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論点を明らかにし、正しい議論の流れを把握する−介護現場に必要なノンテクニカルスキルにおける問題解決フレーム2

2016-05-04

会話の途中から、論点がどんどんずれて行方不明になってしまう。現場ではよくこういうことが起こらないだろうか? 相手の問いが何だったのか、聞く力が求められる。そこから展開される建設的な議論、正しい議論の流れを守って行うことが、問題解決には有効である。

よく起こりがちな「今何の話してたんだっけ?」

会議や申し送りなどで、「今何の話してたんだっけ?」となることはないでしょうか?

話が逸れに逸れて、全然違う場所に着地してしまう……。これは論点がずれていくことによって起こってしまう現象です。

論点とは、「意見が“答え”となるような“問い”のこと」

スタッフA「(利用者の)○○さんは、午後からの入浴を希望されてしますがどうしますか?」

こういう会話、実際に行われていないでしょうか?

論点を整理すると、

このように整理してみると、論点が少しずつずれていっているのがわかると思います。

利用者○○さんは、午前中の入浴を午後に変えてほしいという希望なので、入浴する利用者さんの総数は変わらないはずですが、会話の後半では入浴介助の人手が足りないという話になっています。

建設的な議論のためには、“問い”は何か? を聞く力が必要

もちろん、どの論点もまるで別の話というわけではないですが、建設的な議論になってはいません。

これをどのように変えていくか。そのためには、議論の順番をしっかり押さえて話を進めていくことが必要です。

まずは、「その意見の“問い”になっているものは何か?」ということを考えながら話をする(聞く)ことが大切です。

その意見の論点は何か? を念頭におくこと。つまり、「利用者○○さんの午後の入浴希望をどうするか?」です。

議論をするときに大切なのは、正しい議論の順番を守って進めていくことです。

正しい議論の流れとは、

です。この順番でなければいけません。

ですから問題の次に来る原因とは、「利用者の○○さんはなぜ午後からの入浴を希望するのか?」「午後から入浴したい理由は何か?」です。そのうえで、対策を考えましょう。

こうやって考えていくと、論点がずれることなく、議論の流れは守られますね?

議論の流れを守ると論点が明確になってくる

建設的な議論とは、具体的に言うと、どういうかたちか? 以下の会話例で示していきますので、確認してみてください。

スタッフA「(利用者の)○○さんは、午後からの入浴を希望されていますがどうしますか?(問題)」

このように、問題→原因→対策の順番をまもって議論をすることで、論点がとてもスムーズにわかりやすくなります。

問題=対策ではなく、まずは論点を把握して議論を進める

忙しい現場では、問題が起こったときに、すぐに対策を考えようとします。

考える余裕がなかなかないこともあるでしょう。しかし、論点を把握しないまま、議論の順番も無視して話し合いをしても、なかなか問題解決には至らず不毛な会議になってしまうこともあるのではないでしょうか?

この記事をきっかけに、有意義な議論ができるようになると幸いです。

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