多様化する通所介護について

2017-03-10

昨年8月、兵庫県神戸市がアミューズメント型デイサービスについて規制する方向での条例改正を打ち出し、全国発として話題になりました。このアミューズメント型デイサービスのように、通所介護自体の事業は、介護保険制度の枠組みの中で「通って日常生活の介護を受けるだけ」のサービスではなくなってきています。

さまざまな通所介護サービス

アミューズメント型デイサービス以外にも、「機能訓練強化型デイサービス」や「小規模サロン型デイサービス」、あるいは地域によって廃業したスナックを改装したスナック型デイサービスなど、実に特色豊かなものまであります。

そもそも通所介護とは、入浴や排せつ、食事等の介護、生活等に関する相談及び助言、健康状態の確認やその他の居宅要介護者に必要な日常生活上の世話、機能訓練などの実施を目的としたもの。この点からも、利用者となる高齢者のニーズを叶えるためには、解釈が多岐にわたってしまう場合があるでしょう。

では、そういったさまざまな形の通所介護事業所について、介護職はどのように考え、向き合っていくことが必要となるのでしょうか。

通所介護における介護職員の役割

介護職といえば、高齢者の身の回りのお世話を中心とした身体的介護が一般的に想像しやすいでしょう。しかし通所介護においては、身体的介護以外の業務のウエイトが大きくなる場合もあります。

例えば先述した機能訓練強化型デイサービスであれば、マシーンを使用したリハビリを積極的に行います。そのため、理学療法士やスポーツトレーナーのような、身体機能に関する知識や技術が必要となるのです。また、こういったデイサービス事業所は食事や入浴を提供せず、短時間での通所介護になる場合も少なくありません。すると、送迎だけで1日に何往復もすることも考えられます。

さらに冒頭で述べたアミューズメントデイサービスのように、事業所の方針によっては軽度者を中心に受け入れる事業所もあります。そうなれば、身体介護よりコミュニケーション能力、あるいは一種のコーディネーターのような役割が求められる場合も考えられるでしょう。

その他、通所介護は1日の限られた時間の中でサービスを提供するため、時間割のように時間毎でやることを細かく決めています。すると、直接介護業務とは異なる記録や書類整備などは時間外で行ったり、場合によってレクリエーションの小道具を作らされたりする事業所もあるそうです。

通所介護と通所リハビリの違い

通所介護とよく比較されるのが、同じ通所系サービスの通所リハビリテーションだと思います。通所リハビリはその名の通り、通うことでリハビリを行うサービス。では先ほど例に挙げた機能訓練強化型デイサービスと、何が異なるのでしょうか。

まず一番の大きな違いは、通所リハビリは医師の指示の下リハビリを提供するという点です。通所リハビリ事業所は主治医から指示を受け、理学療法士や作業療法士による身体的及び認知症における専門的リハビリを提供します。

さらに専門職によるリハビリだけではなく、通所介護と同様に入浴・食事など身体的介護サービスも提供する事業所がほとんど。そのため、一見すると通所介護との違いが不明瞭な場合もあるのが現実です。

しかし先般の介護保険法改正において、通所リハビリには『生活行為向上リハ実施加算』『社会参加支援加算』といった所謂通所リハビリを卒業することへの加算算定を設けました。これにより、通所リハビリの役割として、短期的にリハビリを実施して機能回復を図るという利用目的の方向性が明確になり始めています。

現実的には、こういった加算算定をしている通所リハビリ事業所はまだ少ない現状です。しかし今後は、通所リハビリと通所介護の住み分けは進んで行くかもしれません。

まとめ

介護保険施行後15年が経過する中、通所介護における介護職員の役割は大きく変わりました。一般的にイメージされる「身体介護だけやっていれば良い」という時代から、送迎を始め、各事業所の特色によって求められる能力が大きく違ってきているのです。

現在、通所介護の職員で働く先を探している方。また、通所介護を利用してみたい本人やご家族は、そういった各事業所の特徴をよく理解した上で比較してみることが大切でしょう。

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