在宅介護…家に潜む危険

2015-12-04

一人暮らしにしろ、家族と同居しているにしろ。支援や介護を受けて生活している高齢者にとって、自宅は何より安全安心な場所のはず。しかし気をつけて見てみると、家には様々な危険が潜んでいることに気づきます。

家はいつまでも安全な場所ではない

高齢者にとって自分の家というものは、他に比べようがない場所です。「できれば最後の最後まで自宅で生活したい」という願いを、何よりも大きく考えている高齢者は少なくないでしょう。一人きりでも、あるいは家族と暮らしているのならなおさら、その思いは強いはずです。

しかし年齢を重ねるにつれ、体のさまざまな機能が確実に衰えていきます。それによって、長年にわたり何気なく暮らしてきた家が、安全な場所ではなくなることがあるのです。家の所々に潜む、高齢者にとって危険なポイント。それらを再確認することが、在宅介護の際、役に立つかもしれません。

玄関や部屋の入口のちょっとした段差

最近は公的補助などもあって、バリアフリーに改築する人も増えています。しかし、やはり結構な金銭的負担を強いられることになりがちでしょう。「家の中の段差を何とかしたい」と思っていても、すべての段差を無くすのはなかなか実現が困難といえそうです。

高齢になると、たとえほんの1cmの高さでも、躓いて転倒に繋がると言われています。玄関や各部屋の入口はもちろん、床に敷いた絨毯などがほんの少しめくれていたり、逆にフローリングに何も敷かれていなくて滑ったりするなど、足元には危険がいっぱいあるのです。

また、家の中でも杖が手放せない高齢者は、特に注意が必要です。段差や床に置いてある物や敷いてある物のほか、杖の形状によっても危険が生じます。杖には1本杖をはじめ、先が複数に分かれているものがあります。先が分かれているものは、それだけ安定して体を支えてくれることが大きなメリットです。しかし、周りにある物が障害物になりやすいという点には、くれぐれも気をつけなければなりません。

身のまわりに無造作に置いてある物

性格にもよりますが、座って手の届く範囲にいろいろな物を置く人がいます。高齢になればなるほど、それが高じていく傾向にあるようです。そのため、下手をすると食べ物まで置いてあることが。賞味期限が切れてしばらく経っていたり、見るからに傷んでいたりする物もあるかもしれません。それを気付かず口にした場合、食中毒や病気の原因にもなりかねないでしょう。また、果物ナイフや爪切りといった刃物が、放置されていることも少なくないのです。

冬の寒い時期はヒートショックも注意

新しい家ならば、家中いたる場所が暖かい造りになっているでしょう。しかし、築何十年といった家はそういうわけにはいきません。在宅介護の現場では、リビングとトイレ・脱衣所を含む浴室廻りで、大きな温度差がある家も少なくないのです。

そのため入浴介助の際には、あらかじめ温度差を少なくすることで、体にかかる負担を軽減する必要があります。夏場の熱中症と同様に、命にかかわる事態を招きかねません。

火の元に注意

ガスコンロを使用している家で高齢者が調理する際は、衣服への火の燃え移りが懸念されます。「自分で何でもできる」と思っている人も多く見られますが、鍋を火にかけたまま忘れて火事になりかけたり、袖口に火がついて火傷を負ったりと、危うく重大事故になりかけたという事例は数多く報告されています。

また、仏壇の線香やロウソクが原因の火事も、高齢者が住んでいる家には多いと言われています。介護者が常に見守っていられれば良いのですが、必ずしもそういうわけにはいかないのが現実です。そうした状況には、介護する側にも葛藤が生まれます。

少し考えただけでも、家の中には結構な数の危険が隠れています。人間誰しも年を重ねることで、体の機能はもちろん、認知機能も確実に衰えていくもの。ときどき家の中を見回して、「どんなことが高齢者の危険になりうるか」を考えてみてください。安全に暮らせるよう環境に配慮することも、介護者の大切な役目と言えるのではないでしょうか。

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