孤立した男性高齢者の住まいと支援

2016-03-18

最近問題になっている「孤独死」。近所の人が異変を感じ通報するまで、誰にも亡くなったことを知ってもらえない。「家族に囲まれて、眠るように息を引き取るのが理想」と思う人たちにとって、これは本当に恐ろしいことです。では、どうすれば孤独死を防げるのでしょうか。

男性に多い孤独死の背景

圧倒的に多いのが男性の孤独死。これは、近所付き合いがなかったことが大きな理由のようです。女性ならば近隣との付き合いから、「ここ数日、〇〇さんを見ない」などのシチュエーションで、死後すぐに発見されることが少なくありません。しかし男性高齢者の場合、仕事優先だったため定年後にインフォーマルな付き合いがほとんどなく、家に閉じこもりっきりになってしまうといった方が多いのです。

もちろん、例えば進んで近所のボランティアやサークル等へ入れる、社交的な人なら問題ないでしょう。しかしこうした交流が苦手だと、「倒れても気づく人がいない」ないという事態が起きかねません。

また、孤独死は高齢者だけでなく、未婚の50歳代男性にも多いことが分かっています。これは、少し意外に思われるかもしれません。不景気によるリストラなど、社会は大変な勢いで変化しています。これまでの経験や社会的地位が一切通用せず、会社の雇用機会は限りなく「ゼロ」に。すると、社会生活が送れなくなった50歳代男性の生活は、あっという間に社会から孤立していくでしょう。たとえ病気になっても病院に行かず、独りで亡くなり、気づいてもらえないのです。

一人暮らしを続けられる条件

一人暮らしを続けるためには、家族、あるいは近所に友人がいることが大切です。中には、妻が生前に築いてきた近所の知り合いが引き続き見てくれる、インフォーマルな援助を受けられる人もいます。

こうした人たちに介護保険サービスを勧められることで、一人暮らしの男性高齢者と介護保険サービスとが結びつき、そしてフォーマルな支援を受けられることになるでしょう。あるいは週に一回の施設通所によって、新しく友達ができる人もいます。

援助の際に気をつけること

一人暮らしの高齢男性に多いのが、「自分が家長である」という誇りを持っている方。つまり、次のような考えを抱いています。

「今住んでいる家は、先祖からずっと暮らしていきたもの。簡単に離れられるものではない。」

土地や家を守るという感覚。確かに、ずっとその土地に住んでいるため「責任感」のようなものがあると、たとえ介護度が重くなっても、できる限り自宅で過ごせるようなプランを立てることが必要かもしれません。

独居男性高齢者にとって有意義な活動とは

具体的に、一人暮らしの男性高齢者に対しては、さまざまな活動が行われています。保健師や管理栄養士の考案で始められた、料理教室がその一つです。

料理はその手順や段取りを考えたり、手先を動かしたりすることが認知症の予防にも繋がります。これは、参加者の現病歴を確認したうえで、食生活の見直しも可能です。また、みんなでワイワイ作って食べることは、お互いが親しくなるために効果的な活動といえるでしょう。

鍵の問題

最近、ほとんどのマンションはオートロック方式を採用しています。そのため、マンションの中に入ることは難しいことが多いでしょう。本人が元気なら開けてくれますが、異変があって開けられないときどうするのか。同じマンション内に鍵を開けてくれる協力者を募ることはできても、常にいてくれるわけではありません。

個々の家のドアを開けるためには、窓の柵に暗証番号で開けられる金庫をつけ、その中に鍵を入れておくといった家族が多いようです。また、警備会社が一人暮らしの家庭の合いカギを預かり、必要なときに鍵をもらって開けに行くという方法も考えられています。

高齢者のお金を狙うといった事件が、昨今跡を絶ちません。一人暮らししている家へいつでも協力者が入れるようにしてしまえば、犯罪にも遭いやすくなってしまうでしょう。防犯と支援とが両立できるような方法を、これからも考えていかなければならないと感じます。

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