若者による介護

2017-08-17

家族間の介護といえば、夫婦や親子という認識が多いでしょう。ところが「祖父母」の世話をするために、学校生活や進路に影響がでている「若者ケアラー」がいるそうです。今回はその実態と対策について考察していきます。

若者ケアラーという存在

介護における「若者ケアラー」は、まだあまり知られていないことでしょう。しかし障がいや病気、依存症などのある親や高齢の祖父母、介護に追われる親に代わり、兄弟姉妹のため家事や家族の世話をしている若者は、考えてみると意外に多いのかもしれません。

訪問したとき、孫がとても甲斐甲斐しく動いているのを見ると、ときに微笑ましく感じます。しかし、子どもがあまりに多くの責任を担っていないかは、ちゃんと確認することが必要です。この若者ケアラーの実態は、数字や記録としてまとめられているものではありません。しかし彼らは過超な負担を担い、ときに将来の夢を諦めることすらあるとのこと。

「学校で行われる進路相談でも話題に出にくい」

「誰かに話しても分かってもらえないのでは」

そんな思いもあるようです。ではいったい、どうすればこういうケースを見つけ、支援することができるでしょうか。

若者ケアラーが抱える悩みと負担

子どもの頃から祖父母の世話を手伝い、両親の負担を軽減させた“いい子”。でも、彼・彼女たち自身は、その状況をどのように感じているのでしょうか。

小さい頃から祖父母に可愛がってもらっていたのが、あるときから「手助け」「介護」をやってあげなくてはならなくなった。年をとっていくにつれて、手がかかるようになる。あるいは介護で手がかかり、学校に遅刻することもあるなど。それでも、やはり介護を続けなければいけない状況にある若者ケアラー。しかし周囲に高齢の身内を世話している友だちがいないため、相談相手がおらず、孤独を感じることが多いそうです。

「友人にわかってもらえない」

「一緒に遊びにいけない」

「話が合わない」

若者ケアラーはインターネットに慣れているので、支援してくれるサイトを見つけて情報共有したり、実際に会ったりしています。それでも、中学生の子どもが大人と変わらないような負担を担っていることに、なんら変わりはありません。はたして、これは稀なケースなのでしょうか。

ひとり親家庭が増えて、片親だけでは介護しきれず「手伝っている」子。そして、今後は「生活習慣病からくる症状でまだ若いうちに親の介護が必要になる」ことも増えてくるかもしれません。こうした背景から、まだまだ若者ケアラーは増える可能性があるでしょう。

若者ケアラーを支えるには

それでは、若者ケアラーを発見して支援していくために、連携していかなければならない機関はどこでしょうか。

例えば病院はまだ若い親の介護が必要になったとき、退院後に誰が見るのかを丁寧に聞いて情報提供すると良いでしょう。何か制度を使うのであれば、担い手の若者ケアラーについても情報を伝えたいものです。また、学校の教師とも連携し、遅刻や欠席が増えたという情報を福祉事務所に連絡したいところ。介護が厳しくなったのかもしれない、という可能性が見えてきます。

あるいは糖尿病性神経障がい、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症、脳血管疾患なら、65歳より前に介護保険が使えます。そういうことなら、ケアマネジャーが関係機関との連携の核になるでしょう。

介護のために学業や職を諦めている若者が多いということも、留意しなければなりません。30代・40代無職の男性が、家庭内で事件を起こすようなニュースも聞くようになりました。この場合、「30代・40代無職=ニート、だらしない」などと見られてしまいがちです。しかし若者ケアラーの存在をもっと世間にしってもらい、ニュースに「若くして病気で介護が必要で就職が難しい」ということも加えて欲しいと思います。偏見や誤解で世間からたたかれるのは、あまりに気の毒です。

プランを作成する際に、意識せず「デイサービスへの送り迎えは孫」としていないでしょうか。「孫」の実情や本音、悩みが聞けるように心がけていきたいものです。祖父母の死で介護メインの日々が終わったとき、何か「得るもの」があるように。周囲の理解、相談したり愚痴ったりできる場所、就職活動する際に介護に費やした年月をプラスに見るような視点・制度が作っていければと思います。

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