在宅介護と口腔ケア

2015-12-25

最近、口腔が汚いことが原因で、肺炎になりやすいことが指摘され話題になっています。口腔ケアと言えば、「虫歯」や「歯石除去」などが思いつくでしょう。しかし適切な口腔ケアを行えば、身体の不調を改善することができるようです。

介護分野での口腔ケアの大切さ

2012年の診療報酬改定では「在宅歯科医療の推進」が大きな柱となりました。歯科訪問診療料の対象者を増やし、歯科訪問診療料の点数をアップ。そのうえ、歯科訪問診療補助加算の新設や急性歯科疾患対応加算の見直しにより、これまで以上に評価されることになったのです。また、「口腔衛生管理体制加算」というものもあり、一定の条件によって「30単位/月」が加算されます。

介護の現場では、どうしても入浴や排せつ介助などが優先されてしまいます。そのため、口腔ケアをあまり丁寧に行えていないのが現状です。特に嚥下障害がある高齢者は、歯磨きした際のうがいができません。そのため、口腔をきれいに保てている方は少ないでしょう。

しかし口腔ケアについては、「口の中にある残滓を除去し、きれいにする方法がわからない」という技術的な問題があります。また、入れ歯が合わずつけられない、あるいは口臭が強いなど、気になることは多いようです。

かかりつけ医と歯科医の連携

歯周病が、さまざまな病気を誘発することがわかっています。つまり、「口腔をきれいにしない→歯周病→菌が増殖→体内に入り込んで病気にかかりやすい」ということ。心筋梗塞などの動脈硬化性疾患や感染性心内膜炎、呼吸器疾患などの誘因になるのではないかとも言われているのです。

また、糖尿病の方は、歯の治療を行う際に注意しなければならないことが多くあります。そのため、かかりつけ医と口腔ケアを行う医師とが、互いに連携できるよう調整する必要があるでしょう。出血の可能性がある治療の際は、服薬の調節が難しく、術前後の体調に注意する必要があります。実際に私もこの調整を取りながら、改めて口腔ケアの難しさ、大切さを実感しました。

QOLの向上

歯数が多くよく噛めている高齢者ほど健康で、総医療費が低いという調査結果が報告されているそうです。このことからも、口腔ケアの重要性が伺えます。

口腔ケアには歯や歯茎だけでなく、嚥下や咀嚼機能を改善できるように唾液腺マッサージ、舌・咽頭の筋力トレー二ングなどがあります。また、自分の歯で物をよく噛んで食べることは、脳に刺激を与え認知症の予防にも繋がるでしょう。さらに、よく噛んで唾液を出して飲み込むことで、胃腸の働きを助け、消化するときの身体への負担を軽減できます。

美味しいものを、家族や仲間と一緒に食べる。これは、誰にとっても日々の楽しみの一つです。食事する際に残滓が残って汚かったり、口臭が強かったりすれば、同席者を不快にしてしまうかもしれません。いつも歯をきれいにしていれば、交際範囲も広がっていくのではないでしょうか。

口腔ケアは、一か月で4回までプランに入れることができます。口のみならず全身の状態を改善できるなら、ぜひ取り入れておきたいものですね。

しかし口腔ケアに用いる治療用の機器は、一般家庭の部屋に入るのでしょうか。訪問歯科で外来と同じように治療できるのか否かは、やはり懸念が残ります。日常的に家庭や施設で行う口腔ケアの技術をアドバイスしてもらいながら、月に何回か診療に組み込む。そのようなイメージになるのかもしれません。また、介護用品などの情報も集め、提供することが必要でしょう。在宅高齢者のQOLを向上させるために、この口腔ケアを上手く在宅介護にも取り入れていきたいものです。

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