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介護現場でも活用できるSPDCAサイクルとは?

2017-11-06

品質や生産管理の現場で実践される手法の一つであるPDCAサイクル。このサイクルを回すことで、継続的に業務の改善を図ることができるとされています。最近はサービス業を始め様々な現場で実践され、このPDCAサイクルをリハビリマネジメントに活用したものがSPDCAサイクルです。今回は、介護現場でも活用できるSPDCAサイクルの考え方や実践例をご紹介します。

SPDCAサイクルとは?業務改善やケアマネジメントに活用可能

SPDCAサイクルってご存知ですか? 業務改善で活用されるPDCAサイクルを改良して、リハビリテーションマネジメントで活用されている手法です。通常のPDCAサイクルは「P(Plan)」で計画を立てて「D(Do)」で実行、「C(Check)」で評価して「A(Act)」で改善というサイクルを繰り返すことで、業務を常に改善しながら進めていく手法。それに加えて、SPDCAサイクルは前段階としてS(Survey)の調査をしっかり行うことを重要視しています。

つまり、計画を立てる前に、計画を立てるために必要な調査をしっかり行っておきましょうということです。当たり前のように思いますが、介護業務を行う中で、なかなか実践できていないことも多いのではないでしょうか。しかし、業務改善や効果的なケアマネジメント作成には非常に有効活用できる手法なのです。そこで、具体例を見ていきながら、実践手法を学んでいきましょう。

SPDCAサイクルでスムーズに業務が回る!?業務改善の具体例

「業務に追われて利用者様の対応がおろそかになっている……」という悩みをよく聞きます。24時間休みなく続く介護業務の中で、重度化する介護度、人員の不足など様々な要因で時間に追われることは少なくありません。少しでも時間を効率的に使い、利用者様にできるだけ質の高い介護を提供したいという思いは共通の思いです。

そこで、業務効率化にSPDCAサイクルを使うことができます。この業務の効率化に関しては、とりわけ主任やリーダークラスのスタッフがしっかりと実践する必要があります。

例えば、トイレ誘導で時間が足りないという課題に関して、利用者様に対するサービスの質を落とすのは言語道断ですね。そこで、おむつやパット類の配置や誘導の順序、スタッフの配置や振り分けなど効率性を高められる部分はみんなで改善していく必要が有ります。

PDCAサイクルで実践していけば、改善していく部分もあると思いますが、うまくPDCAサイクルを回すために、しっかり現状の課題や目標、そして各スタッフの意見などを主任クラスのスタッフが調査(Survey)しておけば、スムーズに改善に向けたサイクルが回すことができます。

SPDCAサイクルを活用して意欲を引き出すケアマネジメント大変身!

もともとリハビリテーションマネジメントで活用されていたSPDCAサイクルですので、ケアマネジメントへの活用はわかりやすいででしょう。そもそもケアマネジメントはケアプランを計画、実行して、モニタリングなどを活用してチェックを行いながら、カンファレンスなどで改善していくというようにPDCAサイクルを実践するものです。

そこで、調査を実践するとはどのようなことでしょうか? 私の経験上、調査の目的を端的に言えば「目標の落とし所を明確にする」ということになるのではないかと思います。

ケアプランでは、必ず目標を立てます。その際、利用者様やご家族の希望を元に目標を設定します。ただ、その目標はどこまで調査した結果でしょうか。ケアプランの作成には、疾患や障害、活動や社会参加の能力に加えて、個人因子や社会因子をどこまで把握して目標を設定するかが非常に重要になります。

しかし、ついつい家族の意見を優先してしまったり、ご本人様の可能性を引き出すことをおろそかにしてしまったりしがちです。ちょっとした社会参加や趣味活動の成功が、体の機能を向上させる可能性も十分にあります。そこで、しっかり利用者様、ご家族、他専門職の意見を聞くという「調査」を行い、達成可能な目標の落とし所を決めることが重要なのです。

SPDCAサイクルで楽しく介護業務を行っていこう!

SPDCAサイクルは最初のSurveyの部分をしっかり行う点が重要です。ただ普段から行っていないわけではないはずです。なんとなく行っている部分をより意識して行うことで、改善に必要な目標設定、計画設定を行いやすくなります。是非、SPDCAサイクルを実践して、楽しい介護業務を行っていきましょう!

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