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介護家族とのコミュニケーション〜情報共有の方法とメリット〜

2018-05-24

地域包括ケアシステムの構築が進む中、医療と介護の連携の必要性が強まっています。介護報酬にも反映されており、意識を高めている事業所は多いことでしょう。地域包括ケアシステムを推進する上で忘れてはならないのが、介護家族の存在です。いわゆる「互助」にあたる人たちとの連携について、コミュニケーションの方法やメリットについて考えます。

介護家族とうまくコミュニケーションを取る方法

介護家族とのコミュニケーション方法として、おもに以下のようなものがあげられます。

1.電話で連絡

それぞれ一長一短があり、状況に応じて適切に使い分けることが必要です。例えば体調などで気になる点を報告する必要があるならば、電話で連絡することが多いのではないでしょうか。

家族との情報共有には、電話連絡がもっとも効率的に思えます。しかし、なかなか電話が繋がらなかったり、仕事が休みの日以外は不在であったりすることも少なくありません。最近では民間起業が提供する家族と介護事業所とのコミュニケーションを図るためのアプリなども提供されており、電話のみならず、こうした手段も視野に入れていく必要がありそうです。

利用者の性格や生活歴、社会歴といった情報をしっかり把握するためには、家族への聞き取りが欠かせません。しかし、それを電話だけでやろうとすると到底十分とは言えないでしょう。家族と顔を合わせてコミュニケーションを取るために、直接会う機会を設ける必要があります。送迎や担当者会議などで自宅に出向くのはもちろん、本人が普段利用している施設を見学してもらったりするのも非常に良いコミュニケーションの機会といえます。施設側は定期的に家族会や施設内覧会を行ったり介護予防教室や健康講座を開催したりすることで、開かれた印象を与えられ、家族などもより一層施設に訪れやすくなります。こうした工夫もポイントになります。

家族とコミュニケーションを取ることで得られるメリット

家族としっかりコミュニケーションを取ることで、具体的に以下のようなメリットが得られるでしょう。

1.利用者のケアプランやサービス提供に活かす情報を得ることができる

サービス面において1、2の項目は特に重要です。現在の介護業界では、いかに他事業所とサービスの差別化を図るかが問題です。そのため、家族から得た情報をサービスに反映していくことは個々に適したサービス提供に繋がり、必要不可欠といえます。

また、家族と密に連携を取ることは家族にとって安心感につながり、信頼関係の構築にも役立ちます。経営面から見てもとても重要な取り組みと言えるでしょう。

家族とのコミュニケーションをサービスに反映した実例を紹介

私が働く通所リハビリ事業所では、リハビリテーションマネジメント加算を算定して、家族を含めたリハビリテーション会議を定期的に開催することでコミュニケーションを図っています。そこでの出来事をご紹介しましょう。

会議中にご主人から、「昔から夫婦で温泉に行っていた。また行きたいけど、無理かな」という一言を聞くことができました。実はその後に分かったのですが、利用者自身も温泉に行きたいという気持ちを持っていたものの、障害や家族への負担を考えて言わずにいたのです。

せっかくなので、温泉へ行くために必要な運動を実施したり、ご主人がバリアフリー対応の温泉を探すなど、早速実行に移しました。「家族」という役割を巻き込んだ多職種連携で、ご夫婦は見事に念願の温泉へ行くことができました。

この出来事から分かるように、家族からの情報はサービスの質の向上につながったり、利用者のニーズを叶えることにもつながると実感しました。

まとめ

家族とのコミュニケーションが重要であることは誰もが分かっていることでしょう。しかし忙しい業務の中では、思うようにコミュニケーションを取れないこともあります。利用者に質の高いサービスを提供するため、事業所の状況に合った方法で、家族との連携を強めていきたいものです。

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