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24時間の介助や姿勢を考える大事さ

2017-06-23

人の生活は一つの動作や姿勢が連続して成り立っています。そのため、私たちが介助を行ったり、姿勢を調整したりしていく上で、生活の一部分として関わるのでなく、24時間連続した視点で関わることが重要です。そこで、今回は、介助、姿勢を24時間連続した視点で考える大切さについて、事例を交えて紹介していきます。

生活はたくさんの場面の連続で成り立っている

私たちの生活は食事や排泄、運動、余暇活動などさまざまな場面の連続から成り立っています。「当たり前じゃないか……」と思われるかもしれませんが、もう少し細かく見てみましょう。

食事を美味しく食べるために必要なことは何でしょうか。ご飯が美味しいことはもちろん必要ですし、素敵なレストランや落ち着ける自宅といった自分の好きな環境も重要かもしれません。しかし、もしも食事の前にとても嫌なことがあって、気持ちがすっかり落ち込んでしまっていたら。いくら豪華な食事で、最高の環境でも美味しい食事は食べられません。あるいは、日頃からとてもつらい仕事ばかり行って体がボロボロになった状態では、美味しい食事も喉を通らないことでしょう。

このように、食事の場面を考えても、その他の時間にどのような生活を送っているかが大きく影響を与えるのです。

生活を連続したものとしてとらえて行う介助や姿勢調整

それでは、生活を24時間連続したものととらえた上で、私たちの介助や姿勢調整について考えてみます。私たちは介助や姿勢調整を行う際に、場面ごとに区切って考えがち。先ほどと同様に、食事場面を例にしてみましょう。

皆さんは食事姿勢が悪い利用者さんに対して、どのような援助を行うでしょうか? 食事という場面だけを考えると、嚥下や食事動作(箸やスプーンの使用)が行いやすいような姿勢調整を行うのではないかと思います。

もちろん食事場面での評価を行って、良い姿勢を整えていくのは大切です。しかし、それだけでは不十分な場合があります。そこで必要なのが、食事場面だけを考えるのではなく、生活全体をしっかりと見て改善していくという視点です。

食事の前に臥床していたのであれば、その時の姿勢がねじれていたり、体に負担のかかった姿勢だったりして、離床後に座ってから良い姿勢がとれないかもしれません。また、起き上がる時や移乗する際の介助方法が不適切であれば、体が強張って良い姿勢が取れなくなってしまうかもしれません。

このように、いくら食事場面の環境を整えても、そのほかの場面で不適切な介助や不十分な姿勢調整を行ってしまうと、目標とする結果がなかなか出ない可能性があるのです。そのため、日頃から自然な人の体の動きに即した介助方法や生活の様々な場面で適切な姿勢調整を行っていく必要があります。

24時間の介助や姿勢を考えよう

24時間の介助や姿勢を考える上で、個人のスキルアップはもちろん必要です。ただし、それだけでは不十分。適切な福祉用具や人員配置が不可欠でしょう。

このうち『ロコモ25』は体の状態や生活の状況を調べる質問形式のテスト、他の2つは体の動きを検査するテストです。

管理者は経営的な視点で、用具や人員をコストととらえて削減をする方向で考えがちなもの。しかし、24時間の視点で適切な介助や姿勢調整ができれば、利用者様の介助量は軽減し、目標の達成も可能になります。その結果、利用者さんの満足度が高まることはもちろん、職員もやり甲斐が持てて仕事にもより熱意を持って取り組めるでしょう。そうすればサービスの質が向上し、より施設にとっても良い効果がもたらされることになるはず。このように生活を24時間の連続したものとして考えることは、介助を受ける側・する側の双方にとって大事なことと言えるでしょう。

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