高齢者がいつまでも自分らしく生活するために〜生活行為を向上させよう〜

2017-09-29

高齢者がいつまでも自分らしく生活するためには、たくさんの障害があります。特に要介護状態になると老化による心身の衰えはもちろん、人や社会との繋がりが薄れたり、自尊心や生きる目的も失われたりしがちです。それでも、最後まで自分らしく生活をするために私たち専門職として行える、生活行為を向上させる取り組みについて紹介します。

生活行為とは?高齢になると生じる生活行為の障害

生活行為とは、「人が生きていく上で営まれる生活全般の行為」と定義されています。起きる、座る、立つ、歩くなどの基本的な動作。また、食事や排泄、更衣などの日常生活動作はもちろんですが、調理や買い物、掃除などのいわゆる手段的日常生活動作(IADL)や仕事、趣味、他者との交流といった幅広い行為も含まれます。

若くて体が元気な頃は、好きなことを自分で選択して実行します。旅行に行きたければ行くし、もしお金が足りなければ仕事をして稼ぐでしょう。自分で調理して食事しますし、料理が嫌いなら外食することもできます。

しかし高齢になると、老化や病気により心身の機能は衰えてしまうものです。そうすると基本的な動作も不十分になり、自分の身の回りのことが難しくなってきます。同時に、仕事や趣味、気の合う仲間との交流も、やはり減ってきてしまうでしょう。

このように、高齢になることによる制限で、生活行為はさまざまな部分に悪影響が及ぼされていく悪循環が生じてしまうのです。そのため、生活行為を向上させ、高齢者がいつまでも自分らしく生活するための支援が必要になります。

意欲を引き出すためのアセスメントをしよう

では実際、どのように生活行為を向上させていくのでしょうか。私たちは高齢者にサービスを提供する際、サービス計画書やケアプランを作成します。そのためには、まずアセスメントを行うことが必要です。その際に求められる視点が、いかに意欲を引き出すアセスメントができるかということになります。

私たちは、つい「できないこと」に目を向けてしまいがちです。しかし、それだけではなかなか意欲を高めるサービスは提供できません。そのため、「したいこと」や「興味があること」、「続けていきたいこと」をしっかり聞き取り、前向きに取り組めるような内容を引き出していく必要があるのです。

もちろん、現状の状態では難しい希望もあるかもしれません。認知症や障がいが重度で聞き取れない場合もあるでしょう。それでも、実現可能な目標を段階的に設定したり、家族やこれまでの生活歴、社会歴などから利用者のやりたいことを推測したりして、サービスを計画することはできます。日本作業療法士協会が作成した、「興味関心チェックリスト」と呼ばれる評価用紙もありますので、参考にしてみてください。

多職種恊働で生活行為を向上させよう

実際にサービスを行ううえでは、多職種恊働の視点が欠かせません。計画書を立てる人、例えばケアマネジャーやサービス提供責任者が中心となって、できない部分にサービスや専門職を当てはめていくのでは、生活行為の向上を図ることはできないでしょう。

必要なのは、できない部分の穴埋めで業務を分担させるのではなく、利用者が中心となり、行いたい生活行為や目標達成のためにサービスや専門職で役割分担をする視点です。各事業所でより具体的な目標を整合したり、連動させたりしながら共通の目標を共有して、役割分担を行っていく多職種恊働が重要になるのです。

生活行為の向上を図り、高齢者が意欲的に自分らしい生活を取り戻す姿を見ると、介護者はどう感じるでしょうか。できない部分を助けるための介助ではなく、何かをできるようにするための介護を行っていくことは、介護者としてもあるべき姿だと思います。意欲を引き出すアセスメントを実践して、生活行為向上のためのサービスを提供していきましょう。

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