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認知症、問題行動の果てに行きつくのは?

2016-02-12

認知症は、型によって問題行動がとても顕著な場合があります。グループホームや施設に入所したのに、介護しきれない状況になって退所せざるを得なくなることも。そうなったら、それ以降はいったいどこで受け入れてくれるのでしょうか。

認知症のタイプ

認知症によって、これまでと行動が全く変わってしまい、介護困難な状況に陥る場合があります。徘徊や暴力、暴言に代表される問題行動により、施設だけでなく療養型の病院からも見放されることが少なくありません。そのため、「どうしたら良いのか分からない」と頭を抱えるご家族も多いでしょう。

認知症には、いくつかの型があります。まずは4つの分類について、再確認してみてください。

最初は記憶力の低下から始まり、少しずつ見当識障害や言語障害などの症状が出てくる型の認知症です。

脳梗塞に代表される脳血管の病気が原因となって起こり、その部位や範囲によって症状や程度に違いがみられる認知症です。例えば、理解や判断に問題はないのに、記憶力の低下が見られるなどの場合があります。

視覚認知障害、視覚構成障害が顕著なタイプの認知症です。それによる幻覚や妄想によって、暴力、暴言などの問題行動が多いと言われます。

「性格が一変する」「感情の起伏が激しい」「行動の変化が著しい」といった初期症状が見らます。罹患率は、アルツハイマー型の10%以下と低めです。

介護や看護の限界

どのタイプの認知症でも、その人の基本的な性格や不安の程度、病気の状態などから、多少の行動の変化は見られるでしょう。しかし在宅介護や施設介護にかかわらず、「とてもケアできる状況ではない」段階にまで認知症が進むことがあります。

例えば看取りまで行うことを謳っていても、たびたび施設を抜け出したり、入所者同士でトラブルを起こしたり。あるいは、介護職員や入所者に暴力を振るうようなことがあると、たとえそれが認知症に起因するものでも退所を促されることになるケースがあります。

また、認知症以外の病気があって入院している場合、治療が終わったと判断された時点で退院せざるを得ません。すると、次の行先を探す必要が生じます。しかしほとんどの場合、残念ながらすぐには見つからないのが現状です。例えば藁にもすがる思いで『お泊りデイ』に申し込む。しかし、面談時には落ち着いていたのに、いざ通い出すと他の利用者や職員を大声で怒鳴ったり、威嚇したり、暴力的な行動を取ることを理由に利用を断られる結果になるケースも見られるのです。

在宅介護あるいは精神科病棟への入院

施設での介護が受けられないと、選択肢は在宅でのケア、もしくは場合により精神科への入院が考えられます。家族にとって、これは不本意かもしれません。また、介護職にとっても「介護しきれなかった」という気持ちが残るかもしれませんが、選択肢として現実的であることは確かです。

昼夜を問わず徘徊する、あるいは家族に対しても暴言や暴力といった行為がある場合、いくら外部から介護支援を受けられたとしても、休みなく介護にあたる家族は色々な面で疲弊してしまいます。共倒れになるかもしれないギリギリの状況。そこで、もしベッドに空きがあり入院させられるなら、「精神科でも……」という場合があるのです。

問題行動が多いといわれるレビー小体型や前頭側頭変性症による認知症は、他のタイプに比べ数は多くありません。しかし問題行動そのものは、アルツハイマー型や血管性の疾病に起因する認知症でも見られます。介護者は、それによって介護が困難になることもあらかじめ想定しておく必要があるでしょう。

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