ケアマネ実習生の受け入れを経験して〜指導する側の学びの機会でもある〜

2018-03-08

ケアマネ研修新カリキュラムが始まり、240時間程度の現場実習が課せられるようになりました。この背景には、ケアマネの研修水準が都道府県によってばらつきがあると指摘されたことがあげられます。その後研修ガイドラインが整理され、新たに現場実習が組み込まれました。当居宅においても、初年度と今年度、2回にわたり実習生を受け入れさせていただきました。今回はその経験で得たことをお伝えします。

実習生受け入れは、特定事業所加算取得要件でもある

初年度の実習生受け入れは、内容や仕組みが分からない中、特定事業所加算IIを算定しているため受け入れ事業所の登録が必然的に必要となり、受け入れへとつながりました。いざ実習生が来ると決まったときの感想は、「本当に来るのか、不安だな」でした。

県主催で受け入れ説明会が行われ、手続きや書類のやり取り、受け入れ側の指導者も事例を提出しなくてはいけないことなどを説明されました。実習生のために準備する事例は、実際に担当している利用者さんの中から選びます。当然、対象利用者様の同意書を添えることになります。

事例は事例検討シートだけではなく、ICFに基づいたアセスメントシートからケアプラン一式まで、指定された書式を全て作成・提出しなくていけません。実習生の受け入れ事業所という名目の下、自分がその資質を試されている気にさえなり、実習生が来る前から辟易してしまったのが本音です。

当居宅は法人運営の事業所です。これが個人経営であったなら、受け入れに係る手間と時間、紙代、郵送費用などを考えると気が重くなります。少しネガティブになりましたが、最初の気持ちはこのような感じでした。

いざ、受け入れ〜最初は自分もそうだった〜

気が重いと感じながら、いよいよ実習生が来る初日を迎えました。実習生と言っても、もちろん介護支援専門員試験の受験資格を持っています。ですから介護分野ではすでにベテラン。施設での介護経験も長く、ショートステイの相談員などの経験も豊富な自分より年上の実習生が来ました。それでも、実習に対する緊張感と期待感が伝わり、逆にこちらの気持ちが引き締まります。

そういえば自分も、介護支援専門員の試験に合格したくて介護の仕事をしながら猛勉強したもの。合格した時は研修に行くことができる喜びと、「自分はケアマネになるのだ」というハツラツとした思いを持って、真剣な気持ちで研修に臨んでいました。

現場実習は3日間。こなさなければならない課題が山積しています。お互いに貴重な時間、この3日間で相手が期待していること、現場に出てから少しでもためになることをできる限り多く伝えようと、恥ずかしながら実習初日にようやく気持ちが奮起したのでした。

現場実習の課題

参考までに、3日間の現場実習で行うとされている課題はおおむね以下のような内容です。

これらの課題を利用者さん(事例の対象者)やご家族とすり合わせながら実施していくためには、効率的にスケジュールを立てなければなりません。また、課題をこなしながらもメモでも良いので書き留めていくことが実習生にとっては大事なことです。そのための記録の時間を作ってあげることが重要だということを、2年の経験で得られました。

実習生受け入れで気づけた多くのこと

3日間の実習はあっという間です。その間、真摯な態度で実習に臨む実習生と関わっていくうちに、「自分が指導した実習生が他の実習生に比べて不足があったと感じたら申し訳ない」という指導側ならではの気持ちも高まりました。

ようやく指導者としてボルテージが上がってきたところで、実習生と自分の利用者さんの会話から、自分がしてきたアセスメントが不十分だということに気付くこともありました。あるいは新たな事実や想いが判明するなど、ショックを受けたこともあります。また、いまさら聞けないことを便乗して聞くこともありました。結局のところ、指導する側ではありましたが、反省点や学びがとても多かったのです。

何より集大成ともいえる課題「模擬ケアプラン作成」では、実習生に「内容、見てみてください。おかしいプランかもしれませんが作ってみました」と渡されたとき、気軽に受け取ったものの、自分のケアプランの薄っぺらさに恥ずかしくなってしまいました。その内容で一番強く感じたのは、多職種連携や社会資源の取り入れ方です。長くケアマネをやってきた自分は、あると分かっている社会資源や事業に関して、「活用しにくい」、「現実的にはどの利用者さんもやめてしまう」という考えでした。そして、最近は提案すらしていないことに気が付いたのです。

利用者は1人1人違う個であって、取り巻く環境もニーズも違います。ですから、ある利用者さんは効果がなくても、他の利用者さんには効果があるかもしれないということがあります。私はそれを考えなくなっていたのです。利用者が望む暮らしの一助になり得る可能性の手段を、自分の経験や感想だけで否定していたかもしれません。

まとめ

実習生受け入れ事業所になると、書類手続きやスケジュール作り、自分の業務調整、3日間の緊張感と大変なことが多いイメージです。しかし学ぶことも多く、実習後の業務に対する自身の姿勢を改めて律する良い機会にもなります。実習生を指導しながら自分も学び直す、新たな考え方に気付ける点などは貴重なことだと思いました。最初は億劫とさえ感じていた実習生受け入れですが、実際に経験してみると「総じてこのカリキュラムは良いな」ということを感じます。

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