認知症の人を在宅・地域でどう支えていくか?

2017-08-29

「地域包括ケアシステム」を構築し、高齢者が住み慣れた地域あるいは在宅で生活を継続するための施策を実施。認知症の人に関しては「新オレンジプラン」として、認知症の人が住み慣れた場所に住み続けるための地域づくりについて進められています。そこで今回は、私たちが専門職として認知症の人を在宅・地域でどのように支えていけばいいのかを、一緒に考えていきたいと思います。

認知症の人を支える地域の現状

日本における認知症は年々増加の一途をたどり、2025年には65歳以上の5人に1人までに達するとされています。そのため、国は「新オレンジプラン」において認知症の人やその家族の視点を重視し、住み慣れた地域での生活を送ることを理念として掲げている状況です。

しかし、実際にはどうなのでしょうか。以前に比べて世間の認知症に関する認知は高まり、認知症に対する知識も広まっています。また、オレンジカフェなど住民を巻き込んだ社会資源も作られてきました。とはいえ、先進的な取り組みを行うのは一部の人々であることも否めません。地域ではまだまだ認知症への対応の理解が進まず、孤立したり、課題が解決できなかったりしている場合が少なくないのです。

実際、私の働く地域でも認知症地域支援推進員が配置され、オレンジカフェなどが開催されています。しかし地域ケア会議などで住民の声を聞くと、自分が認知症になった時の生活や、認知症の介護に関する不安の声は多いのが現状です。このような現状を解決するためには、私たち認知症高齢者の介護に携わる専門職も、何かアクションを起こしていく必要があります。

認知症の人の「本人の声」を大切にしよう

まずもっとも基本的かつ重要なことは、認知症の人の声をしっかり聞き取っていくこと。もしかすると「専門職としては当たり前のこと」と思われるかもしれません。しかし、本人の声を「大切にする」ことが本当にできているでしょうか。

認知症だからといって、本人の希望を聞いただけで後の計画や実施、振り返りを専門職のみで行っている方。それでは、本人の声を大切にしているとは言えません。

重要なのは、「認知症の人自身が参加して取り組めることはないか」と考える視点。今までの生活歴や社会背景もしっかり聞き取った上で、認知症があるからといってだからといってすぐ諦めず、認知症の人の可能性を引き出していく視点が必要です。

もちろん、全て上手く実践することは難しいかもしれません。しかし認知症の人の声を一つずつ大切にし、実践できないかどうかを認知症の人とともに考えて行動に移そうとすることで、認知症の人が住みやすい地域が形作られるキッカケになっていくのです。

アクションミーティングとは?

認知症の人の声を大切にしていく中では、地域におけるさまざまな課題が浮き彫りになってきます。そこで、地域に必要なことを話し合い、実践に移す場所が必要です。

このような地域課題などを解決する場所として、私たち専門職の間では「地域ケア会議」や「多職種連携会議」などが行われています。しかし、このような行政主導の手法は地域住民には敷居が高く、実際の住民の声が反映されにくいといった課題があります。

そこで注目されるのが「アクションミーティング」です。これは新潟県湯沢町で積極的に実践されている手法で、町内の住民や関係機関などが集まり、立場や役割といった垣根を超えて町の認知症支援の取り組みについて話し合うというものです。湯沢町ではそこで出た意見を元に実際にアクションを起こしていくことで、認知症の人やその家族を巻き込んださまざまな活動が生まれています。

私の働く地域でも、最近、住民を交えた認知症施策に関するミーティングが開催されています。そのような会に専門職も積極的に参加することで、住民の認知症への理解が進み、産学官民といろんな人と繋がりが広がり、認知症の人が住みやすい地域を作るアクションが生まれることを経験しました。

認知症の人が住みやすい地域を作るために、私たちができること。それは専門職として個別のケアをしっかり行い、認知症の人の可能性を大事にしていく視点を忘れないことです。それに加えて、地域に目を向け、住民と共に課題を解決していく視点を持ち、専門職として認知症の人を在宅・地域で支える仕組みを作っていきましょう。

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