介護従事者の深刻な腰痛問題!原因と対策について

2016-10-25

厚生労働省は2013年、「職場における腰痛予防対策指針」を改定しました。実に19年ぶりの改定となり、介護施設でも離職率を減らすため、腰痛予防へ積極的に取り組むことが重要視されています。ここでは、そんな介護従事者の腰痛について、原因と対策を取り上げていきましょう。

介護施設における腰痛の現状

腰痛が起こりやすい職業の割合を見てみると、介護業務を含む保健衛生業の割合が最も多くなっています。しかも他業種の腰痛は減少傾向にあるのに対し、保健衛生業は減少していません。

また、腰痛は年齢が高くなるほど生じやすいと思われがちですが、20代で最も多く見られます。経験年数で見ると、3年未満の職員が腰痛を発生しやすくなっているのです。

介護職の離職率は、2013年で16.6%と改善傾向にあります。離職の理由は人間関係の問題が最も多く、対人関係や職場環境のストレスが原因となっているようです。近年、心理的なストレスと腰痛との関連が指摘されているため、まさに注目すべき点と言えるでしょう。

介護従事者の腰痛の原因

腰痛が起きる原因、そして腰痛が起こりやすい動作として、次のようなものが挙げられます。

これらの動作は、介護業務で日常的に行う動作でしょう。さらに作業スペースが狭い、休憩場所がないなどの環境が原因となることもあります。また、近年は働き甲斐がない、生活の満足度が低いなどの心理的ストレスによって、腰痛が慢性化・悪化するとも言われるのです。先に挙げた離職率からも分かりますが、介護業務には人間関係や職場環境の点でも、腰痛の原因が潜んでいるといえます。

このように原因の多様な腰痛ですが、腰にはっきりとした異常があることは少ないとされています。例えば横になっていても痛かったり、足に力が入りにくかったり。あるいは、尿が漏れるなどといった症状が伴う場合は、ヘルニアや骨折など重篤な病気が隠れている危険性が。早急に病院へかかる必要があります。

しかし腰痛のほとんどは「非特異性腰痛」と呼ばれ、腰に明らかな異常がない場合に見られるものです。そのため、病院に受診して、重篤な病気がなく安静も強いられないのであれば、むしろ可能な範囲で運動する方が効果的であるとされています。

腰痛を予防するために大事なこと

腰痛はさまざまな原因が関わっているため、多視点から対策していく必要があります。大きく3つのポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。

体が硬いことは腰痛の原因となります。そのため、ストレッチを行って柔軟性の向上を図る必要があります。また、いくら気をつけても、介護の仕事は腰への負担が少なからず発生してしまいます。そのため、腰部の負担を軽くするため筋肉をつける必要があるでしょう。腹横筋を代表とする体の芯の筋肉を鍛えることで、負担への耐久性が向上します。

もし腰に負担がかかったとしても、すぐ負担を除けば腰痛になりにくくなります。「これだけ体操」に代表されるようなすぐに取り組める体操を、業務内に組み込んでみてください。そうすることで、腰痛になりにくい体を保てるとされています。

先に挙げた腰痛になりやすい動作を行う際に、腰への負担を減らす必要があります。ポイントは「パワーポジション」という姿勢です。

オリンピックで重量挙げが注目されましたが、あの姿勢がまさにパワーポジションとなります。対象に近づいて膝を曲げ、少しお尻を突き出すようにして胸を張る姿勢です。そうすることで、腰にかかる負担を減らしながら作業できます。

狭いベッド周りのスペース、あるいは休憩が取りにくいなどの勤務体系を改善することで、腰痛を軽減できます。無理な介護は自分の体だけでなく、利用者さんにもリスク生じてしまうもの。そのため、リスクマネジメント観点からも効果的です。

また、福祉用具の活用もまだまだ課題となっています。重度介助が必要な場合にリフトを導入したり、スライディングボードを使うといったノーリフトポリシーを実践したりすることで、腰部への負担が少ない介助を行うことができるでしょう。さらにストレスへの対策も重要ですが、これは管理者クラスの職員の対応が必要となります。働き甲斐のある職場作りや環境への配慮、部下へのストレスマネジメントなどで、心理的な要因で生じる腰痛を予防していくことが可能です。

介護の仕事は、心身ともに負担がかかります。しかし、その分だけ人の役に立ち、大きなやり甲斐を感じることができる素晴らしい仕事です。腰痛を予防して、元気に介護の仕事を続けていきましょう。

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