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どこまでできる?高齢者の旅行

2018-05-17

年をとるに連れ、親に「やってあげればよかった」と思うことの一つに「一緒に旅行へ行くこと」という方は多いのではないでしょうか。今回は要介護でも行ける旅行など、どのようにすれば望みを叶えられるのかを考えていきます。

利用者から遠出や旅行の要望が出たら?

お花見や買い物など、個人の楽しみのための外出は介護保険では提供できません。しかし多くの通所介護事業所では、年中行事の一つとして外出レクが行われています。1週間のうち、通所サービスを一度も入れていないケアプランを組むことは少ないはず。そのため、年に数回外出しているという方は多いのではないでしょうか。

外出レクを計画するうえで、利用者から、「ふるさとのご先祖様の墓参りにいきたい」、「一度行ってみたかった国がある」なんていう要望が出たら、どうでしょう。利用者はそれぞれに希望があるものです。

旅行へ行くことが自立への第一歩になることも

例えば、

私は介護の仕事を始める前から、透析を受けていても行ける海外旅行というものが気になっていました。その旅行では、渡航先の国で透析を受ければよいということで、行き先は医療設備が整っている国や都市に限定されますが、これは目からうろこでした。私自身、「母を連れて行きたかったな」と思っています。

介護、介助の専門家や資格を持った職員が旅行の計画や手配を行い、行き先で在宅酸素療法(酸素ボンベ・酸素濃縮機など)の手配を行なえば旅行に行けるところもあるそうです。あるいは往復の交通機関や行き先の医療事情によって、車椅子で海外旅行が可能なことも。外出に対して消極的になっていた方でも、憧れの場所や思い出の場所、大切な人がいる場所へ行くことが可能になります。

これで、諦めていた夢が叶ったという方もいるでしょう。また、「旅に出たいからもっと元気に生きていこう」と、意欲を蘇らせることもあるはず。自立に向けた目標として、かなり強固なものになるのではないでしょうか。

入念な準備が成功を左右する

看護師や介護福祉士が在籍する、要介護者を専門にした旅行業者もあります。実際に資料を見てみましたが、そこから読み取った事前準備などについて考えてみましょう。

<もし、事故があったら?>

慣れない場所で怪我をしたり病気になったりすることが、やはり一番の問題となるでしょう。家族からすれば、何かあったら迎えに行かなければならないなど、考えてもみなかった事態が起きることもあります。最悪の場合、旅行先で亡くなるという事態にもなりかねません。そのため、かかりつけ医や旅行業者、家族ともよく話し合って万が一のための委任状を取っておくことも必要です。

また、常備薬が入国審査で引っかかってしまうこともあります。薬の内容と、かかりつけ医から現在の身体状態や病状を英文で書いてあるものを持参することが必要と言えるでしょう。

<関係機関との連携が必要>

「家族、医師、ケアマネジャーの承諾を得ている」ことを旅行の条件にしている業者も少なくありません。もし本人に旅行に行きたいという意向があるのであれば、ぜひ、前向きに協力したいものです。もしものことがあれば、四者で責任のなすりつけ合いにもなりかねません。そのため、介護保険外とはいえ法整備ができればいいなと思います。

そのほか、家から空港、空港や飛行機内での乗務員、渡航先での移動手段や医療体制など、協力が必要な関係機関はたくさんあるでしょう。おもに旅行業者が手配するのが一般的ですが、ケアマネジャーも本人の様子をしっかり伝え、不便や危険がないように連携していきたいですね。

まとめ

旅行で元気を取り戻したり、それまで表情がなかった人が笑顔で「また行きたい」と言ったり。あるいは、それによってリハビリに力が入るなど、実現することによって良い影響がたくさんあることでしょう。調整が多く手間がかかることかもしれませんが、そのような機会が巡ってくることがあれば、チャレンジしてみても良いかもしれません。

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