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介護の専門性とは何か?

2016-03-10

介護職の専門性とは、いったい何なのか? 人の生活をみていく際に必要なことは何か? 介護という仕事におけるスキルとは? チームケアを高めるには? 迷路に陥りやすいいくつかの課題について、整理してみたい。

本人の想いを尊重することが支援の基本では?

介護は生活をみる仕事であり、人の生活は多様性に溢れているので、どれが正解ということはないと思います。

支援するのであれば、支援する側の考えでサポートするのではなく、本人の想いを尊重することが大事。これは福祉を志している人であれば、誰もが心得ている部分ではないでしょうか。

自分のものさしで測ってはいけない、支援する相手の選択肢を狭める結果に

認知症やその他さまざまな病気などがあり、その人が生きていくうえで危険を伴い、本人にとってマイナス要素があれば、そこには支援者として介入する必要があります。

ただしそのときに、支援者のものさしだけで測って、「違う」や「おかしい」を言ってしまうのはまずいことだと思います。

人生の先輩より圧倒的に経験値が少ない我々が、勝手に自分の知識・経験の中だけで決定してしまってはよくない。そうしてしまうと、相手にとって選択肢が狭まり、人生がつまらないものになりかねないからです。

生活をみていくには多面的な関わりが求められ、多くのスキルが必要

介護職が専門職としてスキルを身につけていくことの重要性は今後さらに高まると思います。今後は医療依存度の高い高齢者がどんどん在宅復帰してくることがでしょう。そうすると、対応する介護職の守備範囲は広がっていかざるを得ません。

じゃあどんなスキルが必要なんだろうか? 介護知識・介護技術・医療知識・コミュニケーションスキル……挙げていったらきりがありません。

「生活」をみていく、という多面的な関わりを求められると、とても多くのスキルが必要になってくるでしょう。

現場で一番必要なスキルは、協働して問題を解決する力「人間力」

ただ、その際に、いくら知識があろうが、技術があろうが、まずは人としての土台がないと、意味がないと私は考えています。

人の土台、それは「人間力」です。相手を理解したり、仲間と一緒に成し遂げたり、問題を解決する力などがないと、いくら技術や知識があってもうまく使っていくことができないと思うのです。

現場で一番必要なスキルは、協働して問題を解決する力ではないでしょうか。

介護の現場はどこでもチームプレイが大切です。一人でできることなど、何一つありません。仲間と自分の持っている強みを使って役割分担をし、利用者やその家族の幸せに向かって前進していけるかが、重要です。

仲間のいいところをしっかり見て言葉で伝えられることがよいチームケアにつながる

仲間に対しても、相手のいいところをしっかり見れること。さらにそれを言葉で伝えることができること。

組織の中で多くの方が、これについてできていると、チームの力が非常に発揮できる環境につながっていくでしょう。

人は、どうしても自分と意見や行動の優先順位などが異なる相手に対しては、弱みや苦手なことばかりに目が行ってしまいます。

誰もが持っている苦手なことをお互いに攻め合っていても、何の価値も見いだせないと思いませんか? それよりも、自分も他人も違って当たり前、お互いのいいところを引き出し活用していくほうがチームの成長につながり、チームの力となっていくのではないでしょうか。

介護職の強みは、傾聴力

介護職という人材の強みは、他業界から見ると、相手の話を聴く力(傾聴力)が高いことであるとよく言われます。しかも、ただ話を聴くだけでなく、ちゃんと相手の顔を見て、相手が何を伝えたいのかをしっかり受け入れようとしているという部分だそうです。日々利用者さんに向き合っているからこそ勝手に身についている力なのかもしれませんね。

その力を同僚同士でも使っていくことも、自分のスキルを上げていくことにつながるのではないでしょうか。

まずは自分磨きから始めたい

今回専門職としてのスキルということをテーマにしてきましたが、個人的に言っても、まずスキルが発揮できる人間になっていく必要性があると感じています。

まずは介護職としてのスキルアップを目ざすより、できることから自分磨きをして、一人の人間としての魅力アップ(スキルアップ)に努めていくことこそ、専門職としてのスキルアップにつながるのではないでしょうか?

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