施設の組織力アップを図ろう

2016-06-24

一人ひとりは忙しく動いているのに、いまいち空回りしていたり、あるいは一部に負担が偏っていたり。人員に余裕を持てない介護施設にとっては、「少ない人材をどう生かすか」が施設運営にはなくてはならない視点です。そこで重要になってくるのが組織力。組織の力を高めることで、施設は上手く回っていきます。

自施設の現状を把握しよう

自分の施設の組織力がどの程度のものなのか、考えたことはあるでしょうか。施設の運営理念が職員一人ひとりに浸透し、各職種・役職は自分の役割を理解して協働出来ている。これは、なかなか難しいことでしょう。

実態といえば、何か起こったときにいつも同じメンバーが走り回り、周りは「あの人がやってくれる。良かった。」と手を出そうとしない。何か言われれば、「どうして他の人ではなく自分に……」などと、子供じみた不平が出てしまう。では、何故こんなことになってしまうのでしょうか。

組織力を高めるのにネックとなってしまう、不平を発する職員。これを減らし、施設としての組織力を高めることは、多くの組織にとって課題でしょう。まずは、自施設がどのような状態にあるか確認してみてください。

組織力アップの鍵は「頑張る職員さん」

「皆のため、利用者のために」と自ら大変な仕事を引き受け、サービス残業もいとわず働いてくれている職員さんはいないでしょうか。介護リーダーか生活相談員か、職種はそれぞれでしょう。しかしこうした職員こそ、責任感が強く能力の高い人材です。

「君がいるから、何とかこの施設はもっている」

「あの人がいなければこの施設は回らない」

など、運営サイドや同僚、部下からも思われている人が何人かいるでしょう。しかし実は、この「頑張る職員さん」の意識を変えないと、施設の組織力はアップしません。

組織力アップの手順

頑張らない部下は頑張る職員の姿を見て、「凄いな」と尊敬こそはあるでしょう。しかし「自分も同じようになろう」とは、残念ながらなかなか思わないもの。恐らく、「自分には無理だな」となる人がほとんどです。

自分がやらなくても回っていくのですから、失敗したときのことを思えば、よほどのことがない限り自分から動こうとはしません。これを変えるために、「頑張る職員さん」の意識を変える必要があるのです。ここで、組織力アップを図るための手順を見ていきましょう。

(1)方向性を示す

それぞれの施設では、運営理念や行動基準などが決まっていることでしょう。しかしこれを読んで、職員がすべてを理解することは難しいものです。大概は格言的な難しい文章であったり、逆にスローガンのように短い文章だったり。まずは、これを「こういったことを言っているのだ」「こんな施設を目指しているのだ」と職員一人ひとりが分かるよう、平易な解説文で示しましょう。機会があるごとに示し、自分達が向かうべき方向を具体的に周知させます。

(2)仕事を振られる土台を作る

次に(1)を実現するため、それぞれの役割を明確にします。各職種・役職ごとの役割や、その役割を超えて協働しなければならないことなど。これは個人により異なるため、人事考課が効果を発揮します。自分の立ち位置を理解し、「これからどこを目指していくのか」を自分で考える。そのうえで、運営サイドは期待値を示します。この考えと期待値とをすり合わせることで、仕事を振られても受け入れる土台(社風)を作っていってください。きっと、自分に何を期待して仕事が振られているのかが分かってくるはずです。

(3)仕事を振る・任せる

ここでつまずく組織がもっとも多いかもしれません。なぜなら、仕事を振る(任せる)ことはリスクを伴うからです。特に介護施設では、一歩間違えば命の危険に直結する事象が多くあります。そのため、任せる人や場面を間違えると大変な事態を招きかねません。レベルに合った場面で、適切な人材に任せることが必要です。そのためには人事考課をしっかり行い、職員一人ひとりがどのレベルにあるのかを正しく判断しましょう。この判断は直属の上司だけに任せるのではなく、1次評価者、2次評価者というように組織的に見ていきます。そして、職員それぞれが次のステップへ進めるよう、評価もきちんと行ってください。

(4)「頑張る職員さん」の意識を変える

(3)を実行するには、「頑張る職員さん」の仕事のやり方を変えることが必要です。それにはまず、意識を変えなければなりません。本人は利用者や施設のためにと頑張っているので、なかなか変えることが出来ないもの。(3)で挙げたように、自分が率先して動くことでリスクを回避できるので尚更です。施設としても「この人に任せておけば安心」となりがちですが、この状態は長続きしません。こういったやり方を続けていくと、必ずバーンアウトしてしまいます。これを回避するにも、人事考課が力を発揮するでしょう。

モチベーションを高められるよう、こういったことを伝えていってください。

しかし実際には、他の職員よりも回数を重ねないと、意識は変わらないでしょう。部下に仕事を振り、必要なところで確認を行うことを意識・実践させます。そして、別の新たな仕事を任せるのです。それが、「頑張る職員さん」の次なるステップとなります。すると人材が育ち、仕事のスキルが巡って組織の力が上がっていくことでしょう。

まとめ

介護職は確かに大変な仕事です。しかし、だからこそその役割や立ち位置を理解してもらい、次に進む方向を示してあげることが重要です。それがなければ、ただ日々の業務に追われ、疲れしか残らない状態に陥ってしまうことでしょう。充実感や自らの成長を感じられず、辞めていくといった悪循環が起こっています。

中心となって動いてくれている、施設にとって貴重な存在の「頑張る職員さん」を大切にしましょう。そして、その“頑張れる能力”を正しく発揮できるようにしてください。これによって限りある人材が個々の能力を最大限に発揮させ、施設としての組織力を高めていきましょう。

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