活躍できるようにうまく機能してほしいものです。

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