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介護職の離職を防ぐには、体力的負担と賃金の改善だけでいい?

2016-01-15

これほどまでに高齢化が進み、介護を必要とする人が増えているにもかかわらず、介護職はいつも人手不足。介護職に携わる仲間達は、少なからず体力的負担と仕事の割に、待遇が良くないという気持ちを持って働いている人が多いようです。では、それらが軽減されれば、離職を防ぐことができるのでしょうか。

社会的地位が低くみられている

ヘルパーとして働いていた際、全員ではないにしろ、利用者の方がヘルパーを「使い勝手の良い便利屋さん」くらいにしか思っていないのではと感じたことがあります。状況はだいぶ良くはなってきたようですが、今でも「この程度のこともしてくれないの?」というような言葉を投げかけられると、ヘルパーの友人が嘆いていました。

また施設介護の現場では、利用者本人ではなく家族の方の言動に、見下しているような感じが垣間見えることがあると聞きます。

「看護師さんの言うことなら“はいはい”と聞くのに、ケアマネージャーなどではない一般職員の話には耳も貸さない。」

こうした雰囲気を感じたことのある方は、恐らく多いのではないでしょうか。それどころか、なぜか「あの職員は乱暴だ」と言われたり、「何の資格持っているの?」と聞かれたりすることさえあるようです。

待遇の面でも決して十分とはいえないうえ、体力的にも精神的にもキツイといわれる介護職。さらに親身になって介護しているにもかかわらず、先に述べたようなことがあると、「報われないな」とため息をついてしまうのも当然でしょう。それが積もり積もって、結果的に離職へと繋がってしまうケースは少なくないはずです。

相変わらずの重労働と好転しない待遇

介護度によって、介護職の体力的負担は当然ながら変わってきます。特に入浴介助や排泄介助などの負担は重く、腰痛をはじめとした関節痛に悩む人は少なくありません。さらにそれが原因で、介護職を離れざるを得ない場合もあるでしょう。

重い腰痛を発症してしまい、仕事ができなくなって休むことは、そのまま同僚への負担に繋がります。「できれば完治したうえで仕事に復帰したい」そう思っても、なかなかそうはいかないのが実情でしょう。中にはこうしたことを理由に、退職を勧告されたという話もあります。

さらに、処遇改善を叫ばれてはいても期待したほどではない。利用者の方の笑顔を見ると後ろ髪を引かれるものの、やはり背に腹は代えられないでしょう。

介護ロボットの導入と給料アップで介護離職は減るか?

介護職の体力的負担を軽減すべく、研究開発が続けられている介護ロボット。そう遠くない将来、現場にも導入されるでしょう。また、今よりさらに介護を必要とする高齢者が増えるのに、介護離職に歯止めがかからなければ、介護保険制度にとって致命的な打撃になることは明白です。それを食い止めるためにも、多少の給料アップは予測できます。

しかし、それらの問題がある程度改善されるだけで、本当に介護離職は減るのでしょうか? 答えは恐らく「No」でしょう。なぜなら、離職者が頻繁に出る職場では、人間関係に問題があるケースも少なくないからです。

特に介護職としてのキャリアの有無に関係なく、その職場もしくは先輩職員のやり方にそぐわなければ、「嫌味を言われる」「自分だけ事細かく注意される」「事あるごとにため息をつかれる」など。些細なことの積み重ねで、精神的に追い込まれることがあるからです。

誰にとっても、できることなら体力的負担が軽く、給料も含め待遇が良いに越したことはありません。それと同時に、職員同士の理不尽な摩擦がないことも、離職者を減らすうえでは大きなポイントではないでしょうか。

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