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高齢者が気づきにくい熱中症を予防するには

2015-07-31

暑い夏場は、介護現場にとっても注意が必要な季節です。扇風機やクーラーの適度な利用や水分補給、暑い時に身体のどこを冷やせばよいかなど、熱中症対策は欠かせません。しかしそれだけでなく、夏の暑さを乗り切るためには、食材や料理などの工夫も大切です。

高齢者の熱中症に注意

毎年6月後半から9月中旬頃までは熱中症への注意が大切な時期です。特に高齢者は自分の体調の変化に気づきにくかったり、色々な面でつい我慢してしまったりするため、症状が重篤化するまで事態の深刻さを軽く考えてしまいがちです。

まずは熱中症が発症する仕組みや、どのような症状が見られるのかを理解しておきましょう。そして、効率的に体温上昇を抑えるための方法や手軽な対策グッズ、夏の暑さをしのぐためにおすすめしたい食材やその調理法について覚えましょう。

熱中症はどのようにして起こるのか

熱中症は高齢者にとって夏場の死亡原因の中で高い割合を占める症状です。熱中症になる条件としては「環境」「体の状態」「行動」が挙げられます。

第一に「環境」要因には、気温の高さや湿度の高さ、風がない、もしくは弱いなどがあります。

第二に「体の状態」要因は、高齢者の場合、発汗機能の衰えにより、汗で体を冷やせないことがあります。さらに、何らかの慢性疾患を抱えている場合が多いため、危険度が他より高いといえるでしょう。当然、介護の現場でも水分補給や栄養状態、健康状態に細心の注意を払う必要があります。

最後に「行動」要因では、長時間の屋外作業やトイレに行くことを面倒に感じるといった理由から、必要な水分補給ができていない場合があります。

以上のようなことから、体温が上昇すると汗や皮膚温度による体の調整機能のバランスが崩れてしまいます。すると、体に溜まった熱が放出されず、熱中症になってしまうというのです。

熱中症の症状と対応策

熱中症の初期症状にはめまいやふらつきなどがあります。しかし、高齢者は普段からこのような症状のある人が少なくないため、熱中症だと気づかないケースがあるのです。そのため、水分補給や体温を下げるといった対応をせず、結果的に意識がなくなり、重大な結果に繋がってしまいます。そこで、次のような熱中症予防を心がけてみてください。

風が直接体に当たるのがイヤという高齢者は少なくないようです。そういう時は部屋の空気が循環するよう、扇風機を天井に向けて設置しましょう。窓を開ける時はカーテンやすだれなどで直射日光を遮ってください。

クーラーは冷風ではなく、送風機能を使うのがおすすめです。そうすれば、身体の冷やし過ぎの心配はなくなります。

風以外で体温を下げる方法は、例えば首筋やわき下、そけい部(足の付け根)の動脈を冷やすことです。その際に便利なのが、ケーキなどを買ったときに入れてくれる保冷剤です。保冷剤をガーゼなどで包んで首に巻いたり、わきの下に挟んだまま横になって休んだりすることもできます。

また、水分と同時に塩分も補給するために、塩飴や梅干しを常備するのも良いでしょう。散歩の後は、牛乳やスポーツドリンクを飲むように促すのもおすすめです。

体がだるい、食欲がないと感じたら、トマトやきゅうり、なす、スイカなど、水分の多い夏野菜で体の中から冷やしつつ、タンパク質を摂りましょう。

ただし、トマトは生のままでは食べにくいという方も多いようです。ゼリーやスープにしたり、ソースを作って魚や肉、他の野菜を一緒に煮込んだりすることで、食材に含まれる栄養を残さず摂ることができます。また、そうめんや冷麦などに添えて一緒に食べるという方法もあります。

高齢になると、少し体の調子が悪くても「いつものことだ」と自己診断してしまいがちです。特に症状が急速に悪化しがちな高齢者は、「熱中症かも?」と思ったらすぐに病院を受診することが大切です。

介助者も含めて周囲の人が気温や湿度に気を配り、その時の体調も踏まえながら、熱中症への注意を促しましょう。

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