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適切な口腔ケアで老後の生活をイキイキと

2015-06-19

最近は色々な方面から健康寿命を伸ばす研究が行われており、「口腔ケア」もそのひとつです。朝晩の歯磨きが、元気な老後につながります。また、生活にメリハリをつけるという意味でも効果が期待でき、介護現場でも食後には歯を磨くことを利用者に勧めましょう。

口腔ケアの大切さを理解してもらう

近年、歯を含め口腔内の健康が体全体の健康に大きく関わっていることがわかってきました。また、歯を失う一番の原因が虫歯ではなく、歯周病であるという報告もなされています。

それにも関わらず、口腔ケアは継続した取り組みが必要なこともあり、健康に見える人ほど簡単にすませてしまうケースが多いようです。

在宅や施設で介護を受けている高齢者は、少なくても朝食と夕食のあとには歯を磨いている、もしくは磨いてもらっていると思います。しかし、自立して暮らしている高齢の方は、自分で気をつける必要があるでしょう。

デイサービスや自立を支援する何らかの機会を利用して、歯磨きを含む口腔ケアの大切さを伝え、理解して頂き、実行してもらえるようにすることが大切です。

放っておくと危険!歯周病のサインを見落とさないで

歯周病にはいくつかのサインがあります。その中でも、自覚症状としてわかるのは次のようなものです。

これらを感じたら、歯科医院を受診する必要があると言えるでしょう。自分でその症状を訴えることのできる高齢者ならば、早期に治療を始めることができます。

しかしそうでない人は手遅れになってしまい、その結果、歯を失うということになってしまうのです。

また、歯周病の怖いところは、動脈硬化や誤嚥性肺炎の遠因となることです。炎症を起こしている歯肉から歯周病菌が血液中に入ることにより、その毒素が動脈硬化を引き起こします。あるいは、歯周病菌を含む口腔内の細菌が誤嚥で肺に入ることによって、肺炎を発症させるのです。

高齢者の死亡原因では、この肺炎が上位を占めます。そのことを高齢者に理解して頂くことも、歯周病の予防には大事なことと言えるでしょう。

歯周病を予防するために

毎食後および就寝前の歯磨きは、生活のリズムを保つうえでもぜひやっていただきたいことです。

しかし、在宅介護などでは必ずしも毎食後に歯磨きができない場合もあるでしょう。その際は、少なくても夕食後か就寝前に歯を磨くことで、口腔内を清潔に保つことを心がけてください。

それによって、万が一寝ている間に自分の唾液でむせても、肺炎発症の危険を減らすことができます。また、歯磨きの際には歯間ブラシや糸ようじを使うとさらに効果的です。

総入れ歯の方でも、もちろん口腔ケアは必要です。歯が無いからといって、細菌が存在しないわけではありません。口をすすいだり、舌用のブラシで舌を清潔に保ったりするようにしましょう。

なお、麻痺のある方の場合は麻痺側に食べ物の残りなどがあると、そこから歯周病になりやすくなります。そのため、介護者がチェックしたうえでブラッシングするか、希釈したヨウ素液を含ませたガーゼで拭くなどすると良いでしょう。

生活習慣を見直して口腔内を元気に

歯周病には、喫煙や不規則な生活、偏った食生活、ストレスなどが大きくかかわっていると言われています。ニコチンによって血行不良になった歯肉は歯周病を発症しやすいうえ、免疫機能まで低下させてしまうのです。

また、甘い物や軟らかい物が多い食事は、歯周病菌の増加と歯への付着を促す結果につながります。

今一度、生活習慣を見直し、改善できるところがないかチェックしてみましょう。そうした啓発活動も、口腔ケアでは大事なことです。

口腔ケアで元気な老後を

歯周病に気をつけて口腔内の健康を維持することが、日々の暮らしを生き生きと送ることにつながります。なぜなら、いつまでも自分の歯で噛んで食事を美味しく食べることができ、他人に不快な思いをさせずに会話ができることは、自分の殻に閉じこもることなく生活することに繋がるからです。

健康寿命を伸ばし、可能な限り自立した生活を送ること。そのためには歯周病を放置せず、適切な口腔ケアをすることが大切であるということを認識しましょう。

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