認知症は、初期段階でしっかり予防していくことが重要です。予防法はいろいろありますが、「デュアルタスクトレーニング」という運動が注目されているのをご存知ですか? 今回は、介護事業所で気軽に実践できる方法をご紹介します。
デュアルタスクトレーニングとは、簡単に言えば「頭を使いながら同時に体を動かす」トレーニングです。「デュアル(2重の)」「タスク(課題)」という名のごとく、頭で計算や語想起などの課題を行いながら、足踏みや腕振りなどの運動を同時に行います。
例えば国立長寿医療研究センターでも、「コグニサイズ」というデュアルタスクトレーニングを開発して認知症予防に活用しており、認知症予防におすすめです。
デュアルタスクトレーニングを実施するときには、いくつかの留意点があります。大きく3つのポイントに分けてご説明します。
(1)課題の難易度に注意する
(2)転倒に注意する
(3)楽しく盛り上げる
色々な現場でデュアルタスクトレーニングを行うための方法をご紹介します。利用者の特徴に合わせて楽しく実践してみましょう。
<座って行う場合>
例えば、足踏みをしながら野菜の名前を順に言っていく、または手拍子をしながら昨日食べたものを言っていく・・・などで試してみて下さい。慣れてきたら、組み合わせを変えたり、スピードやリズムを変えたりして、いろんなバージョンでやってみましょう。
<立って行う場合>
<リハビリ器具を使って行う場合>
脳トレなどがモニターで行えるマシンもありますが、非常に高価なので、どの施設でも購入できるとは限りません。私の施設では、運動中も見えるように計算問題や間違え探しなどを貼りつけて、運動しながら脳トレを実施できるように工夫しています。
認知症予防は、介護業界に限らず一般の方々にとっても関心が高まっているテーマです。施設でもしっかり意識して運動に取り組むことは、サービスの質向上だけでなく良いアピールにもなります。ぜひ、手軽に行えるデュアルタスクトレーニングを行ってみてください。