リハビリ特化医療専門集団 ゴルディロックス Vol.1

2016-01-28

ゴルディロックスは、急性期病院で活躍していた理学療法士の龍嶋裕二さんと萩原礼紀さんの二人が立ち上げた医療専門集団です。スタッフすべてが医療専門職であり、質の高いリハビリテーション、看護を提供している注目のゴルディロックス。リハビリセンターでうかがった代表2人のお話を2回にわたってご紹介します。※写真は龍嶋代表(左)と萩原代表(右)

「やりたい」を「できる」にする医療専門集団

うかがったリハビリセンターは、リハビリセンターとは思えないほどの熱気があり、利用者さんの一人、80歳代の女性はこう語ってくれました。「骨折して、もう寝たきりになるんじゃないかと思ってたの。でもね、ここに来て、先生たちと一緒に頑張ったら、ほら、もう歩けて、ほんとに嬉しくてね。家でもちゃんと先生の言うこと聞いて体操するの」と。

他の利用者さんたちも「ここにくると楽しい」「ほら、こんなに歩けるようになった」と同じように語ってくれました。これらはまさにゴルディロックスの真髄、「やりたい」が「できる」になったからこそ生まれている言葉だと、私たち編集部は感じました。

急性期病院の現実との葛藤

代表の2人が以前、理学療法士として勤めていた病院は、急性期病院で、救命救急センターを併設し、22の診療科に細分化され、重篤な救急患者、稀な症例の患者もどんどんやってくるような状況。朝8時前から来院する患者数は平均2,500名/1日、手術は数ヶ月待ち、2時間待って3分の診療など信じられないようなことが常態となっていたそうです。

超急性期病院として、より重篤な患者を受け入れるために、先に入院していた患者は、手術後、一人でトイレに行けない状態であっても転退院となります。

代表の一人である萩原さんは、「こうなると患者一人ひとりに向き合って、それぞれに最適な医療プログラムを立案、実施するということは虚しいお題目です。とにかく目の前に行列をなす患者たちを『先ず捌く』ことに注力せざるを得ません。多くの症例を見ることができ、自分たちの勉強にはなりますが、このような環境下で、患者に必要なリハビリテーションを提供し続けるのは、無理だと悟りました」と15年間勤務した急性期病院での仕事の難しさ、虚しさを語ってくれました。

もう一人の代表、龍嶋さんも、同じ現場で同じ思いを持っており、そこで2人は「じゃあ、一緒に本当にやりたいことをやろう」と病院を離れたのです。

転機となった患者の事故、病院から地域へ

病院勤務時に、萩原代表の大事な患者であった一人が、自分の身体機能の回復が思うようにならないことを思いつめ、自殺を図ったことがあったそうです。その事故に萩原代表は大変なショックを受け、いろいろとこれからのあり方を考始めたといいます。

「そういった悲惨な事故を防ぐためにも、きちんとした専門的な知識をもっている人間が、地域に出ることが必要なのではないかと思いましたね」と萩原代表。大きな契機になったと同時に、その時に思った気持ちは、今の地域での活動での原点でもあるようです。

残念ながら、理学療法士は、急性期病院では2、3週間、回復期病院でも長くて3ヶ月しか患者に関われません。機能の回復が精一杯で、生活に入り込んだリハビリテーションの提案までは、なかなかできないのが現状です。

萩原代表は、「本当のリハビリテーションは、機能が回復するだけではだめなんです。回復して散歩に行けるようになった、旅行に行けるようになった、そして生活が豊かになったというところまで介入できなければ、全人的アプローチとは言えないと思うんです」と話してくれました。

代表たちは、地域に出ることによって、患者とより直接的に、長い時間、深く関わることができ、病院では難しかった本来のリハビリテーションの立ち位置に立てるのではないかと思ったと言います。

そして勤務していた病院のある馴染みの地域に、リハビリセンターを立ち上げられました。

初月は利用者2人、3カ月後には定員満員に

今、利用者の方がたくさんいるゴルディロックスも、開業初月の利用者は70歳代の頸部骨折後の女性と、やはり同じく70歳代の人工股関節置換手術後の女性2人しか来ず、萩原代表も本当にどうしようかと思ったと笑って話されました。利用者が2人しかいなかったので、1人に3時間、4人のスタッフであたったそうです。「時間もスタッフも余っていたので、じっくりリハビリに取り組みましたよ」と萩原代表。

それが功を奏し、利用者の方2人がゴルディロックスのことをいろんなところで喋ってくれて、2カ月目には、その話を聞いて来てくれた方が10人、その人たちがまたいろいろなところで話してくれて、3カ月目には爆発的に利用者が増え、最初のリハビリセンターは定員に達したというから驚きです。質の高いリハビリテーション、サービスに利用者が魅了された証です。

龍嶋代表は、基本、ゴルディロックスは、この開業当初のこの流れのままといいます。「おかげさまで事業を拡大し続けていますが、利用者が利用者を呼んでくれて、必要に応じて事業を増やしたり、スタッフを増やしたりしてきたということです」と。

次回は、人が人を呼ぶゴルディロックスの経営指針、スタッフへの思いなどをご紹介します。

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